こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は34話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサル・カジック:伯爵。

34話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- シエルの悩み
シエルは傷ついた表情のまま、芝生の草をちぎりはじめる。
「正直に言うと、図書館はよく眠れるんだ」
図書館は元々そんなことをするためにある場所ではないのだが。
「あの日以来、私は眠れなくなった。横になると戦場の風景と死んだ人達の姿が見えます。それが何度も繰り返されて、私は見ることしか出来ない。でも図書館は・・・」
「よく眠れるんですね?」
「よく眠れるわけではありません。でも短くは眠れるから」
シエルのPTSD症状の一つが不眠症のようだ。
ため息をつく。
ユルーゲルは凄いわ。
こんな症状をどうやって和らげたのだろうか?
首に漏斗を入れて睡眠剤を注ぎ込んだわけでもないのに。
芝生から立ち上がって、再び王妃宮に身を向けた。
図書館に似た場所を探すか。王宮以外の他の場所を探すように言うべきだろうか?
でもそこにはクライン・カペラくらいの強い人はいる?
今のようにうたた寝も出来ずにいると彼は死ぬだろう。
いや、絶対に死ぬ。
不眠症に良いことって何があったっけ?
王妃宮に向かう足を止めて、まだそこにいる魔法使いを振り返る。
私は自分のできる事を知らないふりをするほど骨の折れる人でもない。
実は、私は私のこんな中途半端さが嫌いだ。
シエルに呼びかける。
「すみません」
- 奇妙な同棲
ミオ卿はあまりいい顔をしてくれない。
「アス、こんな風に言いたくはないが、ここ宿泊施設ではない」
「その通りですよ。それならお金を貰いますから」
シエルは王子を抱いていた。
王子はアンナに抱かれているときは違い、よく笑って元気な手足をバタバタしていた。
このように幼い乳幼児を抱くのは初めてなのか、何とも言えない不器用に見える。
「噂にでもなったら君の評判はおしまいなのに」
「だから、これは私たちだけの秘密ということで」
ミオ卿が片手で顔を覆ってから、小さな声で何かを言っているが聞こえなかった。
彼には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
一緒に暮らすルームメイトの境遇なのに、彼に何も言わずに一方的にお客さんを連れてきてしまったのだから。
内向的なミオ卿の性格にストレスを受けないはずがない。
私とミオ卿の退屈そうな押し問答するのを、シエルはベッドに王子と座って、かなり興味深く見ていた。
「だから、魔法使いさんは、戦争後に、神経衰弱にかかっているんです。私と王子様がこちらで寝て、魔法使いさんとミオさんがあっちで寝るのが一番いいんじゃないですか?それが嫌なら、私と一緒に寝させます」
「僕はどっちでもいいけど」
少なくとも、この問題に限っては、彼には発言権がないという事を少しは認めてほしい。
悩んでいるミオ卿の前で、私は出来るだけ可哀想な表情を見せた。
もともと私はこんなに礼儀が良くない。
「なぜ彼をここで?」
「魔法使いさんは、一人だと眠れないということです。ミオ卿にもそんな日があるか分からないけれど、人の寝息が必要な日があるのです」
その時、シエルが口を開いた。
「お嬢さんが私のそばで寝ても大丈夫ですよ。もし、私が首を絞めるのが不安なら、私の手を握っておけばいいじゃないですか?そ・・・」
「却下!」
良かった。
シエルの言葉が終わる前にミオ卿が叫んだ。
私も彼と同じ考えだ。
「それなら!私が大魔法使いのそばで寝ます。もし、私の首を絞めるのであれば、私が剣であなたを殴りますので、どうかご了承ください」
「喜んで」
私の意見を言うなら、ミオ卿はシエルが彼の首を絞めなくても、シエルの頭を殴りつけそうに見える。
ミオ卿が臨時に持ってきたベッドは小さかった。
寝る直前まで、シエルは王子を抱いて、温かく幼い生命体の息を感じていた。
その息づかいを聞きながら、彼は笑っている。
私はベッドに横になり、胸の前で王子を抱きしめた。
その後、シエルも横になる。
王子とひとしきり遊んだ後なので、彼もかなり安定しているように見えた。
部屋の中の電気が消え、3人の息づかいや王子の寝息が聞こえる。
それが私たちの奇妙な同棲の初夜だった。
- 王妃宮の幽霊
「王妃宮に幽霊が出るんだって」
まるで自分は王妃宮に住んでいない人のように、アンナがそう言った。
王子様はもうすぐ寝返りを打つつもりなのか、ミルクを飲む量が増えた。
「幽霊が出るんだ」
「アス、もっと真剣に聞いてよ」
「いやいや、今まで幽霊なんか見ていないのに突然幽霊が現れるなんてあり得ないから」
「ちょっと聞いて。夜12時を過ぎた夜になると、ここに白い服を着た女性に幽霊が現れたの」
「現れるだけ?」
「廊下を行ったり来たりしながら、『どこにいるんだろう、どこにいるんだろう』って言いながら、何かを探し回るんだって」
「何を探しているの?」
「当然、自分を殺した人を探しているのよ!」
私はいつの間にかアンナの話に引き込まれていた。
そろそろクライマックスに向かいながら、エリーはまともに息もできていなかった。
その途中で息を呑む音が聞こえて振り返ると、そこには青白い顔をしたクリスの姿が。
結局、それがきっかけでアンナの興が冷めてしまい、話が続くことはなかった。




