こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は108話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

108話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 私の告白
「アス、私が魔塔を打ち壊したということは知っていますか?」
もちろん、魔塔が完全に滅びたことは知っていた。
シエルはしばしば魔塔の末裔だの魔塔の主人だのと呼ばれるが、その魔塔は彼の手によって完全に滅びる。
大魔法使いは生まれるのであって、作られるのではないが、魔塔の魔法使いたちはある好奇心を抱いたのだ。
大魔法使いに人為的に魔力を移植するとどうなるのか。
こうして、シエルには有数の魔法使いの魔力が移植された。
事実、実験が成功したかどうかは誰も知らない。
確かなことは、シエルが、師匠たちを抱く魔塔を滅ぼすほど強力な大魔法使いだということだ。
魔塔の崩壊は、大魔法使いシエル・カッパーフィールドの大層な成人式だった。
「大魔法使いさん、聞いてもいいですか?その___」
「時のことですよね。そうですね・・・、詳しくは覚えていないのですが」
それは、おそらく半分は嘘で、半分は事実だろう。
「女性が聞くには、そんなに愉快な話ではないですが」
「女だから聞けない話は無いと思います」
シエルは少し困った様子で微笑む。
「魔塔にいた私の師匠たちは皆飢え死にしていました。私より強い魔法使いだけが抜け出せるように魔法をかけておいたのですが、100日後に魔塔から出てきた魔法使いは誰もいませんでした。それで魔塔を壊したのです」
<脱出記>では魔塔を破壊したと説明されているが、思ったよりも強力なエピソードだ。
「師匠たちは、そんなに嫌な性格だったのですか?」
「いいえ。その頃の私には、それほどの感情はありませんでした。大魔法使いが結婚できない理由を知っていますか?」
「大魔法使いだから?」
「アスと話していると複雑なものが全て単純になるようで良い気がします」
今、私は馬鹿にされたのだろうか?
「私たちは世界の法則を変えるほど強い力を持っています。しかし、一方で私たちも人間です。こうやって手を握って肌が触れると、私たちも心が動きます」
シエルが私の手を握る。
彼の手は、外に長くいた私の手より暖かく感じられた。
「この強大な力が一人のために使われるのは危険なことです。それで大魔法使いたちは、代々、魔塔で大人になるまで感情が理解できないように育てられるのです。感情を刺激する食べ物や芸術、すべての美しくて醜いものに触れることも排除されます。それで原則的に結婚もできないのです」
「原則的にですか?」
シエルは私の手の甲に自分の手を重ねる。
指の間からシエルの指が食い込む。
慣れないし、少し恥ずかしくて、少し痛かった。
「それで多くの大魔法使いが自ら命を落としました。恋をしたから」
「それはおかしくないですか?」
「どういうことですか?」
「私は魔法使いではないでしょうけど、愛は美して崇高だと習ったのです。それなのに、なぜ愛のせいで、自ら死ななければならないのでしょうか?」
ラッパ飲みをしたことのない大魔法使いの前で、私はボトルをラッパ飲みする。
シエルは私がすることを注意深く見て真似するとむせた。
「これ、不味いな!?」
「人生の味だからですよ。人生は、いつも甘くて苦いのです」
こんな夜も悪くない。
黙って靴の土を払ってくれたクラインも、長い間ブレスレットを持ってくれていたミオ卿も、大好きな王子のそばにいなくても、私に会いに来てくれたシエルも、みんな私が望んでいた完璧な姿じゃなくても、私のことを想ってくれたのだから。
たとえそれが、私を愛してくれていなくても。
「でも、大魔法使いさん。こんな話を私にしてもいいのですか?」
「アスは他に話す相手もいないでしょうから」
この野郎・・・。
「でも、秘密ですよ。ミオ卿にもね」
シエルはそう言いながら、人差し指を口元に立てた。
世の中や感情を学んでいく大魔法使いの表情は、年齢に似合わず少年のように見える。
「それじゃあ、私も秘密を話しましょうか」
グラスを置いて膝で近づき、シエルの耳に囁く。
「実は私、アス・トケインじゃないんです」
話してはいけない秘密を話したせいで、胸がドキドキした。
私はこの告白を後悔するのだろうか?
しかし、シエルはアス・トケインを知らない人で、魔塔を出て今は感情と世の中を学んでいる人だ。
私一人でしまっておく秘密が、今ではとても重くて、子供に告解するように最も無害な彼に告解したかった。
シエルは笑顔を浮かべて、私の耳に体を傾けて囁いた。
「知っています」
「なんだか、そんな気はしていました」
彼は私を見て笑う。
「あなたがアス・トケインではないということは前から知っていました。私は魂も見ることができる大魔法使いですから。しかし私が知っているあなたは、いつもあなたでした。その事が私にとって重要だと思いますか?」
魔塔の崩壊過程が、思った以上にヘビーでした。
飢え死にで崩壊するとは・・・。
シエルも恐ろしい魔法をかけましたね。
彼はアスをどう想っているのでしょうか?
結婚をしてはいけないという理由もあやふやなままです。
そして、アスが自分の正体を告白しましたが、シエルは以前から知っていたのですね。
クラインやミオ卿に話したら、どんな反応をするのでしょうか?





