こんにちは、ピッコです。
「悪女の皇后様に溺愛されてます」を紹介させていただきます。
今回は82話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

「この世界の未来を知っている者はどれくらいいるんだろ?」
シャルリーズのこと、シャルルはワンソールという国の未来を知っている。
というのはこの世界が彼女の読んだ本の中であるからだ。
シャルルは悪女の皇后の嫉妬を買って殺されるエキストラ役である… はずなのになぜか皇后に愛されている?!
皇后宮の侍女になったシャルルは今度は皇后様を守るために皇帝によって幽閉されている皇太子を味方につけようとする。
神獣の力を持っている皇太子こそこの本の真の主人公であるからだ。
5歳のシャルルが皇宮で生き残るために奮闘する物語。
シャルリーズ:本作の主人公。愛称はシャルル。皇后の侍女。
ローズ:皇后。シャルルを溺愛している。
ディアミド:皇太子。前皇帝の息子。
ヘイデン:皇后宮の侍女長。
ウェーバー:皇后宮の主任侍女。
ロチェスター公爵:ローズの兄。
シエナ・アンテス:原作のヒロイン。アンテス辺境伯の後継者。

82話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- お断りの話
私は唇を噛んだ。
正直、自分でも理解している。
私が収穫祭に神童として参加すること自体が、私にとってとても良い機会だということを。
皇后様の神童とは、貴族家のレディーたちが求めている席。
収穫祭に集まった皆が、私が皇后様の寵愛を受けているという事実を知ることになるだろう。
これまで私を無視してきた視線も綺麗に消えるはず。
だから皇后様とディアミドは、皇太子の格に合わない私を出席させようとしているんだ。
二人の優しさに、なんとなく涙が出そうになる。
その時ディアミドがこっそりと言葉を付け加えた。
「正直シャルル、君が皇后陛下の神童になってくれれば・・・、私が少し安心できる」
「ですが」
「みんなが私を見て廃太子になると思っているのだから、一人でも私の味方がいてくれないと。そうじゃない?」
そう言いながら、ディアミドは悪戯っぽく微笑んだ。
皇后様が負けじと私を慰めてくださる。
「皇帝陛下の顔を見るのも嫌だけど、シャルルが私のそばにいてくれれば嬉しいわ」
「皇后陛下」
皇后様が私の頭を撫でて下さった。
「シャルル、私の神童になってくれるよね?」
「・・・はい、そうします」
小さく頷くと、皇后様の目元が優しく曲がった。
私は力を入れて話し続ける。
「ありがとうございます。皇后陛下の名に恥じないように・・・、本当に頑張ります」
「頑張ってくれるのは嬉しいけど、無理はしないでね。分かった?」
皇后様はどうしてこんなに天使みたいなんだろう?
「はい!」
そうして数日が経過する。
私はロチェスター公爵に、できるだけ丁重に「養子縁組は断る」という手紙を送った。
そしてその夜、皇后様が急に私を訪ねてこられた。
「シャルル」
あら、皇后様がなんであんなに落ち込んでいるんだろう?
「皇后様、どうされましたか?」
「それが・・・」
私を前に座らせたまま、皇后様は何度も唇を甘やかせる。
「・・・お兄様があなたに養子縁組を提案したのに、あなたが断ったって・・・」
「あ・・・」
私は思わず言葉を濁してしまった。
今日断りの手紙を送ったが、皇后様がこんなにすぐ知らせを聞くとは思わなかったよ。
皇后様が慎重に私に質問を投げかける。
「・・・やっぱり気が進まないの?」
「いい機会を下さったのに、申し訳ありません。皇后様」
チラッと皇后様の表情を見ると、残念そうな表情を浮かべていた。
しばらくすると皇后様は平気なふりをして私に答える。
「いいえ、大丈夫よ。養子縁組を望まないこともあるわ。ただ・・・」
ただ?
「なぜ断ったのか、その理由を教えてくれる?」
皇后様の瞳には恐ろしい熱望が漂っていた。
まるで私が断った理由を突き止めさえすれば、その理由を直して再挑戦するという・・・。
「それは・・・」
曖昧な顔で笑う。
なぜなら私が断った理由は、皇后様が努力したからといって直せるものではないから。
「もし私がロチェスター公女になったら、皇居を去らなければならないじゃないですか?」
皇室関係者でもないのに、皇居に留まるわけにはいかないからね。
「そうなると、今のように皇后陛下にお会いすることもできなくなるでしょう?」
「だけどシャルル、ロチェスターの養子になれば、あなたは私の妹になるのよ」
皇后様は力を入れて語り継いだ。
「あなたが望むなら、毎日皇后宮に来ることができる。私が必ずそうするから」
そんな皇后様を見ていると、胸の片隅が暖かくなる気がした。
でも・・・。
私は首を横に振る。
「いいえ、それは皇后陛下に負担を負わせることになります」
「シャルル・・・!」
「ただでさえロチェスター公爵家が貴族の中心に立って、人々の注目を集めている状況じゃないですか」
私の淡々とした声に、皇后様の美しい眉間が歪む。
しかし反論はできなかった。
「下手をすると、人々に余地を与えることもあります」
「余地?」
「はい。皇后陛下が私を過度に寵愛し、数多くの特権を与えてくれると考える余地です」
「そんなことは全然関係ないわ。あなたはまだ10歳なのよ、そんな問題を悩むのは・・・」
「申し訳ありませんが、私には関係があります」
苦笑いしたまま静かに話を続ける。
「今回も良い家門の数多くのレディーたちを抜いて、私を神童に選んでくださったじゃないですか」
「それは、だから・・・」
「そこまでは大丈夫でしょう。神童を選択するのは皇后陛下の権利ですから」
皇后様は沈んだ瞳で私に向き合う。
「ですが、これ以上はダメです」
「・・・」
「私のせいで皇后陛下がそんな誤解を受けるのは、やっぱり嫌ですから」
何度も考えてみたけど、これが最善だった。
今でも「皇后陛下が大切にしている侍女」と言って、レディーたちが私を見抜く状況なのだから。
こんな状況で、ロチェスターが本当に私を養子にしたらどうなる?
人々は本当に、私と皇后様を白い目で見続けることになるだろう。
「そして・・・」
深く息を吸った私は、言葉を結んだ。
「皇太子殿下を一人にすることもできません」







