こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は154話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

154話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 生チョコレート
「ミオ卿、甘いものは好きですか?」
「君が作ったものは全部嫌いだ」
「ミオ卿はチョコレートが好きそうですが、意外ですね」
湯煎中のチョコレートとミオ卿の髪色は同じだ。
それでミカエル王子はミオ卿の髪が特に好きなのかな?
王子の部屋には哺乳瓶を温める時に使えという意味で簡単な調理道具が用意されている。
私は湯煎されたチョコレートをかき混ぜた。
「魔法使いさんは?」
「甘いものも苦いものも全部好きです」
「魔塔には甘いものが無いと仰っていましたよね?」
「正直に言って、魔塔の食事は何の味もしませんでしたから」
シエルは苦笑いしながら言った。
昔の中世修道院などでは感覚の贅沢を警戒するために食べ物の味なども節制すると聞いた気がする。
しかし、断言するが、魔塔でそのようなことが制限されたのはシエルだけだろう。
以前は「そうなんだ」と話を聞いたが、今は私の胸が痛む。
湯煎したチョコレートを型に入れて覗き込むと、シエルが私の表情を見てくる。
王子を抱いたまま近づいてきて優しく私の髪の毛を撫でて、王子の顔を私の頬の方に押し込んでキスをさせ、もう片方の頬には彼がキスをした。
最近シエルのスキンシップが増えたが、状況が曖昧で指摘するのが難しい。
私を慰めようとする彼の意図が嬉しく、最初とは違って他人、特に私を考えて思うその心が嬉しい。
「アス、出来たのですか?」
「このまま冷やしてからパウダーで転がせば終わります」
早く固まってほしい。
クラインは甘いものが好きだったっけ?
この前食べたのを見たから、渡したらとりあえず食べてくれると思う。
ミオ卿は、この前私が持って行った弁当が本当に良くなかったと言った。
じゃあ、食べない方がいいかな。
しばらく経ってから分かるようになるから無理に食べさせたようで本当に申し訳ない。
だから謝罪がてら、これを持っていくつもりだ。
デザートはいつも失敗しないよ。
「チョコレートが出来上がりましたが、召し上がってみますか?」
私は皿の上に、パウダーを塗したパヴェチョコレートをいくつか載せた。
シエルが先に手に取り、ミオ卿は不審そうに眉をひそめながらも、一切れを手にした。
「これの名前は何と言うのですか?」
「生チョコレートです」
私も一切れ口に咥える。
柔らかくてほろ苦い。
私が覚えている味だ。
これが懐かしかった。
「うぐ!」
「うん・・・」
しかし、似たような生チョコレートの欠片を口に入れたシエルとミオ卿の反応は私と違う。
なんで?
「すごいね、アス。どうやって苦みと甘みを一緒に感じさせるの?」
「うーん、私の口には少し・・・」
この世界にチョコレートがなかったわけではないから、チョコレートを初めて食べたヨーロッパ人のように、これが悪魔のデザートのように感じられないはずなのに、なぜあんな反応をするのか分からない。
チョコレートは元々こんな味だ。
苦くて酸味がある。
「お二人は子供舌なのですね」
「アス、ザラザラした粉をたくさん噛んでいるのですが、これは何の粉ですか?」
「パウダーですか?リンゴの木の皮をすりおろしたものです」
実際、私が見たあの木がリンゴの木なのかどうか分からないが、おそらく合っているはずだ。
シエルとミオ卿の顔が青白くなった。
クラインにプレゼントで持って行くけど、二人にもっと欲しいと言われたらどうしようかと少し心配してたけど、そんなことはないだろう。
まさかクラインもイマイチだと言わないよね?
おかしい。
この世界の食べ物は私の口に合っているから、私の味覚も普通のはずなのに。
「ミオ卿、今日はカペラ公爵に会いに行かないのですか?」
「三日に1日は休む」
確かに、毎日のように殴られるわけにはいかないよね。
荷物をまとめて振り向くと、シエルが王子の短い腕を掴んで振っている。
ミオ卿も手を上げたので、私も手を振ってあげた。
蒸し暑い夏。
まだ真昼は暑いが、そろそろ朝と夕方は気温が我慢できるくらいに変わっていた。
晩夏らしい。
来月くらいになると、こっそり秋と呼んでもよさそうだ。
秋が過ぎると私はこの世界のあらゆる季節を経験することになる。
初めてここに来た時は冬が変わる頃だったから。
「アス」
クラインのいる騎士団の事務室に案内されて入ると、執務室のような場所でクラインが私を迎えてくれた。
見慣れた顔の副官二人が別の机に座っており、クラインが座っている大きな机にもショルおが山のようにではなくても2冊ずつ積まれていた。
見慣れない場所でクラインを見慣れない姿で見ると、何だか変な感じだ。
「約束なしに訪ねてきて申し訳ありません」
「私の全ての時間はアスのものです」
クラインは普段こんなことを言う人ではないのだろう。
ヴィンセントとギルバート、二人の副官が驚愕した目でクラインの顔色を伺い、素早く私の顔を再び覗いて通り過ぎた。
アスの味覚がズレているとは思えませんが、相変わらず料理を作るときだけは何か変ですよね。
まさか、パウダーにリンゴの木?を使用するとは・・・。
今回はクラインだけではなく、二人の副官も食べることになるのでしょうか?






