こんにちは、ピッコです。
「ある継母のメルヘン」を紹介させていただきます。
今回は114話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

鉄血の未亡人、ノイヴァンシュタイン城の魔女、貴婦人の恥……。
これらは全てシュリー・フォン・ノイヴァンシュタイン侯爵夫人を指す言葉である。
夫を失くした後、世の中から後ろ指を差されながらも、姉弟ほどしか年の変わらない血のつながらない子供たちを育てあげた。
そしていよいよ長男ジェレミーの結婚式の日を迎え、今までのすべての苦労と努力が報われると思っていたが、それは大きな勘違いだった…!
結婚式に来るなと言われ、失意の中城を去り田舎へ向かう途中、彼女は事故に巻き込まれ命を失うことになり、気が付くと七年前の死んだ夫の葬儀の日に戻っていたのだ。
そして二度と以前のような後悔にまみれた人生は生きないと心に誓う!
シュリー:シュリー・フォン・ノイヴァンシュタイン侯爵夫人。本作の主人公
ジェレミー:ノイヴァンシュタイン侯爵家長男
エリアス:ノイヴァンシュタイン侯爵家次男
レイチェル:ノイヴァンシュタイン侯爵家長女。レオンと双子。
レオン:ノイヴァンシュタイン侯爵家三男。レイチェルと双子。
ヨハネス:故ノイヴァンシュタイン侯爵
ノラ:ニュルンベル公爵家令息
テオバルト:第一皇太子
リシュリュー:枢機卿
レトゥラン:第二皇太子
ロベルト:ノイヴァンシュタイン侯爵家執事長
オハラ:ハインリッヒ公爵令嬢。ジェレミーの婚約者

114話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 実母の弾糾
母は首を傾げて私を見つめた。
私と同じ草色の瞳が強烈で卑劣な炎で燃え上がっている。
「この図々しい女が!あまりにも愚かで覚えていないのか、それとも嘘の腕前がいつの間にかそんなに上達したのか!」
「誰が誰に図々しいのか分かりませんが、口に気をつけてください。このような場でも、その浅はかな舌は抑えられないようですね」
法廷内の全員が一様に興味津々な顔で私たちを鑑賞することを意識しないように努力していたが、母娘の反応は尋常ではなかった。
彼女をよく知っているから気づくことができたのだが、今の彼女は純粋に嘘がバレて怒っているというよりは、なんとなく本気で怒っているように見える。
私の母が演劇をする度に飛び出す習慣、目玉を右に転がして指を動かす習慣が全く見当たらなかった。
それともこの瞬間のために、その習慣をなくしてしまったのかな?
「今思い出せないからといって、引き離しているの?何の連絡もなく、夜明けに無鉄砲に押し寄せた後は?」
「夢でも見たようですが、私はどうも・・・」
「はあ!?夢でも見たようだって?あんなに大騒ぎしておいて、今さら思い出せないって?夫の許可もなしに無闇に降りてきて帰りたくないと大騒ぎしていた女の子が、何を言っているの?」
私は呆然として母の赤く歪んだ顔をじっと見つめる。
「話を作り上げるなら、もっと最もらしく作りましょう。私が頭に異常でも生じない限り、あなたたちの元に戻るはずがない・・・」
「すっかり忘れてしまったようね!頭に異常がある?ええ、私はあの時あなたが本当に頭に異常でも生じたと思ったわ!」
「一体何を・・・」
「身の程も知らずに外の男からのプレゼントたくさん貰うなんて!?私があなたの夫だったら、あなたのふくらはぎが破裂するまで殴っていたでしょう!」
「何ですって・・・?」
今、私の母という女性が騒ぐ声に少しも信憑性がなかった。
とんでもないうわ言だ。
優先的に、私が夫と喧嘩したからといって実家に逃げたということ自体からが不可能な前提だった。
なぜなら、私は決して実家に帰りたがらないから。
だけど、どうして急に急所を殴られたかのように胸がムカムカする気持ちなのか分からない。
頭が宙に浮いているようにぼんやりと揺れる感覚が私を魅了した。
視線を下に下げると、自分の手が震えている。
あまりにも腹が立っているから?
怒りを抑えきれなくて体が先に反応しているのかも分からない。
そう、そうよね。
あの女がどうして私の夫を侮辱するのか。
それも私の子供たちの前で・・・!
「そんなにあらゆる男を引き入れることができず気が気でない年だから、義理の息子に目を向けるのも無理ないわ!お前がいつまでそんな風に生きるつもりなのか分からないけど、この辺で___」
母はもう話を続けることができなかった。
悲鳴さえ上げられなかった。
多分あまりにもビックリしたからだろう。
「もう一度喋ってみろ。何がどうしたって?」
参考人席に黙々と座っていたジェレミーが、まさにあっという間に近づいてきて、私の母の首に剣先を向けていたのだ。
参考人とて武器を所有することは話にならない。
視線を後方に向けてみると、そこには文字通り魂が抜けてしまったハンソン騎士が自分の剣を奪い取ったジェレミーをぼんやりと凝視していた。
「あの、あの・・・」
「これはどういうことだ、ジェレミー卿!」
高まった緊張と興味津々さに満ちていた法廷内が一瞬で恐怖のるつぼに変わってしまったのは言うまでもないだろう。
息の音一つも出さずにその場を守っていた聖騎士たちが同時に剣を抜く音が耳を鋭く刺した。
そんな中、ハン枢機卿は急いで壇上から飛び降りて聖騎士の後ろに隠れようとしたが、床に倒れてしまった。
お構いなくジェレミーはグツグツ熱する炎のような視線を私の母に完全に突きつけたまま、凶暴な殺気を吐き出しながら唸り声を上げている。
「もう一度喋ってみろ」
私の母が卒倒しなかったことを立派だと言わなければならない。
若いライオンが目を真っ赤にして見守る前で、彼の両親を侮辱してしまったのだから、あんな目に遭うのも当然のことだった。
にもかかわらず、このまま放っておくことができないという現実が本当に皮肉だ。
「私、私、私は・・・」
「ジェレミー!」
ムカムカしていた胸が少し治って気が付く。
私が吐き出した叫びに、義理の祖母を今にも引き裂く勢いだったジェレミーが首を少し動かしてこちらを眺めた。
私は断固として首を横に振る。
「落ち着いて。大丈夫だから。どうせ嘘に過ぎないから」
そうだとも、嘘だ。
これは嘘に過ぎない。
私たちでない人々が勝手に騒ぐ嘘に振り回されては、彼らが望むものを渡すだけだ。
母親の言葉の真偽が気になります。
それでもシュリーを侮辱したのは許せませんね。
ジェレミーの怒りは静まるのでしょうか?






