こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は136話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

136話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 耳の穴
「アンナ、私___」
「ここはいいから」
アンナに了解を得てクラインと外に出た。
出る直前、彼が抱いてきた牡丹を一輪取り出して匂いを嗅いでみる。
牡丹は香りがしないというが、それでも生きている花からは微かに良い匂いと生花特有の青々とした草の匂いがした。
「公爵様、もう来る時間を調整しなければいけませんね。天気が暑くなってきましたから」
季節はもう思い違いのない夏。
建物の中にいる時はまだ大丈夫だけど、出てくるや否や空気がグッと首を絞めてくる。
これは人が呼吸できる気温ではない。
そっとクラインの方を振り向くと、この暑さを凌いできた彼は、汗一滴もない平穏な表情を浮かべている。
世の中の人は二つに分類する。
夏に弱い人と、夏にも暑さにも強い人。
私はこの上なく前者だが、クラインは後者のようだ。
この王国は冬が1ヶ月程度しかない短い時期である代わりに他の季節が長かった。
ということは春が長かった分、夏も長いということだ。
私は死ぬかもしれない。
「そうしましょうか、アス?」
クラインに普段の会話パターンを考えると「私は大丈夫です」のような声が出てくると思ったが、彼は堂々と賛成してくれた。
やはり彼も暑かったようだ。
「出勤する瞬間からあなたが懐かしく思えてしまって。朝早くお伺いするのは女性に対して無礼なようなので我慢してきました」
「・・・いえ、日が暮れてからにしませんか?」
もう見終わったミオ卿ならともかく、クラインにはまだ目やにでも私に対する幻想を残したい。
彼が朝早く訪ねてきたら、本当に目やにを見せてしまうと思うから。
私たちはかつてあった半分ほど廃墟と化した噴水代の前で足を止めた。
ここもやはり完全にメテオで破壊され燃え上がったと知っているが、シエルがどのように時間を戻したのか、噴水台は私が最後に見た姿そのままで崩れ、苔が生えた状態だ。
灰色の石の間には濃い緑色の苔がいっぱいだった。
私は噴水代の前に置かれた長いベンチに座り、クラインは私の前に片方の膝を立てて座る。
人がいなくて良かったと思えるほどに、すごく恥ずかしい光景だ。
「アス、本当に大丈夫なのですか?」
クラインが私に心配そうに尋ねる。
たぶん大丈夫じゃないかな?
胸の中から彼がプレゼントしたナヘ女王のイヤリングを取り出し、私は漠然とそんな考えをしていた。
「公爵様を見下ろすのは、ちょっと変な気分ですね」
「嫌ですか?」
「そうではなくて、少しおかしいです」
自分の手で箱を開ける。
真珠とトパーズに似た宝石で飾られた可愛らしいイヤリングだが、そのあらゆる騒動にもかかわらず、きちんと磨かれていた。
羅海の女王に代々受け継がれてきた理由も分かる気がする。
華やかで、格調高く、それでいて可愛らしい。
このイヤリングも女王の耳から落ちた時、自分の終着点が他国の乳母の耳につけられるとは思わなかったと思うけど・・・。
「とても綺麗です。でもやっぱり私に似合う物ではないですね」
「アス、私は初めて見た瞬間からあなたに似合っていると思ったのですが」
え、ま、まあ、褒めてくれるのは嬉しいけど、それでもある程度だよね。
なかなかの美人でなければ、このような派手な品物が似合うのは容易ではないはず・・・。
このように明るいと、私よりもユルーゲルによく似合いそうだ。
クラインが片方のイヤリングを手にした。
箱を握っていた私の指の横を暖かくも冷たくもない彼の肌がそっと通り過ぎる。
しばらくの間、彼の視線が重なった私の手に留まっていた。
緊張して握っているように見えたかと思い、さっさと手を緩める。
「アス、少し痛いと思います」
「公爵様は耳に穴を開けたことがありませんよね。どうして知っているのですか?」
そっと笑いながら尋ねると、クラインは少し困った表情でゆっくりと話した。
「耳に穴を開けたことはありませんが・・・」
後ろの言葉は言わなくても分かる気がして頷く。
彼がどんなに強い剣士であっても、あれだけ戦場を駆け巡っていたら一度以上は穴が開いただろう。
私の世界にいる時、私は耳に穴を開けた。
血はあまり出なかったが、耳に穴を開けた瞬間から腫れ上がり、結局は2年以上苦労した記憶がある。
アスと私は顔と体がほとんど同じだけど、そんな部分まで似ているのかな?
今回も耳が腫れたら、すでに解いたセヤのリボンや一度も解いたことのないミオ卿のブレスレットが要らない証になるかもしれない。
私の世界でも2年間耳たぶに血が溜まった苦痛を忘れたことがないからだ。
今回のクラインの訪問は、アスの耳にピアス穴を開けるためなのですね。
この世界ではどのように穴を開けるのでしょうか?
ピアッサーのような物はないと思いますし・・・。





