こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は26話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサル・カジック:伯爵。

26話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 形見
え?
聞きまちがえかな?
形見?
私の人生で、女に見えないと振られたことはあるが、形見になるとは想像もしていなかった。
今の私の精神ならどこまでも飛んでいけそうな気がする。
「形見ですって?」
「それとも同じ人を懐かしむ未亡人と言いますか?意味は同じです。私もあなたの遺品ですし、彼女のことを思い出す未亡人なのだから」
もっと酷くなる。
「未亡人」というあまり愉快ではない単語。
「アス」は未婚なのに、どうして未亡人?
そして、私は「彼女」の形見のようだ。
その彼女は誰?
この国に情報ギルドみたいなのがあればいいのに。
どこに保管しているか分からない私の給料を全部使ってでも、クラインの彼女が誰なのか調べて欲しい。
こうなると予想していたから、早くクラインを切ろうと思っていたのに。
こうなった以上、何とか「彼女」の正体を突き止めなければいけないわ!
むしろ「実は記憶喪失なんですけど」と言えば良かった・・・。
「私も彼女が懐かしいです。しかし、今の私は王子様の乳母です。小さな王子様は今、私しか頼れるところがありません」
「ミカエル王子が大事になったのですか?」
正直、分からない。
イライラすることだって多いし、私が王子を愛することは想像できない。
でももしかすると、この世界に生き残っていれば、王子を愛するようになることはなくても大切になる日は来るのかもしれない。
「私は王子様の乳母です、伯爵様」
クラインの瞳が一瞬だけ銀色に輝く。
「では、私が王子とあなたを守ります」
なぜ?
「脱出記」にはあなたはいなかったはず。
「レディーが黄昏の中で死んでしまったので、あなたにレディーの誓いは立てません。しかし、騎士の名誉にかけて約束します。受けていただけますか?」
原作が変わる可能性があるのだろうか?
「守れますか?」
「私はすでに、あなたのために戦争に行きました」
「守られますか?」
「名誉は王子様のために、この命はあなたのために使います」
クラインは膝をつき、私に手を差し出した。
これまでの人生で存在しなかった騎士が降臨したかのような姿。
躊躇っていると、カサカサ音が聞こえてきた。
誰かが私たちを呼びに来たのだろうか?
しかし、すぐに姿を現したのはユルーゲルだった。
- クラインとユルーゲル
「こんにちはカペラ伯爵。あらまあ、立ち上がってください。服が汚れますよ」
笑いながら近づいてきた彼は、私が握っていない手を取り、クラインを立ち上がらせた。
クラインはすぐに手を振り解き、一歩後退する。
少しだけ残念だった。
しかし、私たちの会話はこれで終わり。
本当はもっと色々知りたいけど、今回のような機会は二度とないだろう。
「ミカエル王子様に会いに来たんだけど、アスがいなかったから。ここにいるって聞いたから、君を探しに来たんだ」
「わざわざお越しくださりありがとうございます、ユルーゲル様」
片方はクライン、もう片方はユルーゲル。
私のストレスがとてつもない・・・。
クラインがユルーゲルの事を嫌っているのは明らかだ。
「エバンスはカペラ伯爵に会いたいと思っているでしょう。戦争中、ずっと心配していましたから」
「陛下にご心配をおかけしましたね」
「エバンス卿の帰還をどれほど喜んでいるか分からないでしょう?」
「ええ」
「今、帝宮にいますが、一緒に行きませんか?」
ユルーゲルが愛らしい表情で誘う。
その宮というのはもともと王妃宮だったが、ユルーゲルの一言によって奪われた。
クラインは短くため息をついて、私に言った。
「そろそろ行きますね、アス。またお会い出来るまで、お元気で」
「あ、はい。伯爵様もお元気で、またお会いしましょう」
てっきりユルーゲルについて行くと思っていたのだが、クラインはそのまま背を向けて、素早く消えていった。
一人で。
- ユルーゲルの魔性
このまま首を回してユルーゲルがどんな表情をしているのか気になるけど・・・。
「お前、人気あるよね?」
顔を上げられずにいると、彼が軽い口調で話しかけてきた。
良かった。
そんなに機嫌は悪くなさそうだ。
「まあ、私はユルーゲル様のような美しい方と違って、面白いだけですから」
「ああ、その通りだ」
大丈夫、こんなことでプライドは傷つかない。
彼が綺麗なのは事実なのだし。
「あの日、君が突然いなくなって残念だったよ。もっと面白い姿を見せてくれると思っていたのに」
「え?私を見ていたのですか?」
「うん、あの日の最高の見どころは君だったしね」
「・・・次は期待に応えてみせますね」
「そうこなくっちゃ。それと、乳母の君がいなくてミオ卿が一人でミカエルを連れて行こうとしてたよ」
「ミカエル王子様ですか?」
「うん、ミカエル」
「あ、はい」
「君と殿下の前でだけ呼ぶのだから、二人だけの秘密にしてくれる?」
本来なら不経済なのだが、ユルーゲルが言うと無礼な感じがしない。
彼の真の魔性は男たちを征服する魅力にあるのではなく、何を話しても悪意を感じられないところではないだろうか?
「それより凄いね、アス」
「何がですか?」
「クライン・カペラ」
ユルーゲルが私たちの会話をどこから聞いたのか分からない。
けれど、私と王子を守るというクラインの言葉は誤解の余地がないとも言い難い。




