こんにちは、ピッコです。
「悪女の皇后様に溺愛されてます」を紹介させていただきます。
今回は49話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

「この世界の未来を知っている者はどれくらいいるんだろ?」
シャルリーズのこと、シャルルはワンソールという国の未来を知っている。
というのはこの世界が彼女の読んだ本の中であるからだ。
シャルルは悪女の皇后の嫉妬を買って殺されるエキストラ役である… はずなのになぜか皇后に愛されている?!
皇后宮の侍女になったシャルルは今度は皇后様を守るために皇帝によって幽閉されている皇太子を味方につけようとする。
神獣の力を持っている皇太子こそこの本の真の主人公であるからだ。
5歳のシャルルが皇宮で生き残るために奮闘する物語。
シャルリーズ:本作の主人公。愛称はシャルル。皇后の侍女。
ローズ:皇后。シャルルを溺愛している。
ディアミド:皇太子。前皇帝の息子。
ヘイデン:皇后宮の侍女長。
ウェーバー:皇后宮の主任侍女。
ロチェスター公爵:ローズの兄。
シエナ・アンテス:原作のヒロイン。アンテス辺境伯の後継者。

49話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 皇太后陛下のお願い
「地下監獄で働く期間は少なくとも一年、その間は無給で処理する」
無給だって?
私は思わずため息をついた。
女中たちの顔も青ざめている。
「それまではあなたたちの勤務態度を見守るつもりでもあり、もし態度が変わらなければ」
皇太后陛下の口から冷静な宣言が出された。
「そのまま下女職は剥奪することにする」
女中たちは泣きながら皇太后陛下にしがみついた。
「皇太后陛下、治安局の地下牢なんて!」
「ど、どうして私たちをそんな険しい場所に行かせることができるのですか!?」
「どうか、一度だけ慈悲を施してください!」
そんな女中たちをじっと見つめていた皇太后陛下は、すぐに首を横に振る。
「侍女長」
「はい、ご下命ください」
「行って騎士たちを呼んでくるように」
その冷たい命令に、下女たちの瞳が激しく揺れた。
侍女長の唇の上に微かな笑みが浮かぶ。
「かしこまりました」
しばらくして。
「皇太后陛下!陛下!」
女中たちはもがいたが、騎士たちの力から抜け出すには力不足だった。
騎士たちに連れていかれる女中たちを見守っていた私は、サッと侍女長の袖の中に顔を埋める。
そうしないと、満面に広がった満足げな笑顔を隠せなかったから。
「ごめんなさいね、シャルリーズ」
そのように騒ぎが収まった後。
皇太后陛下は私をそばに座らせ、真髄な口調で謝罪の言葉をかけた。
「信じられない子供たちとは思ったけど、あなたにそんな悪いことまで犯すなんて」
あ、いいえ・・・。
実は私がわざと企んだことですから。
チクチクする良心を無視して、えへへと無邪気に微笑んだ。
「いいえ、むしろ私は皇太后陛下に感謝しています!」
「私に感謝?」
「はい!これからは私、怖い女中たちと会わないことになるじゃないですか!」
何も知らないふりをして答えると、皇太后陛下のシワだらけの目元に優しい笑みが広がった。
「それなら私も彼女たちに感謝しなければならないわね」
「え?どうしてですか?」
「あなたのおかげで、あの不遜な女中たちを片付ける名分ができたのだから」
そう仰った皇太后陛下が、私の頭を優しく撫でてくださった。
その優しい手を満喫していた私は鋭く目を輝かせる。
もちろん新しく選ぶ女中たちに、皇帝の影響力が入らないとは断言できない。
でも少なくとも・・・。
(皇太后陛下が直接女中を選ぶ機会はできたよね)
宮内庁から適当に送ってきた女中たちにこんな問題が生じたので、直接見て選択すると要請する根拠ができたのだから。
適切な女中を選ぶのは、皇太后宮でやることだし。
「実はね、今日はあなたに助けてもらいたいと思って呼んだの」
「はい?私が皇太后陛下を助ける?」
両目を丸くした。
私のびっくりした顔を見ていた皇太后陛下が微笑んだ。
「ええ、大したことじゃなくて、ケーキを一つ焼きたいの」
「ケーキですか?」
「やっぱり今までにやったことがないから、ずっと迷っているの」
皇太后陛下は照れくさそうな口調で言葉を付け加えた。
「侍女長も貴族出身なので、ケーキを焼いたことがないの。女中たちは全て切り取ってしまったから・・・」
いや、ケーキを焼くのを手伝うのは難しくないけど。
私は思わず質問を投げかけた。
「もしかして、ケーキを皇太后様が直接焼かなければならない理由があるのですか?」
そうじゃない?
他の方でもなく皇太后陛下なのに、自分でケーキを焼く必要はないよね?
瞬間、皇太后陛下の声に大いに浮き立つ気配が混ざる。
「ディアミドにプレゼントしたいの」
「・・・皇太子殿下に?」
皇太后陛下はとても嬉しそうな子供のように大きく頷いた。
「皇后の下賜品に混ぜて送るつもりよ。皇后にもすでに許可は得ているから」
「そ、そうなんですね。ところで、どうして急に・・・?」
「それは、明日がディアミドの誕生日だからよ」
「え?」
あ、明日がディアミドの誕生日だって?
私は皇太后陛下の前ということを忘れて呆然としてしまった。
幸せそうな声が私の耳元を叩く。
「5年間、一度も手に入れる機会がなかったのに、ようやく手に入れることができるようになったから」
・・・そうだったんだ。
私は両拳をギュッと握った。
「私、最善と尽くします」
「うん?」
「世界で一番美味しいケーキを焼いていただけるよう、誠心誠意そばでお手伝いします!」
あっ、声が大きすぎたかな?
ディアミドの誕生日って聞いたら、思わず肩に力が入ってしまって・・・。
こっそり皇太后陛下の顔色を伺う。
両目を丸くしていた皇太后陛下は、優しい声で答えた。
「ありがとう」






