こんにちは、ピッコです。
「悪女の皇后様に溺愛されてます」を紹介させていただきます。
今回は64話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

「この世界の未来を知っている者はどれくらいいるんだろ?」
シャルリーズのこと、シャルルはワンソールという国の未来を知っている。
というのはこの世界が彼女の読んだ本の中であるからだ。
シャルルは悪女の皇后の嫉妬を買って殺されるエキストラ役である… はずなのになぜか皇后に愛されている?!
皇后宮の侍女になったシャルルは今度は皇后様を守るために皇帝によって幽閉されている皇太子を味方につけようとする。
神獣の力を持っている皇太子こそこの本の真の主人公であるからだ。
5歳のシャルルが皇宮で生き残るために奮闘する物語。
シャルリーズ:本作の主人公。愛称はシャルル。皇后の侍女。
ローズ:皇后。シャルルを溺愛している。
ディアミド:皇太子。前皇帝の息子。
ヘイデン:皇后宮の侍女長。
ウェーバー:皇后宮の主任侍女。
ロチェスター公爵:ローズの兄。
シエナ・アンテス:原作のヒロイン。アンテス辺境伯の後継者。

64話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 10歳と13歳
「何をそんなに熱心に見ているんだ?」
ちょうど公爵が私が眺めている方向を見た。
私は照れくさそうに微笑む。
「あ、ちょっと羨ましくて」
「何が?」
「あの鳥たちですね、すごく仲良さそうに見えませんか?」
指を上げて、新しい家族を指差す。
「お母さん鳥が、小鳥たちの面倒を見てくれているじゃないですか」
「・・・親鳥が小鳥たちの世話をするのは当たり前じゃないのか?」
「そうですね。でも世の中には家族がいない人も多いじゃないですか?」
その答えに、公爵はしばらく口を閉じた。
しばらくして、濃い緑色の瞳が私を斜めに見下ろす。
「それなら、家族が欲しいってことかな?」
「もちろん、私はいつも家族が欲しかったです」
私は大きく頷いた。
「もし私に家族がいたら、その家族は本当に良くしてくれるでしょう」
「・・・そうかな」
公爵の視線にはいつの間にか、複雑な光が漂っていた。
「確かに、まだ親の元で育つ年頃なのに、一人でいるから」
「・・・え?」
「いや、何でもない」
公爵は独り言だと言って首を横に振る。
だが何となく私は、一番内密な弱点がバレたような気がした。
私が一人だって?
いや、そんなはずがない。
私には皇后様もいらっしゃるし、ディアミドもいるよ。
それに、皇后宮の侍女たちも私にとても優しくしてくれるじゃない?
私は努めて肯定的に考えようとした。
でも・・・。
その人たちは結局、私の家族になってあげることはできない。
皇后様にはすでに他の家族がいて、ディアミドはシエナと一緒に幸せになるから。
他の侍女たちは言うまでもなくね。
・・・こう考えてみると、私が一人であることは確かだと思う。
ダメ、訳もなくこんなことを考えたところで気分が悪くなるだけなのだから。
私は血が出るまで唇を噛んで尋ねた。
「ええと、どうでしょう?」
結局私にできることは、曖昧に笑って言葉を誤魔化すだけ。
「まあ、とにかく・・・、家族がいないのは私に何とかできる問題じゃないですからね」
公爵は私の言葉に乗ってこない。
その代わりに、私をじっと見つめるだけだ。
どうしたんだろう?
私が首を傾げると、公爵は私の頭頂部に手を置く。
「・・・公爵様?」
戸惑った顔で公爵を見た。
もしかして私を慰めてくれているのかな?
「無駄なことを考えるな」
そう考えるやいなや、公爵様は待っていたかのように言い放った。
「君が訳もなく憂鬱になると、皇后陛下のお世話に支障が出るじゃないか」
「あ、はい・・・」
私は小さく唇を捻る。
しかし、私の頭を撫でてくれる公爵の手はとても柔らかかった。
何だか・・・、前よりは公爵様が私を見る視線が少し優しくなった気がする。
それは私の勘違いなのかな?
数日後。
ロチェスター公爵は皇后の味方で、それぞれシャルリーズとディアミドにプレゼントを贈った。
遅い誕生日プレゼントだそうだ。
「え、公爵様が?」
シャルリーズが嬉しそうな表情を浮かべる。
そんな彼女を目にしたディアミドが、思わず両頬を赤らめた。
「・・・そうなんだ」
誰かが自分の誕生日を祝い、喜んでくれるということ。
それがこんなに胸がくすぐられることであることを、あまりにも長い間忘れていた。
その温かい感覚に、ディアミドは思わず薄笑いする。
塵一つない笑みで。
時は矢のように流れ、もう5年が過ぎた。
私は10歳になり、ディアミドは13歳に。
皇后様が皇帝に「皇太子は私が管理する」と言ってから、もう5年目。
その後、皇帝がディアミドに接近する方法はより隠密で稚拙になった。
そう、例えば・・・。
(ディアミドの剣術の先生みたいなね)
私はアゴを突いて、ディアミドが剣術の訓練をするのを見た。
皇帝は最近、ディアミドに先生たちをつけた。
どうやら人々の耳目のせいで、これ以上皇太子を放置しておくわけにはいかなかったようだ。
ディアミドも、もう13歳。
これ以上、幼いという言い訳をするにも曖昧な年齢になったからだ。
しかし皇帝がつけた騎士は、皇太子を教えるには格が落ちすぎる人だというのが問題だった。
(いくらなんでも平騎士だなんて・・・)
首をこわばらせた男は、剣術の先生と呼ぶのも恥ずかしい平騎士。
いや、普通皇太子の師匠は一つの分野で一番優れた人材を選ぶのが一般的じゃないの?
あの人選から、皇帝がディアミドをどれほど無視しているか明らかだ!
「ディアミド様、今日は私と付き合ってもらえませんか?」
その時、男が卑劣な笑いとともに言った。
あ、まただ!
あえて名前で呼ぶなんて、あの騎士、本当にタチが悪い。
皇太子殿下と呼べばいいのに、今神経戦をしているの?






