こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は100話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

100話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 華やかな瞬間
「そうなのですか。私、ちょっと人気者みたいですね」
「誰も権力の行方には関心があるでしょうから」
「少なくとも20年後の権力ですが・・・」
すぐ明日もわからないのに。
私は果たして20年後もこの世界にいるのだろうか?
「みんな、一生懸命に生きているのでしょう」
そう言ってセヤは笑った。
私は彼の若芽色の瞳が柔らかな曲線を描くのを楽しんだ。
同じ緑系だが、彼の瞳とミオ卿の瞳の色はかなり違う。
若芽のように爽やかなセヤの瞳は、近づくと淡い草の匂いがしそうだ。
1週間練習して、自分の実力はそれほど上達しなかったが、セヤの踏まれても平気なように演技する技術と回避力は驚くほどに向上した。
一生懸命踊っていると、突然、人の間でざわめきが広がる。
何だろうか?
私はセヤの腕を掴んで、入り口の方に顔を出した。
私も人々と似たような気持ちになる。
上半身がピッタリした白いドレス姿の王妃だった。
胸がドキドキする。
王妃が来ることを知っていたのに妙に不安だ。
「アスさん?何か気になることがありますか?」
セヤは王妃を見ていないようだ。
王妃は戴冠式や結婚式を行わなかったため、よほどの高級貴族でなければ彼女の顔を知らない。
「いいえ、ちょっと知り合いに会ったようで」
「ミオ卿は、ここには来れないと思います」
「ミオ卿以外にも知り合いは多いんですよ」
「そうなのですか?」
セヤは笑いながら、私の腰に抱きついて飛行機を乗せるかのように空中に浮かべて、一周した。
授業にはこんな動作がなかったのに!
「ビックリしたじゃないですか!」
彼は悪戯っぽく「はは」と笑う。
改めて、この男性がかなり幼くて爽やかだということが分かる。
ミオ卿やクラインはこんな悪戯をしない。
彼の笑顔を見ていたら、ある瞬間から、私もニッコリ笑っていた。
全身がふわふわして楽しい。
これほど華やかな瞬間が二度と訪れることはなさそうだ。
「私の結婚式もこんなに華やかじゃないと思います」
自然に笑いがたくさん出て、セヤも私を見て笑った。
私はセヤと何曲も続けて踊る。
踊りながら人混みの中で王妃を探し続けたが、彼女は見えなかった。
クラインとは目が合ったまま。
彼はセヤと私が踊っている間、私のドレスの裾の軌跡を目で確かめていた。
隣で誰かに話しかけられても短答で答えたり、無視しているように見えた。
彼の周りに近づいた女性たちは嫌われ者となってしまう。
「アス、私にも足並みを揃える光栄をいただけませんか?」
何曲目か分からない曲が終わったとき、気づいたら目の前にクラインがいた。
彼は物静かな表情で、私に手を差し出している。
その瞬間から全身に針が刺さるような視線が感じられた。
聞かなくても分かるような「あの女は誰?」という囁きも聞こえる。
そうだよね。
この宴会の主人公と言えるようなクラインがパートナーもおらず来ていて、結婚適齢期の女性の視線が最初から弓のように刺さっていたのに見過ごすわけがない。
私もクラインと踊ってみたいが、彼と踊るには、彼が大物すぎて怖かった。
「国王殿下とユルーゲル様です」
適切なタイミングで二人が現れる。
ありがとうございます。
私はこっそりと周りの人からの注意を払い、クラインから一歩離れた。
濃い紺色の服を着たエバンスと、動くたびに薄い青色の光沢を帯びた服を着たユルーゲルが肩を並べて宴会場の中に入ってきた。
数日前にユルーゲルと会った時は具合が悪かったが、今日は何ともない。
エバンスと一緒にいるからか、照明された花のように綺麗だ。
二人は手も繋いでいなくて、お互いに引かれているのは影と体温、そして視線だけなのに、そのすれ違う視線がお互いを世界で唯一の宝物のように見ているのが、歴然としていて、愛おしそうに見えた。
そういえば王妃は本当にいるのだろうか?
むしろ、そうであることを望む。
なぜなら、玉座のある壇上にユルーゲルの席はあったが王妃の席は準備されていなかったからだ。
「クライン・カペラ」
「はい、殿下」
宴会場に入ってきたエバンスは、玉座に座る前にクラインを呼ぶ。
私から僅か一歩離れていたクラインが、低い声で答え、玉座に向かって歩く。
長く白い裾が揺れ、その上で短く赤い髪の毛も揺れた。
まるで花火が揺れているように。
玉座の前でクラインが片方の膝をついて座る。
エバンスは彼を見下ろしながら剣を突き出した。
「カペラ家は開国功臣家として栄ある名前を持っているが、その子孫となるクライン・カペラ家もこれまで数多くの戦争を行い功が多かった。代々カペラ家の功績が高いので、これをさらに栄誉に残すためにカペラ家に下された爵位を公爵に高め、その名を美しくする」
「ご命令に従います」
エバンスが差し出すカペラ家の模様が描かれた剣を、クラインが頭上に持ち上げた。
エバンスは満足げな表情で後退し、クラインは立ち上がって人々に向かって体を向け、剣を高く持ち上げる。
カペラ公爵!という連呼が響き渡った。
普段は落ち着いているセヤの別の一面が良いですね♪
結局、クラインとは踊らないまま。
王妃の姿は見間違い?
普通であれば、入場のときに名前を呼ばれるはずなのですが・・・。





