こんにちは、ピッコです。
「悪女の皇后様に溺愛されてます」を紹介させていただきます。
今回は83話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

「この世界の未来を知っている者はどれくらいいるんだろ?」
シャルリーズのこと、シャルルはワンソールという国の未来を知っている。
というのはこの世界が彼女の読んだ本の中であるからだ。
シャルルは悪女の皇后の嫉妬を買って殺されるエキストラ役である… はずなのになぜか皇后に愛されている?!
皇后宮の侍女になったシャルルは今度は皇后様を守るために皇帝によって幽閉されている皇太子を味方につけようとする。
神獣の力を持っている皇太子こそこの本の真の主人公であるからだ。
5歳のシャルルが皇宮で生き残るために奮闘する物語。
シャルリーズ:本作の主人公。愛称はシャルル。皇后の侍女。
ローズ:皇后。シャルルを溺愛している。
ディアミド:皇太子。前皇帝の息子。
ヘイデン:皇后宮の侍女長。
ウェーバー:皇后宮の主任侍女。
ロチェスター公爵:ローズの兄。
シエナ・アンテス:原作のヒロイン。アンテス辺境伯の後継者。

83話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 収穫祭
沈黙が溜まった。
私の言葉を噛み締めていた皇后様はやがて、じっと頷いた。
「そうなんだ。あなたには皇太子殿下も大事だから・・・」
重い声が響く。
「それなら、あなたの意思を尊重するわ、シャルル」
「ありがとうございます」
「ただ約束してちょうだい」
皇后様は慎重に私の頬を撫でる。
「あなたにとって一番大切な人が私になってほしいという、そんな欲までは出さないつもりよ」
「・・・皇后陛下」
「でもあなたが大変だったり手に余る時には、いつでも私に寄りかかって相談してほしいの」
私を見つめる皇后様の瞳は、いつものように優しかった。
「あなたが私の力になりたいように、私もあなたの力になってあげたいから」
「・・・そうします。ありがとうございます」
私が大きく頷くと、皇后様は微笑みながら私を抱きしめる。
なんだか涙が出そうで、私は皇后様の胸に食い込んだ。
私の背中を慰める皇后様の手は・・・、とても優しかった。
そうして時が流れ、収穫祭当日に。
皇后宮は朝から忙しかった。
直接祭祀を行う皇后様はもちろん、私も神童で飾らなければならない。
うーん、こんなに豪華な服は初めて着ると思うんだけど。
「私、本当に・・・。皇后様の神童で収穫祭に出るんだ」
頑張らないと。
私は心を引き締めた。
「シャルル、今鏡と睨めっこしているの?」
ちょうどその時、笑い混じりの声が聞こえてくる。
あっ、この声は?
「皇后陛下!」
神髄を象徴する銀白の礼服を着た皇后様は、まさに一輪の白い花のように清楚な姿だった。
皇后様、今日も世界で一番美しいです!
「そういえば、シャルルがメイド服以外の服を着たのは初めてだと思うのだけど・・・」
私の姿を几帳面に見抜いた皇后様は、目をギュッと閉じる。
真心のこもった独り言が流れ出た。
「本当に、可愛すぎるわ」
「ありがとうございます」
私も人間なので、好きな人が褒めてくれると仕方なく胸がくすぐられる。
「今すぐ抱きしめたくて手がむずむずするんだけど、これはどうしたらいい?」
「そ、それは我慢してください・・・」
私も皇后様に抱かれたい気持ちは山々ですが・・・。
今日身支度に入った時間と努力を考えると、どうしてもそうはいかなかった。
「そうね、我慢しないと。シャルルの可愛い姿を台無しにするわけにはいかないからね」
「・・・え?」
「一瞬の欲求さえ我慢できなければ、皇帝と同じ人間になり下がってしまうから」
一体皇后様にとって皇帝はどのくらいの位置なのだろうか?
おそらく獣よりも下かな?
「シャルル、何か不便なところがあれば気軽に言ってね」
「大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
「緊張してない?」
「緊張は当然しますが・・・、それでも上手くやります。いや、頑張らないと」
大丈夫だと思う。
収穫祭がどのように行われるかは全て覚えたから。
それに神童は大きな役割をするわけでもないじゃない?
「もちろん、シャルルは何でも上手くできるわ。私はシャルルを信じているわよ」
私は感動に満ちた瞳で皇后様を見上げる。
皇后様がここまで私を信じてくださるのに、私がどうして皇后様の顔に泥を塗ることができるだろうか?
私だけを信じてください、最高の神童になります!
その時、侍女長が小走りで私たちに近づいてきた。
「皇后様、皇太子殿下の準備がすべて終わりました。こちらにご案内しましょうか?」
ディアミドの準備も全て終わったようだ!
正直あの子、性格はアレだけど美貌だけは優れているじゃない?
本気で着飾れば、どれだけ輝くのだろうか?
「そうしてちょうだい」
皇后様が頷くと、侍女長が退出して、しばらくして。
コンコン。
ノックの音が鳴った。
「皇后陛下、ディアミドです」
「お入りください」
ドアが開き、ディアミドが中に入ってくる。
私はぼんやりと瞬きした。
正直、皇后様よりもっと綺麗な人がこの世に存在するとは思いもしていなかったのに・・・。
目の前のディアミドはまるで、神が真心を込めて作り上げた芸術品のようだった。
何というか、あんなに美しい人が存在すること自体が反則のような感じ?
私は思わず取り憑かれた声で呟く。
「・・・皇太子殿下。今日は本当に、すごく綺麗です」
「バカ、男には綺麗じゃなくてハンサムだと言ってよ」
ディアミドは私を叱ったが、嫌そうな顔はしていない。
でも、その時。
妙に不満そうな顔をした皇后様が私を呼んだ。
「シャルル」
「え?」
「私と皇太子、どっちの方が綺麗?」







