こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は39話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサル・カジック:伯爵。

39話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 働かざる者食うべからず
働かざる者食うべからず。
シエルが役立つときが来たのだ。
考えてみると、私はもう二日も夜に眠れていない。
(そういえば、魔法。ユモも魔法使いだったわ)
前任の乳母が魔法使いだったことを思い出す。
「アス」
「はい」
「顔に穴が開く」
「じゃあ、起きてください」
私がじっと見つめている、ミオ卿はため息をついて起き上がる。
「起こすのか?」
「起こせるのですか?」
そう問い返すと、ミオ卿は寝ているシエルの目の前で両手を大きく叩いた。
その瞬間、シエルは仰天し、恐怖で息が詰まったままベッドから飛び起きた。
ミオ卿がもう一度手を叩くと、寝ぼけていたシエルの瞳に光が戻る。
「お前・・・」
気が付くや否や、シエルが彼を睨みつけた。
率直に言って、彼がミオきょうの首を締めて起きるよりずっと平和な起床だと思う。
「ちょっと待ってください。私が起こしてくれと頼んだのです」
今にもミオ卿を攻撃しようとしていた手が止まる。
「地下室に連れていってください」
「私の助けが欲しいのですか?」
「魔法使いさんの助けがないと行けないのです」
「あなたにはお世話になっていますが。過分なお願いなのでは?」
どの口が言うのだろうか?
眠っている王子を起こさないようにしながら抱きしめて話す。
「お願いではありません。取引です」
- 黒魔法
私はシエルがくれた小さな宝石を触りながらミオ卿に尋ねる。
「私が悪いと思う?」
「いいや、乳母は君だから」
まあ、この状況で王子の教育に加わってもいないミオ卿が私を責めるのはおかしいだろう。
ミオ卿は護衛騎士で、乳母は私なのだから。
「近頃はカジック伯爵夫人がよく来ているわよね」
アンナがそう話す。
最初に王子と会って以降、彼女は王妃だけにしか会っていない。
二人が憂鬱な顔で向かい合って座っているのだろうと思うと息が詰まる。
アンナとエリーが見ていない間に、王子に頭を下げて小さく囁いた。
「王子様、ごめんなさい。あなたのお母さんのための事なので理解してください。決して売り渡したわけではないので」
私がシエルに提案できるのは王子だけだった。
彼は長らく悩みもしなかった。
この宝石を渡してシエルは言った。
「これで2回移動できるので慎重に使うべきです」
回数を増やすのは、私に魔法的要素がないので不可能だった。
「でも昨日からなぜ地下室に執着するのですか?妙なところはあるけれど、あなたが好奇心を持つような場所ではありませんでした」
「その妙なところが気になるので」
正確には私が気になるのではなく、王妃が気になっているのだけど。
「黒魔法の跡がありました」
シエルは私の腕を掴んで、そう話す。
この国は徹底的に黒魔法使いを排撃しており、おそらくこの話をしたら私が地下室に対する興味を絶つと思ったのだろう。
しかし、私はその言葉を聞いて、「あの乳母は本当に黒魔法使いだったんだ」という妙な安堵感と感動を受けた。
- シエルの意見
「魔法使いさんは黒魔法使いについて詳しいのですか?」
実はこの国は黒魔法使いを本当に嫌うため、こんな話をすることさえ危険だった。
この世界での「黒魔法使い」は人間であることを放棄した者たちを呼んでいるそうだ。
「魔法使いのほとんどは黒魔法使いを魔法使いと思っていませんが、私は彼らに敬意を表しています」
思いもよらなかった意見。
「本来ならば魔法を使うことのできない人間が存在し得ないことを存在させて、起こり得ないことを起こさせるので、大魔法使いとして彼らに敬意を捧げます」
「私が能力の低い魔法使いなら、凄く嫌な人生だったかもしれません」
「だから多くの魔法使いが、研究をして努力をするのです」
「それじゃあ、私も黒魔法使いにならなれますか?」
「あなたは無理です。魔法使いと黒魔法使いの力の根源は違う。黒魔法使いは彼らの渇望と欲望を基に力を使うのです」
「私にも欲望があります、魔法使いさん」
「欲望には限界があるので、彼らは新しい欲望のために良心と人を犠牲にします」
「じゃあ、子供心臓で儀式を行うというのは、単なる俗説なのですか?」
「そんな話をどこで聞いたのですか、あなたは?」
多分、他のファンタジー小説で?
「あなたにはそれほど差し迫った恨みや欲望がありませんよね?」
その言葉に私は笑う。
乳母様にはどれほど切羽詰まった恨みと欲望があったのだろうか?
彼女が元から魔法使いだと仮定するよりも、黒魔法使いになったというのが正しい推測だと思うのだが。
どれだけの恨みと欲望が積もれば人間である事を諦められるのだろうか?
シエルは私に近づき、私の腕に抱かれていた王子に顔を埋め込み、深く息を吸い込んだ。
ミルクの匂いで、彼の表情が穏やかになる。
「なぜそれほどに地下室に行きたがるのかは分からないけれど、二度です、アス。その宝石は二回だけ使用できますので慎重に」
「片道ですか?往復ですか?」
「往復です」
重要な事を尋ねたつもりなのに、シエルは呆れた表情を浮かべていた。
そんなことよりも、いつも私のことを「あなた」と呼んでいた彼が名前を知っていたことに妙な感動をした。
王子を取引材料に使うアス。
これが侍女長にバレたら、確実に大事になりそうな気もしますね(汗)




