こんにちは、ピッコです。
「ある継母のメルヘン」を紹介させていただきます。
今回は125話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

鉄血の未亡人、ノイヴァンシュタイン城の魔女、貴婦人の恥……。
これらは全てシュリー・フォン・ノイヴァンシュタイン侯爵夫人を指す言葉である。
夫を失くした後、世の中から後ろ指を差されながらも、姉弟ほどしか年の変わらない血のつながらない子供たちを育てあげた。
そしていよいよ長男ジェレミーの結婚式の日を迎え、今までのすべての苦労と努力が報われると思っていたが、それは大きな勘違いだった…!
結婚式に来るなと言われ、失意の中城を去り田舎へ向かう途中、彼女は事故に巻き込まれ命を失うことになり、気が付くと七年前の死んだ夫の葬儀の日に戻っていたのだ。
そして二度と以前のような後悔にまみれた人生は生きないと心に誓う!
シュリー:シュリー・フォン・ノイヴァンシュタイン侯爵夫人。本作の主人公
ジェレミー:ノイヴァンシュタイン侯爵家長男
エリアス:ノイヴァンシュタイン侯爵家次男
レイチェル:ノイヴァンシュタイン侯爵家長女。レオンと双子。
レオン:ノイヴァンシュタイン侯爵家三男。レイチェルと双子。
ヨハネス:故ノイヴァンシュタイン侯爵
ノラ:ニュルンベル公爵家令息
テオバルト:第一皇太子
リシュリュー:枢機卿
レトゥラン:第二皇太子
ロベルト:ノイヴァンシュタイン侯爵家執事長
オハラ:ハインリッヒ公爵令嬢。ジェレミーの婚約者

125話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 荒唐無稽な沈黙
しばらく荒唐無稽な沈黙が流れた。
何とも言えないほど歪んでいる私の目をぼんやりと凝視していたエリザベートが妙に曖昧な口調で話をするまでは。
「あなた・・・、全然知らないの?」
「だから何をですか?」
「いや、だから、あなたの容姿が、あの、似ている人が・・・」
「私に似ている人ですか?それが誰なのか王妃様は知っているのですか?」
忍び寄ってきた侍女の一人がエリザベートに向かって何か言ったが、私たち二人はそこに全く気を使わなかった。
らしくない王妃の態度に、私はだんだん固まっていく。
そしてその時だ。
「遅れたと思っていたのに、意外と早く着いたようです、姉さん。あれ、ちょうどレディー・ノイヴァンシュタインも一緒にいらしたのですね」
気品よく入ってきて上品に挨拶するニュルンベル公爵に向かって、私たち二人の定型的な視線が自然に戻った。
自分の姉のソワソワする目つきと私の燃える目つきを同時に受ける、実に滑稽極まりない難関にぶつかってしまった公爵様が直ちにに当惑した顔になってしまったのは極めて当然なことだろう。
「いや、一体何が起こったのですか?」
それが私の言葉だった。
「もしかしたら、後で私たちまで近親容疑になるかもしれないね」
「ちょっと、そんな話はしないでよ!」
「痛いよ!ただそうかもしれないって汚い現実を指摘しただけじゃん!」
乱暴に足で蹴られたレオンが不平だらけの声で抗弁したが、レイチェルの怒りは収まらない。
「もう終わった話なんだから、あんなことはもう起こらないわよ。それにママを虐めた人たちは、ジェレミーお兄様が全員消してくれるって!」
「まあ、今回のことを決定的に解決したのは真っ黒公子だと思うけど・・・」
「それはお兄様が出られない状況だったから、代わりに出てくれたんじゃない!とにかく、あんなことは二度と起こらないんだから、もう持ち出すのはやめて」
双子の姉弟が並んで仲良く座っている石段の向かい庭では矢が降り注いでいた。
戦争が起きたのではなく、この家の自他共に認める真っ赤な暴れん坊と、第2皇子が仲良く弓術試合をしているだけなのだが。
一体どうして我が家は1日でも静かな日がないのだろうか。
どうして兄たちは自分と似たような人間とだけ付き合うのか。
そのような悩みの中で、レオンは頭を掻く。
「ジェレミー兄様はそんなに頼もしいの?」
「当たり前じゃない?ジェレミーお兄様ほど強い騎士がどこにいるのよ。まあ、ノラ兄様は似ているけど、お兄様の友達だから大丈夫だと思う。でもどうして?嫉妬しているの?」
「少しはあるけど、それが問題じゃない」
「じゃあ何が問題なのよ?」
「・・・ジェレミー兄様が本当にママをママだと思ってるのかな?」
「え?」
「正直に言うと、私たちの中でママをママだと思っているのは私と君だけだと思うから。あ、あとエリアスも。・・・とにかくそういうこと」
レイチェルは今や家族の中で最もまともな常識を持っていると評価していたレオンを不信に満ちた目で見つめる。
「あなた、どうしたの?急におかしくなったの?推理小説ばかり読んでるから、急にそんな方向に妄想が膨らみ始めたの?あのとんでもない裁判を信じてるの?」
今にも目玉を引っこ抜こうとするような勢いの姉に、レオンは慌てて首を横に降らなければならなかった。
「いやいや、そうじゃなくて。だからママが問題じゃなくて、ジェレミー兄様が問題なんだって。いや、問題というのもアレだけど、とにかくあなたも正直一度はそう感じたことがない?」
「何を?」
「だ、だから兄様がママを見る目が君や私の目と同じだと思う?正直、見るたびに兄様の視線の先にはママがいるから。まあ、客観的に見ると、ママは兄様とたった1、2歳差な上にすごく綺麗だから、全く理解できないわけじゃないけど」
一層落ち着いた口調で付け加えるレオンの顔を、レイチェルはしばらく歪んだ顔でじっと眺めていた。
短い沈黙が通り過ぎるのかと思ったら、しばらくして少女の目に涙が溜まる。
そしてレオンは慌てた。
「あ、いや、泣かないで!どうして泣くの?ごめんね、私はそう思っただけで・・・」
「・・・あなたまでそう言ったら、また誰かがママを虐めるかもしれないじゃない」
「いや、虐めることはできないから!絶対に!さっき言ったように兄様が全部消してくれるんだろ?格好の才能は名射手気質だけの2番目の兄もいるし!だから泣か・・・」
「じゃあ、あなたは?あなたもそうするの?」
「もちろん!脳まで筋肉の人間たちには頭脳担当の私のような人材が必要なものだから!」
レオンは陽気に胸を叩きながらニヤリと微笑む。
レイチェルも真っ赤になった鼻先をすすりながら微笑んだ。
「本当に大丈夫な気がしてきた」
シュリーは前皇后の顔を見たことがない?
世間では秘匿されているのでしょうか?
エリザベートと公爵はどんな説明をするのか気になります。






