こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は153話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

153話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 王子様の傷跡
念の為、再び4階に戻る。
王子様の部屋のドアを開けると、ユルーゲルが王子様を抱いていた。
低くて柔らかい子守唄を歌っているユルーゲルは幸せそうな表情を浮かべている。
王子様を見るといつものように、彼は光のように笑いながら子守唄を聴いていた。
ユルーゲルが私を見て微笑む。
以前より痩せたようだが、代わりに活気が見えた。
「ずっとここにいらっしゃいましたか?」
「うん」
「ですが、さっきドアを開けた時はユルーゲル様も王子様もいらっしゃらなかったのですが」
「見間違えだと思うよ」
大人の男性のサイズを見間違えるはずがないのだけど・・・。
私はユルーゲルの顔色を伺いながら、ゆりかごに横たわっている王子をチラリと見た。
王子様は寝る時間でもないのに眠っている。
そしてゆりかごの端を掴んだ私の指に挟まれた指輪が微かに光を放つ。
さっきの3階のように手で隠さずには光を見分けることもできない非常に微かな光だったが、明らかに光が差していた。
この指輪は魔法に反応すると言ったが、3階の魔法陣にまだ反応しているのか、それとも・・・。
私はユルーゲルの方を振り返る。
「何?」
窓から光が溢れていた。
その光に背を向けて立つユルーゲルは眩しいほどに美しい。
そして窓の外から彼の美しさを飾ろうとするかのように大きな翼が広がる。
今では全く変に見えない羅海の王族がユルーゲルに後ろで羽ばたいていたのだ。
「先に帰ってて」
羅海の王族は私を見てニッコリ笑う。
彼はもう私が宴会場で初めて見た姿ではなかった。
翼さえなければ背の高い平凡な人のように見える。
燃える金属のようだった瞳も、今は少し光沢がある程度に見えた。
彼が遠ざかるにつれて指輪の光もゆっくりと消えていく。
どこに行ってきたんだろうか、あの羅海の王族と一緒に。
「指輪」
はっと気がついて反射的に手で指輪を覆う。
「誰から貰ったの?カペラ公爵?大魔法使い?」
「どちらでもありません」
「君は本当に運がいいね。そして才能もあるし凄いよ。私は大変だったけど、君は大変そうには見えない」
私は一生懸命生きてきた。
世間の前で堂々と自分が善良な人間とは言えなくても、自分が熱心に生きてきたことだけは自信を持って答えられる。
そうじゃない?
私たちは皆一生懸命生きているのだから。
それぞれが様々な立場で頑張っているんだ。
けれど、絶対的権力の前なので、口を閉じてテーブルの上に置かれたブラウニーをユルーゲルに差し出す。
「これ召し上がってみますか?私が作ったものなのですが、美味しいですよ」
彼は同じ笑顔で私を見た。
たまにユルーゲルの笑顔が仮面のようだと思う時がある。
彼は気分が良くても笑い、気分が悪くても笑った。
そして私が見たところによると、エバンスといる時も笑顔のキメが大きく変わることはない。
「アス、何度も言ったけど、私は君のことがかなり好きなんだ。だから言ってるんだよ。分からないことは分からないままにしてもいいんじゃない?」
実は私もそう思う。
分からないことは分からないままにした方がいい。
だけど・・・。
「分からないことを知らないままにしておくと、人が愚かになったり馬鹿になったりするのではないでしょうか?」
「絶望的なうつ病患者よりは幸せな馬鹿の方がマシじゃないか」
ユルーゲルは笑いながら小さく切って半分食べたブラウニーの破片を窓の外に投げた。
「君は料理をしない方がいいね」
美味しくなかったのか!
「アス、これは本当に君のために言っていることだよ」
ユルーゲルが帰った後、窓を開けて部屋の中を換気した。
正直塩をかけたい気持ちなのに、王子様はユルーゲルに手を差し出したように私にも手を差し伸べながら笑う。
「王子様、今度ユルーゲル様が来たら泣いてくださいね」
そっと頬をつねっても王子様は嬉しそうに私の手を掴もうと手を伸ばしている。
「あれ?王子様、これはどうしたのですか?」
王子様の小さな手のひらに切られたような傷と血痕が残っていた。
誤って引っ掻かれたのとはハッキリと違う刃物を当てた跡だ。
なんてこった。
ユルーゲルが王子様を可愛がっているように振る舞っておいて、裏では虐待していたのか!?
こんなに小さい子供にどうしてナイフを当てることができるの?
王子様の養育権が順調に進まず、八つ当たりしたのか?
怪我をしたにもかかわらず、王子様は腕を力強く振りながら明るく笑っていた。
顔に涙の跡のようなものも見られない。
「王子様、今度聞いてみますね」
王子様は私の言葉をあまり理解していないようだ。
もちろん、ユルーゲルと二人きりにならないように自分で気をつけなければならない。
アスの手作り料理をユルーゲルに渡し続けたら、彼も会いに来なくなるのでは?笑笑
ユルーゲルの笑顔が常に変わらないということは、エバンスと一緒にいる時も嫌な時があるということですよね。
王子様の傷跡が気になりますね・・・。





