こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は104話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

104話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 勘違い
私は握っていたクラインの手を軽く振った。
聞き取れなかったようで彼の方を振り返りながら小さく「一緒に行きましょう」とまで言ったが、彼は首を横に振る。
(何が問題なの?)
「王妃様。カペラ伯爵様がエスコートするそうです」
「いいえ、私が行きましょう」
セヤがそう話す。
本宮にはセヤの従姉妹の侍女長の姉がいるはずだから、彼がエスコートするのも悪くはないのだが、私は今夜この瞬間が王妃にとって完璧であることを願っている。
セヤはいい人で、優しく、魅力のある人物だ。
セヤとクラインを天秤にかけているようで少し罪悪感があるが、ただ、私の知り合いの中で一番完璧に近い男性がクラインだから、彼を王妃と送り出したいと思う。
「セヤ卿は私のパートナーじゃないですか」
そう指摘すると、セヤが本気で驚いていた。
彼はやっと私がそこにいることに気づいた人のように、あるいは予期せぬ瞬間に虚を突かれた人のように、あるいは後になって別の世界を認識した人のように、困った表情を浮かべて私を見た。
短い瞬間だったが、その瞬間、私は知らなかったことが分かった。
一体、私は何を見ていたのだろうか・・・。
セヤはひどく困惑した顔をして、私の方を見ている。
多少現実感が湧いた私は、彼とじっと向かい合った。
「それじゃあ、アス。行ってきますね」
クラインは大人だ。
気乗りのしない仕事をするにもかかわらず、彼は落ち着いた表情で王妃に礼を尽くして手を差し出したのだから。
王妃はその手と私を見て、花びらが滑り落ちるような優雅な態度でクラインの手の上に細い手を置いた。
驚いた。
私のドレスと合わせたクラインの白い服と、王妃の白いドレスがちょうど一着のように似合っていたから。
「失礼ですが、お二人はとてもお似合いですね」
私にプロポーズした男と人妻に言うことではないが、事実そうだった。
半分ほどは冗談だったので、話し終えながらセヤを見上げる。
私は、彼が優しく笑いながら「そんな話は妥当ではありません」という言葉を期待していた。
しかし、彼は私の話を全く聞いていない。
魂を失った人のように手を垂らしたまま、既に消えた二人の影を最後まで見つめていた。
「セヤ卿・・・?」
こっそり彼の服を引っ張ると、セヤは驚いた顔で私を見て、片手で自分の顔を隠す。
再びその瞬間。
私は何も見えなかったのを見て、知らないことに気づいた。
私が今見ているのは何?
私はあの視線を・・・。
「セヤ卿?」
「いいえ、アスさん。踊りましょうか?」
セヤはやっとの思いで笑いながら、再び私の手を取る。
私たちは何事もなかったかのように踊った。
セヤは私の髪を肩の後ろに回して微笑む。
その部分は、さっき王妃の手が触れた箇所。
彼の微笑は遠方に向いていた。
そうなればなるほど私の心は複雑に沈み始める。
どうしてこんなに落ち込むのか分からない。
そんなことではないのに。
いつの間にか戻ってきたクラインが、さっき私たちが立っていた場所の近くから私を眺めていた。
深くて濃い青灰色の瞳。
そして、私を見て笑う若芽のような黄緑色の瞳。
輝かしい光を乱反射するシャンデリアまで全てが非現実的だった。
どうしてこんなに私の1日は長いのだろうか?
どうして人々は、たった今あのような経験をしておいて、壊れた空の下で何事もなかったかのように笑って騒いで踊れるのか、私には理解できなかった。
「ええと・・・。私、もう帰らないと」
音楽が途切れた間に私は言った。
「お送りいたします」
セヤはなぜかと尋ねもしない。
「大丈夫です。カペラ公爵様がいらっしゃるので」
私は人々が踊る空間を抜け出し、クラインの手を握る。
「アス?」
「帰ろうと思います。カペラ公爵様、送ってもらえますか?」
今日の宴会の主人公は彼だが、彼は一度も踊ることができなかった。
不思議な罪悪感が胸に迫る。
ユルーゲルとエバンスは、今も宴会場の中心で楽しそうに笑いながら踊っていた。
何がそんなに楽しいのだろうか?
「アス?何かあったのですか?」
「いいえ、何もありません」
「お怒りのように見えます」
「怒っていません。私が勘違いしていただけですので」
果たして、思い違いなのだろうか?
知らなかったと言った方が正しいかもしれない。
とっくに二人を見ることができたなら、王妃を眺めるセヤの目を見ていたら、錯覚しなかっただろう。
私はセヤのあの声を知っている。
そして、その目つきも理解できる。
クラインの言葉は当たっていた。
彼が正解だったのだ。
だから、もしかしたら彼の言葉通り、アス・トケインがセサール・カジックに片思いしていたのは確かなのかもしれない。
『私は恋に落ちた人の目を勘違いしません。鏡の中で、毎日見ていましたから』
クラインはそう言っていた。
セヤ卿は王妃を愛している。
彼のリボンを結んでくれた手首が痛くなるような錯覚に陥る。
そんなはずがないのにとても痛くて、私はクラインの手をギュッと握ってユルーゲルの別荘まで歩いた。
手首はだんだん締め付けられ、悲鳴を上げたくなるほど。
ひょっとしたら悲鳴を上げたかもしれない。
この世界の男たちは、みんな私を愛していない。
まさかセヤが王妃のことを好きだったとは・・・。
ダンスをしている相手の意識が自分に向けられていないのは苦しいですよね。
アスもセヤのことが好きだったのかどうかは分かりませんが、ダンスパートナーに誘われた以上、相手に期待してしまうのは仕方がないことでは?
今後のセヤとの関係が気になります!





