悪女の皇后様に溺愛されてます

悪女の皇后様に溺愛されてます【55話】ネタバレ




 

こんにちは、ピッコです。

「悪女の皇后様に溺愛されてます」を紹介させていただきます。

今回は55をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【悪女の皇后様に溺愛されてます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「悪女の皇后様に溺愛されてます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介...

 



 

「この世界の未来を知っている者はどれくらいいるんだろ?」

シャルリーズのこと、シャルルはワンソールという国の未来を知っている。

というのはこの世界が彼女の読んだ本の中であるからだ。

シャルルは悪女の皇后の嫉妬を買って殺されるエキストラ役である… はずなのになぜか皇后に愛されている?!

皇后宮の侍女になったシャルルは今度は皇后様を守るために皇帝によって幽閉されている皇太子を味方につけようとする。

神獣の力を持っている皇太子こそこの本の真の主人公であるからだ。

5歳のシャルルが皇宮で生き残るために奮闘する物語。

シャルリーズ:本作の主人公。愛称はシャルル。皇后の侍女。

ローズ:皇后。シャルルを溺愛している。

ディアミド:皇太子。前皇帝の息子。

ヘイデン:皇后宮の侍女長。

ウェーバー:皇后宮の主任侍女。

ロチェスター公爵:ローズの兄。

シエナ・アンテス:原作のヒロイン。アンテス辺境伯の後継者。

【悪女の皇后様に溺愛されてます】まとめ こんにちは、ピッコです。 「悪女の皇后様に溺愛されてます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介...

 




 

55話 ネタバレ

悪女の皇后様に溺愛されてます【54話】ネタバレ こんにちは、ピッコです。 「悪女の皇后様に溺愛されてます」を紹介させていただきます。 今回は54話をまとめま...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 息子からの贈り物

ちょうどその時、皇帝の瞳が狡猾に輝いた。

「そういえば、お母さん」

はぁ。

私は心の中でため息をつく。

本当に、皇帝が口を開けると心臓が止まるんだよね。

どうやら私と似たような心情だったのか、皇太后陛下も密かに眉をひそめる。

「久しぶりにお見舞いに来たのに、手ぶらで来るわけにはいきません」

「何をおっしゃいますか」

皇太后陛下は慎重に皇帝の表情を見た。

「皇帝陛下は私の息子じゃないですか。いつでも気軽にお越しください」

「ですが皇室の大御所様に対し、あまり礼儀を弁えないわけにはいきません」

私はつい呆れてしまう。

本当に礼儀がと言うなら、この古い皇太后宮を直してから言ってよ!

・・・それより何を企んでいるの?

私が疑問に思っていたその時。

皇帝は大げさな動作で指先を軽く叩いた。

すると、侍従の一人が静かに近づいてきて大きな木箱を置く。

「どうぞ、帝国南部から進上されたレシタンです」

箱の中には拳ほどの大きさのオレンジ色の果物がぎっしり詰まっていた。

熟した果物特有の甘酸っぱい香りが広がる。

「以前たまにレシタンが皇居に入るたびに、好んで召し上がっていませんでしたか?」

皇帝は世界一の親孝行者でもあるかのようにニヤリと笑う

「そう考えて、お母さんに味わってもらいたくて持ってきました」

わあ・・・、皇帝・・・。

いくらなんでも自分のお母さんに、ここまで稚拙にする必要があるの?

あの果物、レシタンじゃない!?

レシタンは熱帯果物で、南部の島地域だけで時々栽培される非常に珍しい果物。

あの果物の特徴は甘くてさっぱりした味わい、シャキシャキとした食感。

そして・・・。

(とても硬いということ)

 



 

なかなか手に入らない果物だったので、皇后宮でも見かけられなかった。

それでも皇后様が召し上がる時、一切れ食べたことがあるのだけど・・・。

(すごく美味しかった。・・・じゃなくて!)

私はハッと気がつく。

前回見たところ、皇太后陛下は歯が少し不自由そうに見えた。

そういう方にあんな硬い果物をプレゼントするのは、ちょっと違うんじゃない?

皇太后陛下は拳を握りしめる。

「・・・ありがとうございます。レシタンを最後に食べたのは、もう5年以上前のことですね」

「おや、そうでしたか?これからは私がよく面倒を見なければなりませんね」

皇帝の瞳に卑劣な勝利感が漂う。

「でも、好みそのものが変わるわけがないですからね。どうか、お口に合うといいのですが」

からかうように話を続けた皇帝が、手振りで私を呼んだ。

「そこ、こっちに来るように」

あの、私ですか?

私は緊張した顔を出さないように努め、小走りで皇帝に近づいた。

「行ってレシタンを切ってきなさい」

その言葉に、皇太后陛下の顔の上に侮辱感が漂う。

その表情を楽しむように眺めながら、皇帝は言葉を結んだ。

「貴賓たちも一緒に召し上がれるようにね」

 



 

厨房に着いた私は、困った顔でレシタンを見下ろした。

「このままレシタンを出すのは少し違うと思うんだけど・・・」

普通に果物を切ったところで、皇太后陛下はきっと召し上がれないだろう。

そして、皇帝はその姿を見て喜ぶはず。

その光景はやはり見たくなかった。

私は深い悩みに陥る。

「できるだけ細かく切って持って行こうか?」

しかし、皇太后陛下が気楽に召し上がるためには、スプーンですくって食べられるほど細かく切らなければならない。

・・・それはあまりにも礼儀正しくならなければならない人々の前で見せるには品位がない姿じゃないか。

おそらく皇帝が望んでいるのも、そういうことだろう。

皇太后陛下が、貴賓たちの前で恥ずかしい姿を見せることをね。

どうしても解決策が思い浮かばなくて唇だけむずむずしていた時、透明なグラスが目に入った。

「あ!」

ティーテーブルの前に立った私は、手を合わせて丁寧に頭を下げた。

「仰っていたレシタンです」

それと同時に、女中たちが皿を音もなくテーブルの上に置く。

皿には綺麗に削られた果物がいっぱい盛られていた。

「あらまあ、こんなに貴重な果物を味わうことになるとは」

「レシタンって、これは南部でも貴重な果物じゃないですか」

「ありがとうございます、皇帝陛下」

何も知らない貴族たちは、皇帝に感謝の気持ちを表すために口が渇くほど賞賛する。

おおよその事情に気づいた皇后様と公爵様は、そっと雰囲気を察した。

皇太后陛下は侮蔑感に満ちた目つきで果物の皿を見下ろしている。

その様子を観察するように見守っていた皇帝は、やがて唇の先を上に押し上げた。

「皆さん、召し上がってください」

まるで自分がこのティータイムの主催者でもあるかのように、皇帝は堂々と果物を勧める。

そして、私はできるだけ平気なふりをして口を開いた。

「そしてこれは、レシタンと氷を一緒にすりおろして作ったジュースです」

その瞬間、皇太后陛下が目を大きく開いて私の方を振り返る。

私は大人しく言葉を付け加えた。

「皆さん喉が渇いているようですので、こちらも準備してみました」

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