こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は27話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサル・カジック:伯爵。

27話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ユルーゲルの疑問
「不思議だよね」
ユルーゲルが突然立ち止まり、私の方を振り向いた。
彼が立ち止まった場所には背の高い木が立っていて、その間から日差しが漏れていた。
日差しは彼の金色の髪の毛を照らし、ユルーゲルはとても美しかった。
「脱出記」の作者は怠慢していたのかもしれない。
作者はBLというジャンルを認識し、男性の方に重点を置いて彼の魔性を描写した。
ユルーゲルの美しさに酔うのは男女問わないはず。
私の目にも彼は美しかったから。
「綺麗でもないのに、どうやってカペラ伯爵の関心を引いたのか分からないな。見てる分には面白いし、悪いところも見当たらないのだけど、綺麗なところもないし、個性もないし、魅力もないし」
あれ?
こいつ、私の自尊心を叩こうとしている?
お前、この野郎、そんな暴言を優しい口調で言わないでくれる?
「私もそれほど馬鹿ではないのですが、ユルーゲル様」
「それは知ってるよ。むしろブサイクだったら、ブサイクの需要があるはずなのに、君は・・・」
「ですが誤解しないでください。私たちは別に何かあるわけではないので」
「そうだね。さっきのカペラ伯爵の言葉って、あなたにプロポーズしたわけではないよね?」
会話を振り返る。
誤解の余地がないわけではないが、プロポーズではなさそう。
私がうなずくと、ユルーゲルは可愛い態度で私の頭を撫でた。
まるで犬のように。
頭の中がごちゃごちゃだ。
クラインの「彼女」は誰なのだろう?
それにしても、「彼女」と「アス」の関係は?
そして、原作は変えられるのか?
「脱出記」にクライン・カペラの介入はなかった。
彼が本当に、王妃の救援者になれるのだろうか?
- 全力疾走
「アス、準備して」
エリーの話を聞いて、ブーツの紐をギュッと締め付けた。
制限時間は1時間半。
ここから到着地まで全速力で走った場合、約30分の距離。
かなりギリギリだが、私は挑戦しなければならないのだ。
「心配しないで、私たちは2時間までは出来るから。だから・・・、いってらっしゃい」
我々はすでに限界だった。
育児の才能を持つエリーの全面的な支援にもかかわらず、相手は王子なので、彼女だけに頼るわけにはいかない。
経験豊かなエリートの乳母が来る様子もないので、我々は自力で成長しなければいけないのだ。
そのためには、せめて育児の本が必要だった。
セヤが図書館の貸し出し証を手に入れてくれた。
王子に哺乳瓶を咥えさせているアンナの励ましとともに、エリーが砂時計をひっくり返す。
私は獲物に向けて全速力で走り出した。
制限時間は1時間半。
目指す場所は王宮図書館。
最近の王子は以前よりも起きている時間が長く、私たちは気が狂いそうになっていた。
これを解決するために、私は手に入れなければならない!
王妃宮を出て王宮図書館に向かう。
- シミュレーションの私
シミュレーションの「私」は王宮図書館まで休まずに走ったが、現実の私は5分で力尽きた。
王妃宮の宮廷門から約30メートル離れた場所で、膝をついてしまう。
よく考えてみたら、ミオ卿の到着時間で約30分。
私で換算すると?
本当は彼に頼もうとしたのに、彼があからさまに嫌な顔をしたので頼めなかった。
適当に息切れが落ち着いた後に、再び走り出す。
長いドレスの裾はすでに両手で膝まで捲っており、最短距離を走るため、花壇を飛び越えようとした瞬間。
「怪我をしますよ」
「伯爵様?」
「大丈夫ですか?」
目の前には奥ゆかしく私を見つめるクラインの姿が。
気づけば、私は伝説のお姫様抱っこの状態に。
「あ、ありがとうございます」
夢だったお姫様抱っこに、私はしばらくの間、放心してしまう。
「何処に行かれるのですか?」
「図書館に向かってて。あの・・・、伯爵様。もう降ろしてもらえますか?」
「このままお連れ致します」
「降ろしてください」
危うく開き直るところだった!
これは現実。
このまま抱かれていたら、クラインに私が重いのがバレてしまう。
まもなく、短時間で酷使された足は再び地面についた。
「伯爵様はどこへ行く途中でしたか?」
「王妃宮へ」
「ミカエル王子はもうすぐ眠るかもしれませんが・・・」
「それでは、明日お会いしましょう」
クラインはにこやかに笑いながら、私の手の甲に口付けをした。
予想外の事態に照れる余裕もない。
「急いでいるので、ここで失礼しますね」
私は再び全速力で走った。
図書館に到着して司書に尋ねると、彼は場所を指さした。
「お母さん?」
「え?」
初対面のはずなのに、司書は私のことを「乳母」と知っているようだ。
どうして知っているのか分からないが、彼は清々しく、後腐れが感じられるほど笑っていた。
でも今は急いでいるので、私はすぐに本棚の方へと向かった。
どれぐらい時間が経ったのだろうか?
何とかして目当ての本を探し出すが、その本棚の前のテーブルでうつ伏せに寝ている人がいる。
どうしよう?
初対面なのに起こしてもいいのだろうか?
何とかして起こそうとするが、彼は目覚めない。
ちょっとだけ、私が欲しい本を引いてみる。
・・・悪い予感はいつも外れることがない。
気をつけて取り出した本の角が、うつ伏せに寝ている人の背中に当たった瞬間。
気づけば、私は首を締められていた。




