こんにちは、ピッコです。
「ある継母のメルヘン」を紹介させていただきます。
今回は119話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

鉄血の未亡人、ノイヴァンシュタイン城の魔女、貴婦人の恥……。
これらは全てシュリー・フォン・ノイヴァンシュタイン侯爵夫人を指す言葉である。
夫を失くした後、世の中から後ろ指を差されながらも、姉弟ほどしか年の変わらない血のつながらない子供たちを育てあげた。
そしていよいよ長男ジェレミーの結婚式の日を迎え、今までのすべての苦労と努力が報われると思っていたが、それは大きな勘違いだった…!
結婚式に来るなと言われ、失意の中城を去り田舎へ向かう途中、彼女は事故に巻き込まれ命を失うことになり、気が付くと七年前の死んだ夫の葬儀の日に戻っていたのだ。
そして二度と以前のような後悔にまみれた人生は生きないと心に誓う!
シュリー:シュリー・フォン・ノイヴァンシュタイン侯爵夫人。本作の主人公
ジェレミー:ノイヴァンシュタイン侯爵家長男
エリアス:ノイヴァンシュタイン侯爵家次男
レイチェル:ノイヴァンシュタイン侯爵家長女。レオンと双子。
レオン:ノイヴァンシュタイン侯爵家三男。レイチェルと双子。
ヨハネス:故ノイヴァンシュタイン侯爵
ノラ:ニュルンベル公爵家令息
テオバルト:第一皇太子
リシュリュー:枢機卿
レトゥラン:第二皇太子
ロベルト:ノイヴァンシュタイン侯爵家執事長
オハラ:ハインリッヒ公爵令嬢。ジェレミーの婚約者

119話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 信憑性
「仕事が終わり次第、私がやることがあるんだけど・・・」
「私が勝つことを当然知っているような言い方だね」
「何を言ってる?それじゃあ私を相手に無勝無敗を成し遂げた唯一の奴であるお前が負けると?もしそんな恥ずかしい姿を見せたら許さないからな」
相手を高めると同時に、自分はもっと高くするジェレミーの厚かましい発言に、ノラはただ笑いが込められた目つきを見せるだけだった。
そしてジェレミーはその目つきを見ないふりをして背を向けようと努力しながら話を続ける。
「とにかく私がしようとしているのは・・・」
「え?鳥の子が足を踏み入れるのを手伝ってほしいって?それとも背後を見つけて足を踏み出そうって?そりゃあ喜んで・・・」
「両方ではあるが、それより少し違う問題がある」
不釣り合いな口調で吐き出したジェレミーは、再び金色のまつ毛を敷く。
これにノラは自然と濃い眉毛を上げた。
「何?この機会に本当に二番勝負でシュリーさんに言い聞かせるということなら、この場で・・・」
「あのヘッファー子爵夫人が言ったことだ」
真っ直ぐ落ち着いて話を続けたジェレミーが揺れる目をして付け加える。
「お前は、あの証言に信憑性があると思うか?」
ノラはしばらく友達と向かい合っていたが、すぐに首を横に振った。
「私には分からないことだ。君の方がよく知っているだろう。その時にいた使用人はいないのか?執事とか」
「何か詳しく知っている様子ではなかった。それよりもっと明確に調べてみたいんだ。何かがあるような気がするけど、それが正確に何なのか分からない」
「・・・」
「この前、あいつのダイヤモンドのネックレス。シュリーが夢遊病のせいでまた歩き回っている最中に、それを持っていたんだ。それで知ったんだけど、どこから出たのかと聞いたら反応が尋常じゃなかった」
「尋常じゃない?」
「ああ。何か私じゃない他の人を見ているような気がしたというか・・・。あんなにしどろもどろに言い訳をする姿は本当に初めて見たよ。一瞬浮気をしてバレた奥さんのように見えるほどだったから、全部話した」
ジェレミーは言葉の先に力を入れて拳をギュッと握る。
その姿を見守るノラも、そろそろ尋常でない表情になっていた。
「あの夫人が言った内容、シュリーがなかったことのふりをしているんじゃなく、本当に記憶自体ができていないようだ。それで調べようと思って」
「お前のお父さんのことなのに」
短いが、かなり多くの意味が込められた質問に、ジェレミーは息を殺してうなずく。
「だからもっと調べようとしているんだ・・・。私の父が本当に私が思っていた方なのかね」
「後悔するかもしれないのに」
「関係ない。だからお前は・・・」
そっと付け加えながらオオカミの目を合わせるライオンの瞳が必死の光で輝く。
「明日、必ず勝たなければならない」
「お前がそんなに面倒を見てくれなくても、ちゃんと勝ってくるさ」
教権を相手にした名誉の決闘は、サクロサントの聖騎士演舞場で行われる。
今後の版図を分ける対決であるだけに、剣術大会時とは次元の違う緊張と厳粛さが無数の観客が集まった客席を覆っていた。
上段に座った法王と皇帝、枢機卿団、そしてその他の観客と四方を護衛する聖騎士たちまで皆同じような表情を浮かべている。
努めて動揺を隠そうとする顔のことだ。
朝から酒に酔ったようでぼんやりとした感覚。
感じられるのは、エスコート中のジェレミーの手から伝わってくる温もりだけだった。
他人が私たちをどのように見ていようが、いいや、むしろ見ているということを知っているので、もっと近くでくっついている。
あなたたちがどんな妄想をして何を言っても、私たちは気にしないという態度で。
とにかく、私はこの決闘を直視しなければならない。
単純に私が被告人の身分だからではなく、それが私のために出てくれたノラのためにできる当然のことだから。
「レディー・ノイヴァンシュタイン」
私たちの指定席は客席の一番前。
すぐ近くにはニュルンベル公爵家の人々が座っている。
公爵夫人は、どうしても見守れないと判断したのか見当たらなかった。
かなり恨めしい視線を受けると思っていたが、皆その青い視線を努めて前にだけ固定している。
もっとも、意図せずに流されたとはいえ、既にこのようになってしまった以上、内心がどうであれ、顔色を伺うことは難しいだろう。
とにかく落ち着いて挨拶をしながら私を眺める公爵の目は複雑極まりないように見えた。
一人だけの息子が、ともすればここで死ぬかもしれないという考えのためだろうか。
その不安は私も持っていた。
もし今日ノラが間違ってしまったとしたら・・・
私はしばらくノラとそっくりな目を見て、思わず持ってきた物の一つを手渡した。
ジェレミーが私を不審な視線で眺めたが、この場では特に問い詰めてこない。
そして公爵は首を傾げた。
「夫人・・・?」
「・・・ぜひ見てください」
それが私にできる言葉のすべて。
これが果たして上手なことなのかという疑問が若干起きたが、今でなければ渡す他の適切なタイミングがなかったのだ。
やっぱりジェレミーも気になっていたのですね。
父親の真相にたどり着くことはできるのでしょうか?
そしてシュリーが公爵に渡した物とは?






