こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は23話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサル・カジック:伯爵。

23話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 花火の見える場所
広場から遠くない場所に、捨てられた城壁があった。
人口が増えるにつれて王城も拡張工事を何度も行なったが、その最中に崩れて捨てられた昔の痕跡のようだった。
視野が空いていて花火を打ち上げればよく見えるような位置。
私はそれが嬉しくて、城壁に座った後、スカートの裾をできるだけ引き寄せた。
「お座りください」
ミオ卿は私のドレスの裾を掴んで壁の上に座る。
私の好意を!
服に土がつかないように、私のドレスを犠牲にしたというのに!
間もなくして、私たちの目の前で色とりどりの模様の花火が打ち上げられた。
美しい色が夜空を満たしていく。
私は火花が散るたびにぎくりとしてしまう。
昔から花火には近寄れなかった。
もしかしたら頭上に火が落ちるのではないかと心配していたから。
「アス」
「え?」
「あれ、遠くで爆発するんだ」
「はい」
「アス」
「はい」
「安全だから」
「はい」
ニッコリ笑って、片手はミオ卿の腕の裾を掴み、もう片方の手は冷めてしまった肉の串焼きを口に入れた。
「夜市を見たがってたじゃないか、どうだった?」
「脱出記」にはここの描写はあまり描かれていなかった。
花火は華やかだったが、想像していたよりも怖かった。
「・・・楽しかったよ」
すべての嘘が悪いわけではないので、私は笑いながらそう話すことができた。
- side クライン・カペラ
遅い時間に訪ねてきた客は、何時間も動かなかった姿勢を緩め、窓の外を眺めた。
王子を見ていたメイドたちもホッと息を吐く。
お祭りの最後の日に花火が始まった。
黄色く白っぽい光が部屋の中を照らし、クライン・カペラの鮮やかな赤い髪を照らす。
長い間待っていたが、彼も宮殿を離れる時間だ。
クライン・カペラは立ち上がり、ドアの方へ数歩歩く。
彼は自分が持ってきたスイセンの花束をテーブルから持ち上げた。
まだ水気を帯びている美しい花を、彼はしばらく眺めていた。
「むちゃくちゃだな」
その言葉を残して、クラインは花束をテーブルに投げるように置いてドアを開けた。
彼がいなくなってやっと、メイドと護衛騎士たちは、長く大きなため息をつきながら胸を撫で下ろした。
- side セヤ
「アス・トケインという新しい乳母はどうなんだいだい?綺麗?」
毎朝王妃宮に出入りすることを隠していなかったので、誰かが聞いてくるのは予想していた。
しかし、あまり親しくない先輩がこのようなことを聞くとは予想もしなかった。
セヤは落ち着いた様子で、完了した書類を整理する。
「そうですね」
「じゃあ綺麗ってこと?それとも違う?」
「先輩からそんな言葉を聞くとは思っていませんでした」
「じゃあ、何を聞くと思ったんだい?」
強いて言えば、間抜けか頭がいいか、利用しやすい性格かどうか、程度を聞いてくると思っていた。
それだったら驚かなかっただろう。
李先輩は下級貴族出身で、露骨に出世志向的な人だったから。
そんな姿を悪いと思う気はしないが、時々困っていたのも事実。
「それで?綺麗?」
「彼女は・・・」
綺麗なのだろうか?
セヤの頭の中には、いつも疲れ切っている姿だけが残っている。
目はいつも真っ黒で、髪の毛はボサボサで、顔と手は睡眠不足でむくんでいた。
「可愛いですよ」
「美人ではないということだな?」
どうしてそう繋がるのだろうか?
最初の出会いでも、アス・トケインはあまり美人という印象ではなかった。
彼女は多少礼儀正しくない言葉と変わった面貌を不快に思わせない女性で、今出来ることに一生懸命取り組む人。
「彼女が美人であることが、先輩にとって重要なのでしょうか?」
「重要さ。将来、私の連れ合いになるかもしれない女性なのだから」
セヤは4秒間笑顔を保った。
「婚約者なのですか?」
「違うよ。彼女は今、全ての非主流貴族、男たちのロマンだ。お前もそう思うだろ?」
下級貴族に生まれて出世を志向するのは当然のこと。
けれど、こういう風に自分の欲望を正当化するために、他人を同じレベルに引き下ろすのは愉快ではない。
「乳母さんって、実質的な権力と地位のある位置ではないじゃないですか?」
「しかし、若くて孤児じゃないか?」
(彼女は孤児だったのか)
それ自体は珍しい背景ではない。
「あれほど若くて元気なのだから、王子様が王冠を被るまで生きているだろうし、孤児だから自分の派閥や政治色もないだろう。どこにでも引き込むことは出来るさ」
しかし、今は状況が曖昧だった。
王妃が王子の教育に全く影響を及ぼさない状況で、彼女はもしかすると次期国王の政治色を変えられる女性なのかもしれない。
未来の重要な鍵となり得る存在。
このような形で、他人が自分の価値を決めることを、彼女はどう思うのだろうか?
(案外と喜ぶかもしれないな・・・)
「もう一つ、王子の護衛と密接な関係らしいが、それは本当なのか?」
「そんなことを一体どうして知っているのですか?」
「メイドたち」
慢性的な人手不足のせいで職務教育がまともに行われていない王妃宮のメイドたちは、他宮所属のメイドたちよりも口が軽い。
この短い会話で、セヤはこの先輩が嫌がられる理由を分析する機会を持つようになる。
「私は知りません」
「護衛騎士と付き合っていると思う?私にはチャンスがないかな?どう思う?」
それが昨日の話だ。




