こんにちは、ピッコです。
「ある継母のメルヘン」を紹介させていただきます。
今回は105話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

鉄血の未亡人、ノイヴァンシュタイン城の魔女、貴婦人の恥……。
これらは全てシュリー・フォン・ノイヴァンシュタイン侯爵夫人を指す言葉である。
夫を失くした後、世の中から後ろ指を差されながらも、姉弟ほどしか年の変わらない血のつながらない子供たちを育てあげた。
そしていよいよ長男ジェレミーの結婚式の日を迎え、今までのすべての苦労と努力が報われると思っていたが、それは大きな勘違いだった…!
結婚式に来るなと言われ、失意の中城を去り田舎へ向かう途中、彼女は事故に巻き込まれ命を失うことになり、気が付くと七年前の死んだ夫の葬儀の日に戻っていたのだ。
そして二度と以前のような後悔にまみれた人生は生きないと心に誓う!
シュリー:シュリー・フォン・ノイヴァンシュタイン侯爵夫人。本作の主人公
ジェレミー:ノイヴァンシュタイン侯爵家長男
エリアス:ノイヴァンシュタイン侯爵家次男
レイチェル:ノイヴァンシュタイン侯爵家長女。レオンと双子。
レオン:ノイヴァンシュタイン侯爵家三男。レイチェルと双子。
ヨハネス:故ノイヴァンシュタイン侯爵
ノラ:ニュルンベル公爵家令息
テオバルト:第一皇太子
リシュリュー:枢機卿
レトゥラン:第二皇太子
ロベルト:ノイヴァンシュタイン侯爵家執事長
オハラ:ハインリッヒ公爵令嬢。ジェレミーの婚約者

105話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 似ている光景
ジェレミーは、まだじっと座って私をじっと見つめていた。
暗闇の中で沈んだエメラルド色の瞳がひどく見慣れたと同時に、不慣れに感じられる。
そんな中、彼の手に持ったダイヤモンドのネックレスは悠々と白い光を放っていた。
白金の紐が、ダラダラと垂れ下がった12個のダイヤモンドが、小さくぶら下がっている白い鷲の飾りが何か意味深長な信号でも送るようにひらめいている。
呼吸が苦しくなり、次の瞬間、言葉が次々と飛び出す。
「誰も知らないうちに返そうと思っていたのよ。皇太子殿下が何の考えでこんな雄大な贈り物を私に送ったのか分からないけど、私が持っていても仕方がないし、私に何の意味もあるわけじゃないから。あなたがそんな問題に気を使うのは望まないから言わなかったの」
「・・・ちょっと待って、ちょっと待って___」
「もちろん3年前のこともあるし、怪しいと思うかもしれないけど、知っての通り私は長い間気にしていないから。私がそれを大事にしていたわけでもないし、ただ適切な時期を___」
「シュリー!」
何とも言えない表情で私の顔をじっと見つめていたジェレミーが突然私の肩を掴まなかったら、私はおそらく自分が正確に何を言っているのかも知らないまま適当に騒いでいただろう。
「どうした?」
「・・・え?」
「どうしたんだ?俺が怖いのか?」
私は息を吸って瞬きした。
勝手に転がっていた舌が急に硬くなる。
押し寄せてきた恐怖が徐々に後退するのかと思ったら、ようやく正気に戻った。
私は今、長男を前にして一体何を言っていたんだろう?
ジェレミーが再び口を開く。
柔らかそうでありながらも、なんとなく尋常ではない音声が静かに耳元に響いた。
「こんな物をお前に勝手にプレゼントできる奴が皇太子しかいないことは知っている。ただ確認のために聞いてみただけだ」
「え、ええ、知ってるわ。もちろんそうよ」
わざとぎこちなく微笑んで顔を背けようとしたが、ジェレミーが私の肩を離す気配はない。
むしろ先ほどより鋭く感じられる目つきで私の目をじっと見つめ、いきなり想像もできなかった質問を投げかけてきた。
「シュリー、もしかして私の父がお前に酷いことをしたことがあるのか?」
・・・何だって?
私は一瞬これが一体どうやって飛び出した質問なのかと思って息子の顔を見上げた後、すぐにキッパリと首を横に振った。
「何を言っているの?そんなはずがないでしょ。あなたも知っているように、あなたのお父さんは・・・」
「私の父がどんな人だったかは私もよく知っている。そして、人がいつも変わらないわけにはいかないことも全部知っている。だから話してくれ。私の父があなたをむやみに接したり、一度でも手を抜いたことがある?」
ゆっくりと迫る暗緑色の瞳の中には、以前にたびたび目撃したことのある火種がちらついていた。
さっき見た夢のせいで、一瞬相手が誰なのか分からなくなったのかな?
そんなはずがないが、混乱したとしても、なぜあのような恐怖が押し寄せてきたのか分からない。
はるか昔で、もうまともに思い出せないほど些細なことなのに。
本当に大したことではなかった。
結婚初期だったが、誰かが匿名で私に送ってきたルビーのブレスレットをどうすればいいのか分からず、ただ引き出しの中に隠しておいたが、夫がそれを見つけただけ。
幼い頃に結婚した上に、何も知らなかった当時の私は、ようやく私に関する全てのこと、私の全ての大小の動態が当然夫の耳に聞こえるしかないという事実を体感するようになった。
自分の妻に誰かがこっそりそのような贈り物を送ったという事実を知って、じっとしている夫がどこにいるだろうか。
あの時正確にどうなったのか今はよく覚えていないけど、とにかく本当に大したことではなかったのに・・・。
「そんなことがあったはずがないでしょ。ジェレミー、あなたのお父さんは私にとってこの上なく親切な人だったわ。あなたが急にどうしてそんなことを言うのか分からないけど、私はただ・・・」
「・・・」
「あなたがまた腹を立てて殿下の奥歯を狙うんじゃないかと一瞬戸惑っただけよ」
ジェレミーは何も言わなかった。
ほとんど息もしていないように思える。
それで、私はこの上なく深刻な恥ずかしさに悩まされた。
「それより、それを一体どうやって見つけたの?」
「お前のところに寄って・・・。いや、探す書類がちょっとあってお前の書斎に寄って偶然見つけたんだ」
驚いたように素早く答えたジェレミーは、今では少し眉をひそめながら手にしたネックレスを睨んだ。
いざという時にそのまま紐を切ってしまいそうな勢いで。
「これは俺が返した方がいいと思う」
「うーん、それはあまりいい考えではないと思うけど・・・」
「どうして?本当に俺があいつの奥歯を狙うと思っているの?」
「その心配が全くないわけじゃないわ」
「丁寧に返すから心配しないで。お前より俺が返した方がいいと思う。あまりにも腹黒い奴だから、また何を企てているか分からないだろ」
最もらしい言葉だった。
私が返そうとして、ややもすると他人の目に付いたりしたら、それこそ本当に困ることになるのでは?
テオバルトがまだ私に対して気持ちを抱いているかもしれないという疑惑はなるべく考えないように努力はしていたけど、本当の意図が何であれ、少しの余地も与えずに切ってしまわなければならなかった。
ヨハネスがジュリーの前で怒ったのは、ルビーのブレスレットを渡した相手に対してのようですね。
ヨハネスがブレスレットを発見した時の光景がジェレミーと重なったようです。
一体何があったのか更に詳しく知りたいです。





