こんにちは、ピッコです。
「悪女の皇后様に溺愛されてます」を紹介させていただきます。
今回は62話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

「この世界の未来を知っている者はどれくらいいるんだろ?」
シャルリーズのこと、シャルルはワンソールという国の未来を知っている。
というのはこの世界が彼女の読んだ本の中であるからだ。
シャルルは悪女の皇后の嫉妬を買って殺されるエキストラ役である… はずなのになぜか皇后に愛されている?!
皇后宮の侍女になったシャルルは今度は皇后様を守るために皇帝によって幽閉されている皇太子を味方につけようとする。
神獣の力を持っている皇太子こそこの本の真の主人公であるからだ。
5歳のシャルルが皇宮で生き残るために奮闘する物語。
シャルリーズ:本作の主人公。愛称はシャルル。皇后の侍女。
ローズ:皇后。シャルルを溺愛している。
ディアミド:皇太子。前皇帝の息子。
ヘイデン:皇后宮の侍女長。
ウェーバー:皇后宮の主任侍女。
ロチェスター公爵:ローズの兄。
シエナ・アンテス:原作のヒロイン。アンテス辺境伯の後継者。

62話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- シャルルの誕生日
「・・・」
「・・・」
ああ、どうしてこんなことになってしまったの。
私は荒唐無稽な気持ちで、突然作られた皇后様とディアミドの競争構図を凝視した。
「私が先に言いました!」
「いいえ、先に言ったからといって、無条件にその日に指定するという法律はないじゃないですか」
皇后様とディアミドは、私の誕生日について全く譲歩しない。
そして公爵様は・・・。
「・・・あれを妹だと言って、今まで愛でて暮らしていたなんて」
首を横に振った公爵は、微かな目つきを浮かべていた。
まるで皇后様を大切にしてきた過去の人生を振り返り、反省でもするかのように。
ともかく、皇后様とディアミドの争いは刻々と激化していた。
「じゃあ、こうしましょう」
「それはどういうことですか?」
「私たちだけでこうやって口喧嘩をするのではなく、シャルルに選んでもらえばいいじゃないですか?」
そう話す皇后様の表情は、勝利の自信があるかのように堂々としている。
同時に、二人がさっと私の方を振り返った。
「シャルル、あなたの誕生日はいつにしたい?」
皇后様のほのぼのとした声に、私はつい泣きそうになってしまう。
どうして私に振るのですか?
皇后様はお淑やかに話を継いだ。
「あなたが望む日を言ってみなさい。絶対に負担に思う必要はないから」
私は皇后宮所属の侍女だから、皇后様の味方になった方がいいのだろうか?
激しい悩みに陥っていると、ディアミドが不機嫌な口調で口を開く。
「私は、まだ君から誕生日プレゼントをちゃんと貰っていないのに」
「・・・え?」
「君の誕生日が私たちが初めて会った日になったら、私はとても嬉しく思うのだけれど・・・」
ディアミドが哀れな目で私をチラリと見た。
皇后様の顔がぐしゃりと潰れる。
ああ、そこまで言われたら断れないじゃない!
結局、私は皇后様の顔色を伺いながら、口を開いた。
「それじゃあ、私の誕生日は皇太子殿下が決めた日付にします」
「皇太子、これは卑怯ではありませんか!?」
皇后が大声で叫んだが、ディアミドの口元に浮かんだ笑みは完全に勝利者のものだった。
すみません、皇后様。
でも今日はディアミドの誕生日じゃないですか?
しばらく威張っていた皇后様が、ふと指先を押し上げる。
妙に邪悪な笑みで。
「皇太子、ご存じですか?世の中はとても非情なのです」
「・・・それはまたどういうことですか?」
「シャルルの心を掴むためなら、最大限に努力をするという意味です」
皇后様は鼻筋を立てて高慢に言った。
すみません、まだ終わっていないのですか?
一方、公爵は皇后様のすべての行動を解読したようだ。
真っ青な顔で皇后様とディアミドの競争体制を見ている。
皇后様は頭を下げて視線を合わせ、ハチミツのように甘い声で私に質問を投げかけた。
「ねえ、シャルル。欲しいものはない?」
「欲しいものですか?」
「ええ。あなたの誕生日プレゼントをあげようと思って」
あ、これがまさに物量攻撃作戦!?
皇后様が見せてくださる豊かさと優しさに、私は思わず両頬を赤らめた。
しかし、それとは別に・・・。
「皇后様、申し訳ありませんが、私は今日誕生日ではありません・・・」
私の困った笑みに、皇后様は断固として首を横に振った。
「今まで5回も、あなたの誕生日を通り過ぎたでしょ?」
「・・・え?」
「5回全部面倒を見るのは無理だとしても、今からでも1回くらいは面倒を見てあげたいの」
皇后様は絶対に退かない勢いだ。
そっと皇后様の顔色を伺う。
皇后様がそこまで言ってくれるなら・・・。
「あの、私はですね・・・」
「ええ、シャルル。何でも言ってちょうだい!あなたが望むなら空の星でも取ってあげるから!」
ロマンス小説の男主人公が突然私の前に現れたとしても、これほどドキドキすることはないだろう。
「私も皇太子殿下のように勉強をしたいです」
「勉強?」
私の返事を聞いた皇后様は、両目を丸くした。
私は小さくうなずく。
「私、皇后陛下に恥ずかしくない侍女になりたいんです」
つまり、私の足りない姿が皇后様に迷惑をかけるかもしれないということだ。
それに私は皇太子のディアミドまで専担して面倒を見ている。
しかし、私が仕える人々の高貴さに比べて、私の職級はせいぜい平侍女だ。
そして皇居平侍女に一般的に推奨される素養は、文の読み書き程度。
もちろん、首席侍女のクラスになると話が少し変わると思うけど・・・。
(私がそんなに高い侍女様になれると思う?)
だから、私が一般平侍女以上の教養を積むためには別に勉強しなければならないということだ。






