こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は127話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

127話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 夢のような言葉
「魔法陣の分析がすべて終わってから分かると思いますが、おそらく・・・」
シエルはあまり返事をしたくないようだった。
「アス、あなたとその体の本来の魂がよく似ていたのでしょう」
おそらくシエルができる限り最も優しい答えなのだろうが、何の理由もないという事と大きく違わない言葉だ。
「私が名前を失わなかったら帰る方法はあったのでしょうか?」
名前を取り戻せば私は戻れるの?
シエルは悲しそうな表情を浮かべていた。
暗くて寒い場所で、彼と私が一緒に道に迷ったような悲しい顔で口を開く。
「アス、私と一緒にここから離れませんか?」
月影のような蒼白な手が私の頬を抱きしめた。
魔法を語る彼の夜は、もっと成長しなければならない昼の彼とは違う。
大魔法使いらしく、堅く孤独で美しい顔でシエルは私に夢を語り始めた。
「領地を一つ得て、そこにあなたのための永遠の夜を作ってあげます。朝が決して訪れない地で、夕暮れと夜の時間だけをあなたに約束します。だから、私と発ちませんか?」
永遠の夜。
永遠に来ない朝。
目を閉じると光の見えない真っ暗な世界。
薄暗い黄昏と安穏な夜だけが続き、明るく残忍に希望を抱けなければならない針が来ない世の中。
何かを始めなくてもいいし、終わることだけを祝福してもいい、そんな場所。
「アス、私にとって夜は悪夢だけの空間ですが、あなたとミカエル王子が一緒なら、私はそこでも生きられそうです。あなたがいる空間には悪夢も訪れません。私たちは幸せになれるでしょう」
考えただけでも胸がドキドキする夢のような言葉。
目を閉じるだけでも、日が暮れる空気と夕焼けの香りを嗅げられそうだった。
だけど、なぜ?
ただ知らないふりをして頷けば良かったのに、頭の中で「なぜ?」と叫ぶ声があった。
大魔法使いが一体私にこんなことを言って何を得るのかと。
「魔法使いさん、なぜ私にそんなことを仰るのか分かりません」
「あなたを愛しています」
シエルは躊躇うことなく私の目を見つめながら優しく告げた。
彼が言った夢のような風景よりも夢のような言葉なので、眠気のような安らぎが一気に壊れる感覚に。
喉から湧き出る「もう一度言ってくれますか?」という言葉を必死に抑える。
この温室生まれの、まだ学ばなければならない感情が山積みの大魔法使いが愛について理解しているのだろうか?
「魔法使いさんは愛をとても簡単に話すのですね」
「愛がいつも重くて難しくなければなりませんか?」
「軽く話すことではないでしょう?」
「それでは私の心は軽いのでしょうか?」
自分の言葉の無礼さに気づく。
私の愛は重くて他人の愛は軽いものではないのに。
けれど、突然のことで戸惑っている。
私たちは愛を話し合う関係だったのか?
「いつからですか?」
私が名前を失ったことと、シエルが私を愛していることの中で何がもっと衝撃的なのか分からない。
シエルは片手で私の頬をくすぐって、もう片方の手で私の手を握って心臓の上に乗せた。
「この中にあなたのために生まれる感情があるということを知った時からです。そして、それがずっと流れていることを知った時から」
「それは多分愛ではないと思いますが」
「なぜ違うと思いますか?」
「それは・・・」
私は一度も愛されたことがなくて、私の愛はいつもつまらなくて格好悪かったから。
シエルは心臓に上げた私の手をぎゅっと押さえる。
私の手の甲を押している彼の手の内は冷たい汗が滲んでいて、心臓は彼の拍動について行こうとする私の息が少し苦しくなるほど、ギリギリに動いていた。
昼を夜にできる大魔法使いでも緊張するんだね。
けれど、彼は笑っている。
現実感のない頭の中でそんな気がした。
月は彼の背後にある。
光に背を向けた彼の目が見えるはずがない。
ところが宝石をすり替えたような彼の紫色の瞳だけは明るく見えた。
「アス、あなたを特異な女性だと思っていました。しかし、特異な女性が特別な女性になることはあまり難しいことではなかったですね」
夜風といっても寒い季節ではないのに、私の頬を触るシエルの手は震えている。
そして、自分の心臓に自分の手を押している手も細かく震えていた。
シエルは笑っていた。
私も笑いたかったが笑みが浮かんでこない。
いつか誰かに切望していた言葉。
シエルは私の手を放して崩れるように私の前に片膝をつく。
「私は永生を生きているので、もう少し待とうとしました。アス、この名前が嫌なら私があなたに新しい名前を差し上げます。あなたが望むなら私と同じ姓を差し上げますが、あなたはそれを望まないでしょうから夜の世界を差し上げます。だからどうか、これから私を愛してくれないでしょうか?」
夜のシエルは大人の魅力に溢れていますね。
シエルの本気の告白に、アスはどう答えるのでしょうか?





