こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は22話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサル・カジック:伯爵。

22話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 生存共同体
何処かから楽しい音楽が聞こえてきて、人々の表情も明るかった。
屋台には私が初めて見る食べ物が多く並んでいる。
数日間に見た昼の光景よりも多種多様。
ちょっと悩むな。
どうせミオ卿がすでにエリーとアンナに賄賂を買っているのだろうけど、私も別で彼女たちに何かを買った方がいいのだろうか?
この前はデザート類を買ったので、今回は食べ物以外の方が良いはず。
けれど、今の私には何も思い浮かばない。
「昼間は何をされていたのですか?」
「見物。それと考え事」
「何を考えていたのですか?」
見物には興味がなさそうなミオ卿。
「お前がどうしてこんなものを見たがっているのか理解できない」
「尊重してください。好きなのですから」
確かに夜市は、ちょっと可愛らしいものが多い。
昼にセヤと歩き回った時は、射的のようなダイナミックな店もあった。
けれど、夜市は食べ物や煌めく品物しか目に入らない。
「でも私を迎えに帰ってきたのを見ると、一人で見るのが面白くなかったようですね。図星ですか?1ヶ月間、子育てを共にし、ミオさんも私に愛情たっぷりのようですね、モテモテで困っちゃいます」
「確かにそうかもしれないな。私とあなたは生存共同体なのだから」
誰かと一緒に暮らすと、こんなにも厚かましくなれるのね。
ミオ卿はからかう様子もなく、「生存共同体」という言葉を口にした。
子供の頃に住んでいた町には、毎年桜祭りが開かれていた。
私は両親の手を放して走り回っていたことを思い出す。
そんなに変わらないはずなのに、ここで面白くなく暮らしているせいか、だんだん気分が良くなってきた。
- ミオ卿の心
ミオ卿が何度も走らないように注意してくれたけど、気になるお店を見つけるたびに、私は走るのと大差ないスピードで歩き回っていた。
「アス・・・」
そんな私の様子を見て、彼がため息を吐く。
そうしているうちに人波に押されて、私は倒れそうになる。
「あれ?」
フラフラした瞬間、後ろでミオ卿が私の腰に腕を巻いて抱き締めていた。
「そうやって走ると転ぶ。さっきから言ってるはずだが?」
近くで見るミオ卿の瞳は、普段より緑色が多く見える暗緑色だった。
私は感謝の気持ちを込めて、彼の手の甲を軽く叩いた後、腕をほぐしながら話した。
「ねえ、今日は花火もするそうですよ。向こうの話を聞きました」
「盗み聞きか?」
「勝手に聞こえたのです。私は耳が良いから」
「あなたは花火が好きだと思った」
「え?聞こえませんでした?何と仰いましたか?」
少しアクセサリーを見ていたのでミオ卿の話を聞き流してしまったが、彼は教えてくれなかった。
もともと好き嫌いの分からない人だが、それでも王子と一緒に王室にいるよりは気分が良さそうに見える。
「気に入ったものはないのか?」
見物を繰り返していると、ミオ卿が尋ねてきた。
「いいえ、全部綺麗ですよ。ですが、私はお金がないので」
私の給料はどこに保管されているのだろうか?
本当はメイド長に確認したいが、ここ数日はあまり機嫌が良くない。
「こんな場所で記念すべきものは買わないです。どうせ、箱の中に置いて二度と取り出したりしないのだから」
「アス」の引き出しの中にあったオルゴールもそうだったのかな?
彼女の目的も単なる収集だったのだろうか?
「そうか。それなら、私も何も買わない方がいいな」
彼も何かを選んでいるように見えたが、ミオ卿が望む完璧なものは見つからないだろう。
当然だった。
この世のどんな宝物であったとしてユルーゲルが付ければ完璧に見えるのだから。
「ここにあるものの中で、その方に似合うものはないと思います」
「ああ」
しかし、彼は何かを考えて、一つのブレスレットを購入した。
ユルーゲルのことを考えるとそれは非常に粗末なものに見える。
たとえ美しく貴重なものだとしても、彼がユルーゲルにプレゼントできるはずがない。
しかし、プレゼントできないものを買うミオ卿の心が、私にも少しだけ痛く感じた。
- 花火を見に行こう
ミオ卿がユルーゲルに惚れた理由を、私はまだ知らない。
恋に落ちるのに理由などないかもしれないが、私は彼がよりによってユルーゲルを愛している理由を知りたい。
ミオ卿の手を握って露店が広がる区域を出てきた。
「お腹空いてないですか?ちなみに、私はお腹が空いています」
ミオ卿は夕食の直前に私を引きずってきた。
従って、彼が「私の飢え」の責任を負わなければいけない。
ミオ卿はニッコリ笑って何を食べたいか聞いてくれた。
お言葉に甘えて、さっきからいい匂いのする肉の串焼きと果物の串焼きを選んだ。
「そろそろ花火の時間だ」
彼は意外にも、私と並んで歩きながら串焼きを自然に食べていた。
海辺の小さな村の話をしたのを見ると、彼も特に高い身分ではないようだ。
「花火が終わったら、私たちは帰らないといけませんね?」
「そうだな。ここを一周したら、もっと気軽に見物できる場所があるから案内しよう」
「じゃあ行きましょう」
食べ終わった果物の串を適当に捨てて、服で手を拭いた後、ミオ卿の手を取って歩いた。
何も考えずに前に歩いてみると、道案内をするはずの彼はその場で立ち止まっていた。
しばらくして、彼は私の手を動かして前に出る。




