こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は30話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサル・カジック:伯爵。

30話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- クラインの習慣
今日、戻ってくると言っていたクラインは、王妃宮の業務時間に間に合うように、白い月見草を持ってきた。
彼の「レディー」は、どこかの女に会うたびに花を持っていくべきだと教育したのだろうか?
もちろん、花もプレゼントなのだから、貰っても良いよね。
綺麗だし。
王子へのアレルギーは心配だけど・・・。
復帰後、クラインはどこかの騎士団を引き受けることになったと聞いている。
「脱出記」によると、クラインは主に公爵様と呼称されたが、どの時点で爵位が上がるのか分からない。
私を見るや否や、クラインは眉をひそめて私の首筋に手を差し出した。
ミオ卿が、変な薬を塗って包帯で巻いてはくれたが、痣は大きかったので、全部を隠すのは難しかった。
「アス、誰があなたを虐めている?」
クラインはそう言いながら、ミオ卿の方を振り返る。
私の知らない間に、二人は喧嘩していたように思える。
よく観察してみると、クラインが一方的に彼を嫌っているようにも見えるけど。
「私を虐める人がいたとしたら、叱ってくれるのですか?」
「あなたのためなら」
エリーとアンナは「あらあら」という声を出したが、私の頭に浮かんだのは「アス」に対する嫉妬や羨望ではなかった。
彼は、「私のために、どれだけ犠牲を払える事ができるのだろうか?」という考えだった。
「誰があなたを傷つけたのか教えてください」
笑ってクラインの手を握る。
「私と散歩に行きましょう」
二人きりで。
あなたはどこまで本気なのだろうか?
あなたの誓いのなれなかった約束は、どれだけの重みを持っているのだろうか?
努力なしに得たあなたの好意を、私はどれだけ信じれば良いのだろうか?
悩みは多い。
この世界は私の世界ではないから、誰も信じないのが一番安全だと思っている。
根拠のない信頼は虚しいものだ。
クラインは「アス」を大切に思っている。
私は「アス」ではない。
私に向けられたものでもない感情に責任を負う理由もない。
- 私の秘密
しかし、私も人間なのだ。
静かな森の中で、私はクラインと向き合う。
「秘密があるのですが、守ってくれますか?」
「はい、アス」
「伯爵様だけに言います」
「聞き忘れるようにします」
「覚えておいてください」
最も冷静な剣。
戦場の血と同じくらい赤い髪を持つクラインは、見る人の息を引き取るほどしなやかに笑った。
「それでは、承知しておきます」
「この前、私は嘘をつきました。許してください」
この世界に来て以来、これが最も危険な一歩だった。
知らないふりをして、私が望む情報を手に入れることも出来ただろう。
しかし、私も人間だ。
好意には好意を、信頼には信頼を与えたい。
クラインはまだ私を見つめていた。
雪の中で二度と私を離さないように。
「実は記憶喪失なのです。私は伯爵様について知りません」
緊張してクラインの反応を探る。
彼はどう反応するのだろうか?
それでも、「脱出記」のストーリー進行とは最もかけ離れたクラインが、私を殺さないことだけは信じる事ができる。
- クラインの答え
「何故そうなったのですか?」
返す言葉がなくて困ってしまう。
クラインは、いつも私が知りたいことを尋ねてくる。
「ある日突然、記憶に空白ができたのです」
「どれくらい失いましたか?」
「部分、部分が消えたので、具体的なことは私も知りません。ただ私の記憶に伯爵様と伯爵様のレディーはいませんでした」
思ったよりも、彼は動じず常識的な反論をした。
「でもあなたは王宮にいます。王子様の乳母でもあります」
「働くのに必要な記憶は残っていますから。その他の普段使わない記憶に問題があるだけで」
「しかし、あなたは私を知っていました」
「あの時は、私が伯爵様を知らないと言ったら大変なことになると思ったからです」
彼にとって記憶のない「アス」は何の価値もないのだろうか?
それとも記憶が戻ることを願い、私の手を握ってくれるのか?
クラインは、私が怖がらないようにゆっくりと手を上げ、古くて貴重なものを触るように私の頬を触る。
この世界に来てから、私をこんなに親密に触ったのはクラインだけ。
「あなたが彼女を思い出さなくても、私にとってあなたが大切なことは変わりません」
「伯爵様と一緒にその方の事を話せなかったとしてもですか?」
「レディーは黄昏とともに暮れ、私は今ここにいるあなたを通じてレディーに出会えます。あなたが覚えていないからといって、私たち3人が一緒に過ごした時間が消えるわけではありません」
それは私にとって嬉しい言葉だった。
もし私が「アス」だったら、彼女は傷ついていたかな?
しかし幸いにも、ここにいるのは彼女ではない。
彼女は同情はしないが、残酷な言葉を甘くするこの男を愛してほしくないだろう。
「次の機会があれば、私にもその方の話をしてください。私もその方を愛したというのですから、伯爵様の話の中でもう一度その方を愛し続けます」
リップサービスではあるが、クラインは心から喜んだ。
「はい、アス。あなたも以前のように、あの方を私と一緒に愛しましょう」
何となく、一緒にアイドルの追っかけをするような気分だった。
「それでは、伯爵様。私に大魔法使いについて話してください。戦争のときに一緒にいたのですよね?」



