こんにちは、ピッコです。
「ある継母のメルヘン」を紹介させていただきます。
今回は104話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

鉄血の未亡人、ノイヴァンシュタイン城の魔女、貴婦人の恥……。
これらは全てシュリー・フォン・ノイヴァンシュタイン侯爵夫人を指す言葉である。
夫を失くした後、世の中から後ろ指を差されながらも、姉弟ほどしか年の変わらない血のつながらない子供たちを育てあげた。
そしていよいよ長男ジェレミーの結婚式の日を迎え、今までのすべての苦労と努力が報われると思っていたが、それは大きな勘違いだった…!
結婚式に来るなと言われ、失意の中城を去り田舎へ向かう途中、彼女は事故に巻き込まれ命を失うことになり、気が付くと七年前の死んだ夫の葬儀の日に戻っていたのだ。
そして二度と以前のような後悔にまみれた人生は生きないと心に誓う!
シュリー:シュリー・フォン・ノイヴァンシュタイン侯爵夫人。本作の主人公
ジェレミー:ノイヴァンシュタイン侯爵家長男
エリアス:ノイヴァンシュタイン侯爵家次男
レイチェル:ノイヴァンシュタイン侯爵家長女。レオンと双子。
レオン:ノイヴァンシュタイン侯爵家三男。レイチェルと双子。
ヨハネス:故ノイヴァンシュタイン侯爵
ノラ:ニュルンベル公爵家令息
テオバルト:第一皇太子
リシュリュー:枢機卿
レトゥラン:第二皇太子
ロベルト:ノイヴァンシュタイン侯爵家執事長
オハラ:ハインリッヒ公爵令嬢。ジェレミーの婚約者

104話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 過去の夢
「あなたのような人が私の父や兄だったら、おそらく多くのことが変わっていたでしょう」
まだ14歳、結婚したばかりの当時の私は、その時までかなり口数が多い方だった。
「本当です。もちろん、そうしていたらあなたと会うことも起きなかったでしょう」
特にお喋りというよりは、平凡なその年齢の他の女の子たちと似ていたようだ。
コソコソ騒ぐ私の話を聞いていた夫が毛布を引いて私の首まで覆ってくれた。
「そうだったと仮定したとき、それじゃあ今頃あなたは何をしていたと思いますか?」
「そうですね、うーん、私それなりに才能があると思うのですが、何をしていたかはよく分かりません。たぶん、他の家の令嬢みたいに社交界デビューとか準備していたんじゃないでしょうか」
「あなたが社交界デビューをしていたら見応えがあったのに。他の人たちに申し訳ないね」
「からかわないでください。それよりあなたの初恋の話をもっとしてくれませんか?私と似ているというその人です」
一般的な貴婦人なら夫に初恋の事を話してくれとせがむようなことはしないだろう。
しかし、私と夫の関係は一般的な夫婦とはかなり違うところがあった。
そして夫が打ち明ける初恋の話は、いつも彼らの幼い頃に限って終わる。
彼女がそうしてどうなったかはおろか、名前さえまともに言ったことがなかった。
「後で話してあげましょう。今日はとても疲れたので」
このような回避は日常的だ。
私もいつものように素直に頷きながら枕に顔を埋めて、すぐにそっと囁く。
「一緒に寝ますか?」
当時はその言葉が癖のように飛び出した。
望まなくても、彼が私を望まない以上、自分の体に手もつけないという事実を知っていながらも・・・。
いつ捨てられるか分からないという恐怖心で、いつ私の恐ろしい実家に帰されるか分からないという恐れに思わずそのように吐き出したりした。
そしてその度に、彼は安心させるような笑みを浮かべながら私の肩を軽く叩く。
「ありがたいけど大丈夫です」
彼は最もノイヴァンシュタインらしく、最もノイヴァンシュタインらしくない人だった。
私が彼が怒る姿を目撃したのはたった2回に過ぎない。
一度はエリアスが私の後頭部に傷を残したとき、一度は・・・。
「・・・!」
目がパッと開いた。
また、過去の夢を見た。
今回は時間を遡って回帰した後も相変わらず、本当の過去に対する夢。
とても久しぶりだった。
ヨハネスの夢を見たのは。
ざわざわと夕立が窓を叩く音が聞こえてきた。
まだ真夜中なのか四方は暗い。
私が夢を見ていて途中で目覚めるのは最近ではかなり珍しい方だ。
何が私を起こしたのだろうか?
「・・・はっ!」
雨の音が聞きたくなくてカーテンをもっと厚くしようと体を半分ぐらい起こす刹那。
「ジェレミー?ここで何をしてるの?」
「・・・あ、ごめん。起きた?」
ジェレミーはベッドのすぐそばに椅子を置いて居眠りを始めて久しいようだった。
どうして私の寝所に入ってきて枕元を守っているのか分からない。
まるで私を監視でもするように・・・。
「悪い夢でも見た?どうしてここに?」
「うん、そ、そうだよ。悪い夢を見た」
「どんな夢だったの?」
「お前が家出する夢」
それは大変な悪夢だ。
私は疲れ果てた笑みを浮かべながら立ち上がった。
薄暗い部屋の空気の中で微かに光っている暗緑色の瞳が私をじっと見つめている。
夢の中の誰かとそっくりな瞳。
「シュリー、大丈夫?」
「それは私がしなければならないような質問のようだね。明日が決勝なのに」
「真の騎士は睡眠などにこだわらないよ」
「そのうちノラに負けるかもしれないわよ?」
半分ふざけて言ったのにジェレミーはなぜか笑わなかった。
その代わり、妙に沈んだ目つきで私を見つめながら口を開く。
正確に言えば、片手をひょいと持ち上げて。
「シュリー、これは必ず聞いておかないと。お前、これ一体どこから出たんだ?」
暗闇の中でも眩しく輝く真っ白なダイヤモンドのネックレスを眺めながら、私はしばらく真剣な悩みに陥った。
さて、これから母の書斎を勝手に探った長男を怒る役を演じればいいのだろうか?
ジェレミーが真夜中に私の書斎をうろつくとは到底信じられないけど・・・。
しかし、私があれを持ってくるはずがない。
突然、首筋がひんやりする感覚が起こった。
これまでの外見を除いて全く似ているところがないと思っていたが、今は父親と瓜二つに思える。
「あなたが。。。」
どうしてそれを持っているのかと聞こうとしたが、声が自然に曇った。
それが重要なことではないから。
そんなことを問い詰めて聞いても、問題の核心を避けようと努力しているだけだという事を知っている。
久しぶりにヨハネスの夢を見たのは、何かの前触れ?
ジェレミーはどうしてネックレスの存在を知ったのでしょうか?
シュリーの回答も気になるところです。





