こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は124話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

124話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 深夜の王妃宮
この世界に来てから眠れない夜がよく訪れる。
暗闇の中で目を開けてしばらく耳を傾け、他人の眠っている息遣いを探す。
その中に当然クラインはいなかったし、今日はシエルもない。
初日以降、すでに数日間シエルに会えなかった。
本当に忙しいらしい。
ただ偉い人じゃなくて責任者だからなのだろう。
それなら私たちが王妃宮に帰る日について来なくても良かったのに。
しかし、それはシエルなりの心配と好意の表れだった。
ちゃんと寝ているのだろうか?
ご飯は食べているのだろうか?
到底眠れそうにないのでベッドから起き上がる。
ぐっすり眠っている王子を抱いて、そっとミオ卿のベッドに移した。
王子が目覚めたらミオ卿が面倒を見てくれるだろう。
そう考えて部屋を出る。
王子とこの廊下を歩いた夜を思い出した。
変な日だったよね。
まるで誰かが私を呼んでいるように起きるはずがない時間に目が覚めて、足が外に向かっていた。
暗い廊下を歩きながら王妃を探す。
ひょっとしたら、この夜も彼女は眠れずにいるかもしれない。
けれど、廊下に他の人の気配はなかった。
私は王妃の平穏な眠りを祈る。
王妃宮は冷たくて暗かった。
軽く歩けば眠れると思ったが、歩けば歩くほど目が覚めていく。
むしろ無理にでも横になって羊を数えようかと考えたとき、中央のテラスに向かうドアが開いていて薄いカーテンが揺れているのを発見した。
侍女たちが退勤する前に全てのドアと窓を戸締りするから、あれはその後に開かれたようだ。
王妃宮に夜間警備一つも立てないとき、このような日が来ると予想はしていたが、本当に泥棒が入ったのを見ると困惑してしまう。
入ってきても盗むものが一つもない王妃宮になぜ入ったのか?
一応は侍女長に報告しなければならない。
しかし、体を回す直前、私は窓の隙間から、どこかでよく目にする白金髪を見つけた。
あれほど華やかで煌びやかな色彩は、今までシエルしか見たことがない。
「魔法使いさん?」
小さく彼を呼ぶと、白金髪がするすると動いているのが見えた。
私を発見したようだ。
「アス?どうして寝ていないのですか?」
「魔法使いさんこそ、こんな夜に外を歩き回っていたら危険ですよ」
「私は大魔法使いです。私を害する人は多くありません」
私の部屋でパジャマを着て転がっている姿とは違って、完全に着飾ったシエルに会うことができた。
長いローブを着た彼は、本当に魔法使いのように見える。
「アスは寝ないのですか?」
「眠れなくて」
「私もです」
私が近づくと、シエルが少し横にずれてくれる。
テラスの先に立つと王妃宮が見下ろせた。
王子の部屋にもテラスが付いていて、よく周辺を見下ろしていたが、中央テラスから見るのは初めてだ。
「魔法使いさんは疲れているんじゃないですか?」
シエルは笑いながら首を横に振った。
しかし、その顔には依然として疲れが溜まっている。
「実はアス、今日は私の師匠たちの命日です」
シエルが師匠と呼べるような人々は魔塔の魔法使いしかいないが、彼らは幼いシエルを魔塔に閉じ込めて感情的に虐待した人々だ。
シエルが魔塔を壊したとき、そこから抜け出せずに死んだ人たち、あるいはその前に飢え死にした人たち。
けれど、20年以上一緒にいたシエルにとって、彼らは両親のような存在なのかもしれない。
「後悔していますか?」
「そうではありません。私は大魔法使いとして失敗作ですから、いつかは起こることでした。ただ今日だけは眠れませんね」
私が知っているシエルはもう少し幼い少年のような人だが、大魔法使いとして話すシエルはいつかの夜のように穏やかで大人っぽい魂を持っていた。
社会を学び、人々を交流を始め、感情と感覚を学んでいくシエルは、色々と幼くて不器用だ。
けれど、そんな彼も大魔法使いとして話すときは印象がかなり違う。
「お帰りなさい、アス」
「魔法使いさんも入りますか?」
「いいえ、私はもう少ししてから行きます」
「それじゃあ私もここにいます。この前、魔法使いさんも私のそばにいてくれたじゃないですか」
シエルは月明かりで優しくなった目で私を見つめる。
本当は離れた方が良かったのかもしれない。
しかし、悲しい考えは一人でいる時にするものではない。
私はゆっくりと彼の横に座って膝を抱いた。
寒そうに見えたのか、空中から突然現れたブランケットが私の肩を包み込む。
「あの時はこんな気持ちになるとは思いませんでした」
「魔法使いさん、過ぎたことは考えない方がいいと思います」
「ですが、直面した方が良いこともあります」
シエルにそんなことを言われるとは思っていなかったので少し驚いた。
彼も長い間、このことを考えていたようだ。
「私は仕方がないことは考えない方がいいと思っています」
私の答えに、彼は何も言わず笑う。
少し困っているようだった。
「会いたかったです、アス。あなたとミオ卿と王子様に」
「私もです。どこでご飯を食べているのか心配していました」
「大魔法使いがどこへ行っても食事を取れない職業ではありませんよ」
「この前、過労死しそうだったのに?」
夜のシエルは大人の魅力があって良いですね!
もちろん、昼のシエルも無邪気な感じがあって良いのですが。





