こんにちは、ピッコです。
「ある継母のメルヘン」を紹介させていただきます。
今回は100話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

鉄血の未亡人、ノイヴァンシュタイン城の魔女、貴婦人の恥……。
これらは全てシュリー・フォン・ノイヴァンシュタイン侯爵夫人を指す言葉である。
夫を失くした後、世の中から後ろ指を差されながらも、姉弟ほどしか年の変わらない血のつながらない子供たちを育てあげた。
そしていよいよ長男ジェレミーの結婚式の日を迎え、今までのすべての苦労と努力が報われると思っていたが、それは大きな勘違いだった…!
結婚式に来るなと言われ、失意の中城を去り田舎へ向かう途中、彼女は事故に巻き込まれ命を失うことになり、気が付くと七年前の死んだ夫の葬儀の日に戻っていたのだ。
そして二度と以前のような後悔にまみれた人生は生きないと心に誓う!
シュリー:シュリー・フォン・ノイヴァンシュタイン侯爵夫人。本作の主人公
ジェレミー:ノイヴァンシュタイン侯爵家長男
エリアス:ノイヴァンシュタイン侯爵家次男
レイチェル:ノイヴァンシュタイン侯爵家長女。レオンと双子。
レオン:ノイヴァンシュタイン侯爵家三男。レイチェルと双子。
ヨハネス:故ノイヴァンシュタイン侯爵
ノラ:ニュルンベル公爵家令息
テオバルト:第一皇太子
リシュリュー:枢機卿
レトゥラン:第二皇太子
ロベルト:ノイヴァンシュタイン侯爵家執事長
オハラ:ハインリッヒ公爵令嬢。ジェレミーの婚約者

100話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- みんなで朝食を
「ジェレミー兄様、じゃあ兄様とノラ兄様のどちらかがトロフィーを手に入れるのですか?」
「愛しい弟よ、当然僕がトロフィーを取るよ!このクソ犬は僕の相手にもならない」
「それはこっちの台詞だ。負けたからと言って泣くなよ、厄介な猫め」
「ママ、ノラ兄様はジェレミーお兄様と同じくらい強いの?」
「そうね。でも、もう少し謙遜した方が有利なんじゃないかな?」
私がレイチェルにニッコリ笑って吐いた言葉に、ジェレミーはすぐにとても謙虚な表情を浮かべ、犬のように食べていた作法を正す。
そうするや否や、彼に劣らず謙遜しているノラも姿勢を正した。
「ところで、エリアスはまだ寝てるの?」
朝食の時間になったのに現れる気配がない悩みの種である次男が心配で呟くように尋ねると、パンケーキの真ん中にシロップを注いでいたレオンが力強く説明する。
「違うと思うよ?でもママ、エリアス兄様どこか具合が悪いみたい」
「え?何かあったの?」
「知らない。だけど、さっき見たらベッドで死んだふりをしてたから」
「またどこかの令嬢と楽しく夜を燃やしたのでしょ。とにかくエリアス兄様は誰に似たのかしら?」
レイチェルが舌打ちをして囁くように吐き出した言葉に、私はもう少しでむせそうになり、残りの3人はそれぞれ口の中に食べ物を含んだままクスクス笑った。
ちょうどその時、問題の次男が食堂に入ってくる。
「おはよう、エリアス。早く座りなさい」
数日前の摩擦を思い浮かばないように努め、最大限に明るく挨拶をすると、妙に躊躇う歩き方で近づいていたエリアスが肩をビクッとしながら止まった。
それから、グズグズするような口調で蠢く。
「・・・お、おはよう」
これはまた何だ?
エリアスが私と喧嘩したからといって、今更ぎこちなくなるような関係でもないのに。
やっぱり昨夜、とうとう賭博場で相当な損失を被ったのかな?
本当にそう?
いや、それならむしろ素振りを見せないように必死になるはずだけど・・・。
私が目を細めている間、エリアスは実にぎこちない足取りでテーブルに近づき、すべての接触を嫌うかのように、とても慎重な身振りでそっと席に座った。
それだけでなく、テーブルの片隅にジェレミーと向かい合って座り、仲良く食べ物を片付けているノラを見ても何も言わない。
まったく彼らしくない怪しい姿に、私も双子も自ずと首を傾げるようになった。
「エリアス、あなたどこか痛いの?」
注意深く聞くや否や首を横に振るエリアスは、確かに熱が出たり病気になっているようではない。
まともに眠れなかったのか両目が真っ赤に充血しているが、少し疲れて見えること以外は顔も大丈夫だった。
ただ、どこか少し不便に見えるというか・・・。
焼き上がったパンを食べていたジェレミーが突然咳払いをしたのはその時。
彼はいつもと違う弟を見て、ただ情けない表情を浮かべて舌打ちした。
「お前はどうして朝から死んだ顔をしてるんだ?食欲がなくなる。お客様もいるのに」
「特に君の弟からお客さんとして扱われることを期待したわけではないのだけど。どうやら僕に向けられた新しいデモのようだ」
全く食欲がなくなったように見えない二人の騎士が食事をしながら仲良く交わした発言に、エリアスは普段のようにカッとする代わりに肩を再びビクッとさせて、ゆっくりと首を回して私の方を眺めた。
「エリアス?どうした?どこか体調が悪いの?」
「どうしたの、エアリス兄様。昨夜、令嬢に殴られたの?」
レイチェルの冗談にもエリアスは激怒しない。
代わりに充血した目を伏せて口をぐずらせるだけ。
「・・・いや、俺は本当に大丈夫。夢見がちょっと悪くて」
本当にそれだけなら幸いだが、普段らしくない上品な姿が怪しげで不思議極まりなかった。
これ以上問い詰めるのもあれなので、私はもう何の質問もせずに食事を進めることにした。
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「僕の咆哮を聞かせてやる!後でね、シュリー。私に幸運を祈ってくれ」
「咆哮ではなく悲鳴だろ!食事ありがとうございました、シュリーさん。どうか僕も応援してください!」
明日には仲良く決勝戦を行うことになる二人の男が、あんな溌剌とした挨拶と共に私の頬にキスを残して素早く競技場へ出発した後、私も試合を観覧しに行く準備を始めた。
どうせ今日は無難な予選と本戦だけだけど・・・。
剣術大会の参加者数は実に膨大な数だったが、予選を経て大量に落ち、本戦の時はさらに落ちるものだった。
準決勝まで進む彼らの大半は、前途有望な騎士や外国から渡ってきた有名な騎士だろう。
そこで準決勝まで勝ち抜いて最終決勝戦まで進めば、優勝しなくても、すでに騎士としての前途はしっかりしたものと言えるはず。
そのような決勝戦で引き分けを許したのだから、人々があんなに大騒ぎするのも当然だ。
そうじゃなかったかな?
私が覚えている過去とあまりにも大きく変わってしまったせいか、このようなことさえ全く確信が持てない。
ただ確実なのは、優勝トロフィーの持ち主がジェレミーになろうがノラになろうが、私は心から喜べそうだということ。
一人は私たちの可愛い長男で、もう一人は・・・。
エリアスは無事に生き延びたようです。
ですが、ジェレミーとノラには頭が上がらないようですね。
剣術大会の決勝は、前回と同じくジェレミーとノラの二人なのでしょうか?





