こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は109話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

109話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 夜が怖い魔法使いと、朝が怖い異邦人
朝になったら、私はこの告白を後悔するのだろうか?
例のとおり、私にもよく分からない。
けれど、秘密を話すと、かなり怖くてドキドキすると思っていたのとは違って、驚くほど何もなかった。
宙を舞っていた白く大きな羽が、私の胸に入ってきたような気持ちに。
私はシエルを見ながら笑い、彼は自分の髪を肩の後ろに垂らした。
私よりも大きくて暖かい手が、私の肩に触れる。
空の端が赤い。
夜が明けそうだ。
「また朝ですね」
まだ負けていない月はシエルの手先にかかって、風が少し吹いてきた。
王宮はまだ眠っているが、もう人々は目を覚まし、明かりがつき、夜が明けて、また朝と一日が始まるのだろう。
シエルが私の手を握る。
その体温は夜なら慰めになっていたが、この朝の憂鬱さを防ぐことはできなかった。
「アス」
彼は笑っていた。
暮れた月の光のように美しい大魔法使いが、私の手を握って笑っている。
世界が再び鏡を覆うように、青い光は暗くなり、赤い光は消えて、暮れ始めた。
シエルの手首にかかっていた月が波をかき分けるように、ゆっくりと夜空を横切ってシエルの肩と耳元にかかり、空は再び安穏な暗色に染まる。
その夜空の真ん中で、私のために朝を夜にしてくれた大魔法使いが、月より明るく笑う。
「どうです、アス?私は大魔法使いです。あなたのために朝を夜にすることができるのですよ」
昨夜夢を見た。
ここに来て以来初めて見る夢のようだ。
どんな夢を見たのか思い出せないけれど。
ここまで何も思い出せないとなると、恐ろしかったり面白くもない平凡な夢なのだろう。
私は少し神秘的な気分で起き上がった。
クラインがくれたイヤリングをまともに見るのは初めてだ。
真珠とトパーズを混ぜて作られた美しい品物。
耳に穴を開けていないので使えなかったイヤリングを鞄に入れて外に向かう。
クラインが私を待っているから。
ドアを開ける直前、ミカエル王子をお風呂に入れていたアンナが私を呼んだ。
「アス、セブが結婚するんだって」
半分くらい開いてしまったドアを再び閉める。
赤い何かが見えたようだが、気にしないでおこう。
「セブ?私が知っているセブ?本宮にいるんじゃなかったの?いや、それより結婚?誰と?」
「あなたが知っているセブよ。彼女は今も本宮にいるわ。相手はヒュー・ドレント」
どこかで耳にした名前だ。
「あの人?ペペが狙ってた人じゃない!?セブは無事なの?」
「うーん、プロポーズした場所にはぺぺもいたそうよ。けれど、セブは無事だったみたい」
驚くべきことだ。
ペペがセブを生かしておくなんて・・・。
詳しい話は後で聞くことにして、私は再びドアを開けた。
目の前でドアが少し開いて、すぐ閉まるのを見た人とは思えないほど、クラインは本当に何事もなかったように、きっちりと私を待っていた。
「今日は花を持って来られなかったのですね」
クラインは笑いながら私の顔の隅々を注意深く見ていた。
昨日、私は少し憂鬱だった。
それでも、昨日よく眠れたかというふうに私を気にしないのが大人らしくてクラインらしい礼儀だった。
「次はあなたの好きな花を持ってきます。何の花が一番好きですか?」
「そうですね、公爵様から頂いた花は、全て素晴らしかったです。あ、白色以外で。お葬式のお花みたいじゃないですか」
クラインはにこやかに笑いながら手を差し出してくる。
「殿下には了解を得ましたから、今日は何も心配なさらないでください」
彼は育児ヘルパーを探してきた新郎のように話す。
もし私がウォーミングアップしたばかりの新妻だったら、クラインに惚れていただろう。
そうじゃなくても仕事があって外に出ることが出来ないのだから。
世界は再び朝を迎えていた。
シエルは今、何をしているのだろうか?
朝はまだ無惨でむごたらしい。
しかし、夜が再び訪れたその瞬間は、朝の初日差しに輝くシエルの髪の毛を見たかった。
『夜が怖い大魔法使いと朝が怖い異邦人。お似合いだと思いませんか?』
その言葉を聞いた瞬間、思わずシエルの懐に飛び込んだ。
おかしいよね。私は世界中を恐れていたけど、シエルがその話をした瞬間、恐怖を見つけたかのように悲しくなったのだから。
朝を夜に変えるシエル。
大魔法使いというのは伊達ではありませんね!
クライン、ミオ卿、シエルと夜を過ごしたアス。
彼ら全員のアスへの本心が知りたいです♪





