こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は116話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

116話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- あなたの言葉
いつもより早く目を覚ましたとき、ミオ卿はすでにいなかった。
最近、あの騎士はあまりいない。
休暇も使わずに働けというわけではないが、黙っていなくなるのは同業者に対する礼儀ではないだろう。
「アス、そういえば聞いてますか?」
出勤準備をほとんど終えたときに起きたシエルが目を擦りながら尋ねる。
「何も聞いていませんが」
「髪を梳かしてあげます」
すでに梳かした後だが、シエルの目にはクシャクシャに見えているらしい。
「カペラがミオ卿に剣術を教えると言いました」
寝起きだったからなのか、彼の声は枯れていた。
「魔法使いさん、そのスピードだと出社できそうにありません」
「それもいいと思いますが」
「いいえ、よくありません。サラリーマンの基本は勤怠なのですから」
「サラリー・・・マン?」
シエルが聞きなれない言葉を呟いているが、私は無視することに。
「それで、ミオ卿がカペラ公爵の弟子になったのですか?」
「そうではなく、訓練です」
「お二人がそんなに親しい間柄だとは知りませんでした」
この前見た時は喧嘩しているように見えたけど、いつの間にか親しくなったなんて。
「万が一に備えた訓練に過ぎません。ミオ卿は王子様の安全を守るべき人ですから。決して彼と仲がいいわけではありません。分かってますよね?」
「あ、はい」
「私だってミオ卿を訓練させてあげられます。ですが、彼は魔法的な才能が一つもないので、トレーニングしても成果がないと思います。私もミオ卿とトレーニングできるんですよ。できるけど、やらないだけです。だからミオ卿を訓練しているからといってカペラがミオ卿と一番親しい人物ではありません」
こんな風に手厚く愛されていることを、ミオ卿も知らなければならないのに、残念でたまらない。
「ですが、随分早くに出かけられましたね」
「カペラも忙しい人ですから」
確かに。
毎日王宮に出勤しているのを見ると、クラインも働く人なのだろう。
「終わりましたよ」
そう告げると同時に、シエルは私の後頭部に口づけをする。
振り返ってみると、彼はずいぶん嬉しそうな表情をして笑っていた。
「魔法使いさん、こんな風に許可なしにキスをしてはいけません」
「愛する人同士はキスをするものでは?」
「でも私たちは恋人同士ではないでしょう?」
「クラインの奴はアスにキスをするじゃないですか。まさか彼の恋人になったわけではないでしょう?」
「まあ・・・、プロポーズはされましたけど、恋人ではありません」
そんなことがあったこと自体を消してしまいたい。
「アス、私と結婚してください」
シエルがベッドの上で片方の膝をつき、私に手を差し出した。
まだ早朝だったので部屋の照明は点いていないが、部屋の照明はすべて軌道を折ってシエルを照らしているかのようにキラキラと光っている。
心臓に二度目の大釘が刺さった。
「いや、ちょっと待ってください。プロポーズをこんなタイミングで?」
人生の役に立たない二人の男が私をビックリさせる。
敢えて忘れようとした私の悲観的な一番目のプロポーズの思い出に、もうできない二度目のプロポーズまで。
「それじゃあプロポーズはどうすればいいのですか?」
「まずは花を、床に花がなければいけませんね。そして私にも花をくれなければなりません。指輪もないと。公開プロポーズは最悪ですが、何処か綺麗なカフェを借りたり、水の音が涼しい谷のような場所もいいと思います」
なんで私がこんなことを、真剣に説明しないといけないのだろうか?
はっと我に返ると、シエルは真剣な表情で花と指輪を交互に呟いていた。
出勤前から既に疲れたが、話題を元に戻さなければならない。
けれど、彼が社会的な規則や礼儀作法に対して理解できるほど説明できる能力が私にはないので率直に話すことに。
「髪を洗っていないのにキスをしたら私が困ります」
その言葉で、シエルは納得の表情を浮かべる。
何とか説得できたが、私の尊厳性が落ちたこの気持ちは何だろうか・・・。
「夜が明けましたが、魔法使いさんは出勤されないのですか?」
「今日は在宅勤務です」
私も在宅勤務だが、シエルは妙に余裕があるように見える。
いいわね、お偉い方は。
王子を抱いて外に出ると、結構明るい。
アンナの気配がなく探していると、彼女はソファでぐったりしていた。
「アンナ、大丈夫?風邪?」
「暑くて窓を開けて寝たのに、夜中に急に寒くなって・・・」
そうだったんだ。
私にはシエルという自動冷暖房装置があるから気温の変化をよく知らずに暮らしていたけれど、アンナは違う。
働こうとするアンナを無理やり止めた。
彼女が王子様に病気を移す方がもっと怖いから。
王子が私の管理不届きで病気になってユルーゲルが訪ねてくる光景を想像しただけでも恐ろしい。
何度も説得した末、アンナはゾンビのように疲れた動作で、ようやく部屋に戻っていった。
シエルの突然のプロポーズ!
大魔法使いは結婚をしないと言ってた気がしますが、それでもアスにプロポーズしましたね。
クラインがこれを知ったら、彼はどんな反応をするのでしょうか?





