こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は126話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

126話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 私の名前
予想できなかった方向で心臓に剣が刺さる感じだった。
「最初は知らなかったし、その次はあなたが知っていると思いました。アス、大丈夫ですか?」
深く息を吸い込みたいが、胸が浅くなるほど息を拒否した。
大きな嘘をついた時と似たような感覚。
私の名前。
私の名前は何だろう?
私が好きだった人の顔しか思い出せないのは知っていた。
しかし、私はその人の顔より目つきを長く愛していた。
それで彼の目つきだけを綺麗な灰として残し、私の中に刻印してそれだけが残っていると思っていたのだけれど。
その人の名前も思い出せない。
率直に言って、自分の名前を忘れたことより、それがもっと衝撃だ。
神のように呼んでいた名前が消えたのだから。
私の名前は何だっけ?
お母さんは私を何と呼んでた?
まったく思い出せない。
この世界に来た序盤は覚えていたのだろうか。
そうだったはず・・・。
私の名前を知っていたはずなのに、ある瞬間から忘れていた。
「アス・トケイン」がアスになり、それが私の名前であるように感じられた時から私の名前が微かに遠ざかったようだ。
さっきまで涼しかった風が今は冷たく感じられる。
そんな私を水中から救い出すように、シエルが私の肩を握った。
彼は私と視線を合わせてゆっくり、しかし断固として問い直す。
「アス、大丈夫ですか?」
シエルが私に大丈夫かと尋ねた。
大丈夫かって?
当然大丈夫じゃない。
元々大丈夫かという問いは、大丈夫そうに見えない時に出てくる問いであり、私は自分の名前を失ってしまったのだ。
私はどこに行って自分の名前を探さなければならないの?
「私の名前を返してください」
「アス、あなたはもう大丈夫です」
「大丈夫じゃありません。私が大丈夫なのかどうかを魔法使いさんがどうして断言するのですか?」
「あなたは大丈夫です、アス。今あなたの魂はこの世界と融和しています。今は初めて会った時ほど異質的ではなく不吉でもありません。あなたはますますここに根を下ろすでしょう。それはあなたも知っていたはず。だから・・・」
シエルの口から出る次の言葉は、今まで聞いた言葉の中で最も不吉で、聞きたくない言葉だと思った。
何が出るか分からないが、その不安だけは分かっていた。
手を差し伸べてシエルの口を隠そうとしたが、私より彼の方が早かった。
雨の花のように美しい瞳で、彼は私を見ながら口を開く。
「だからこそ、あなたは私に一度も帰り方を尋ねてきませんでした」
憐憫に満ちた目で、美しく純粋だが慈悲を知らない大魔法使いがそう言った。
「魔法使いさんはどれくらい知っているのですか?」
私は月の位置が変わる頃になってようやく口を開くことができた。
シエルは細い息を吐きながら話し始める。
「私は大魔法使いです」
月光を抜いたように青白い手が、私の乱れた髪の毛を耳の後ろに流してくれる。
まだ幼く学ぶべきことが多い大魔法使いは、依然として私を哀れな子供を見るように眺めながら渡した答えは答えになっていなかった。
大魔法使いは神のような存在だから、もしかしたら彼はすでに全てを知っていたのだろうか?
「私の魂がそんなに不吉で異質的なら、魔法使いの皆さんは、私の状態を知ることができるのでしょうか?」
「アス、何が怖いのですか?」
「全てです」
ここで生きていくのも怖いし、帰るのも怖かった。
この世界で私は無事に生きていくことができるのだろうか?
帰った私は、果たして完全に自分なのだろうか?
帰ることはできるのだろうか?
分からないことは全て恐ろしいことだ。
誰かが私を抱きしめて、大丈夫だと言って、赤い絨毯が敷かれた道を見せてほしい。
「そのまま歩いていけば城に着くことができ、そこで私のための舞踏会が開かれている」と言って、私の背中を押してほしい。
そうしてガラスの靴を履いて進むことができれば、これ以上見る夢もなさそうだ。
「アス、あなたはこれからますます安全になるでしょう」
「私が名前を忘れたからですか?」
「魂が分かる魔法使いは多くありません。私のような大魔法使いや羅海の異形の王族、そして黒魔法使いだけが他人の魂を覗き見ることができます」
下手だが、彼のやり方で私を慰めようとしているようだったが、全く慰めにならない。
ここは私の世界ではなかった。
旅行は自分がどれだけ家を愛しているかをもう一度確認するために出発するのであって、移住先を探すために出発するのではないじゃないか。
「なぜ私だったのでしょうか?」
不幸が訪れる時によく使われる言葉を言いながら、私が望む答えを考えてみた。
必ず私でなければならなかった理由があれば、心が楽になるのだろうか。
それとも何の理由もなく災いに見舞われたと言われる方がもっと楽になるのだろうか。
アスの本来の魂がこの世界に定着しているという事実。
元の世界に戻ることは難しいのでしょうか?
大魔法使いのシエルなら、何らかの方法を知っていそうですが・・・。





