こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は147話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

147話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 二人はそんな仲
私はセサールを見た。
灰色の髪が日光に煌めく部分が銀色にも見える。
青灰色の瞳はクラインと似ているが、クラインより少し青みが少なく、さらに濁った色。
背が高くて世の中の全てに不満があるように眉をひそめて私を見ている人。
この人を、アス・トケインが愛した。
もしかしたら彼もアスを愛していたのかもしれない。
蛇のようだという男が見せる不思議な温もりと余白を見る度にそんな考えが浮かんだ。
しかし、それが何の関係があるのだろうか。
彼は3年前に結婚し、2人の間には越えられない身分の差もあった。
その時点で、二人はどれだけ同じ心を持ってお互いを見つめていたとしても、決して手を握ることのできない世の中に立っていた。
アス・トケインが持っていた、決して手が届かない男女のオルゴールのように。
二人はそんな仲だった。
私はセサールをじっと見つめる。
彼も私の背後に何も見つからなかったので、私の方に視線を戻した。
「魔法陣はまだかな?」
「その魔法陣が何なのか、ご主人様はご存じですか?」
セサールは答えなかったが、それが肯定だ。
彼は少なくとも私が知っていることだけは知っている。
「それがご主人様にどれだけ役に立つのか分かれば、私はもっと役に立つと思います」
「君は考える必要はない。私の言うとおりにしろ。それが何であれ」
魔法陣を探すことが特に危険度が高いことではないことを、今の私は知っている。
しかし、普通は王妃の宮殿を一生懸命見回せということは、出て行けということだが、セサールは冷たい言葉を当たり前のように言った。
私は恋をすれば、それが体に刻印されると思った。
たとえ記憶を失ったり魂が変わっても愛する人を見れば、私の心が感じる前に体が先に反応すると。
けれど、今私の体はセサール・カジックを見ても平穏なだけだ。
私はこれが少し悲しいと思う。
可哀想なアス・トケイン。
君の愛は何も残せなかったね。
3年前、イディカ・カジックが亡くなり、セサール・カジックは結婚した。
クラインもセサールも話せていない時間がある。
言えない時間かもしれない。
彼らが結婚し、喪失を忘れている間、アスも一人だった。
彼女も大切だったはずの存在を失い、下手な恋心は終わる。
けれど、アス・トケインが一人だった時間を誰も私に話してくれなかった。
彼女はその時間をどのように過ごしたのだろうか。
今や彼女の顔をして彼女の名前を書くようになった私は、誰も気にしていない彼女の時間が気になっている。
「魔法陣、あるいはそれに準ずる魔法が王妃宮にある。それを証明できれば、私は願いを叶えることができる」
「その願いがご主人様を幸せにするのですか?」
どうやら王妃を没落させることを言っているようだが、それがセサールの幸せなのだろうか?
彼は杖を反対側の手に取り直した。
「長い間歯を食いしばって望んだことだ」
アスは、なぜこの男を愛したのだろうか?
蛇のように冷静で、乱暴で、目下の人を人とも見ない傲慢な人を。
私は到底アスを理解できない。
しかし、この男はアスを拾い、「アストリッド」という名前を与えた。
美しい名前だ。
その美しい名前でアスに人生を与え、彼女が足を踏み入れる場所を与え育てた。
もしかしたら、それが愛なのかもしれない。
「ご主人様」
セサールは眉をひそめずに私を見る。
彼を見て心臓はドキドキしなかったが、稀に平和な彼の顔が私の目にも美しく見えた。
アスは、こんな彼の顔をたくさん見たのだろうか?
だから愛したのだろうか、この傲慢で誰も愛していない男を。
「私はあなたのことが大好きでした」
願わくは、アスが以前にもこれを言ったことがありますように。
セサールは答えなかった。
だからといって、嫌でたまらないという表情を浮かべていない。
投げられた石を飲み込んだ湖のように、静かに私を見ている。
驚かないんだ。
そんな感じがした。
アス・トケインがセサール・カジックの告白したかどうか分からないが、その気持ちを彼が知らなかったという感じだ。
片思いでも愛は愛。
隠そうして隠れるものではない。
私の愛も私の周りの人はもちろん、その人の周りの人たちも皆知っていたし、その人も知っていた。
隠しておいて私一人で見ようとした愛だったが、いつの間にか皆が知っているように噂になっていた。
セサールもそうだろう。
自分が拾って名前をつけて育てた女の子の心一つを覗くのは、そんなに簡単ではなかったはずだ。
自信はないが分かるような気がした。
「アス」
彼が私を呼ぶ。
彼の「アス」はどんな意味なのだろうか?
不思議だ。
クライン、ミオ卿、シエルそしてセサールまで。
彼らが歌う「アス」は皆同じ感じではない。
アスの心情は、ちょっと解釈が難しいです・・・。





