こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は49話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサル・カジック:伯爵。

49話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ミオ卿の叱責
何が起きているか分からないままスタンドの明かりをつけて、私は王子を抱いたままベッドの後ろに退き、シエルの首を締めているミオ卿を呼んだ。
「ミオ卿?ミオ卿!」
どうしてこんな事に?
シエルのPTSDがミオ卿に伝染したのだろうか?
「ミオ卿!そんなことをしたら死にます!」
私はミオ卿の背中に縋って拝む。
そんな中、彼の瞳は濃い森の色で、光り輝かず曇ったりもしない普段そのままの姿だった。
正気に見えるのが、余計に怖い。
シエルの首を絞めている手首を引っ張るが、ミオ卿の手はびくともしなかった。
爪を立てても影響はなさそう。
しばらくしてミオ卿の腕の力が抜け、シエルは必死に呼吸をしていた。
何故だろうか、ミオ卿は私に攻撃してこないという確信がある。
「大魔法使いシエル」
夜のように深い声で彼はシエルを呼ぶ。
「覚えておいてください。それが首を締め付けられる感覚です」
やっぱり、今までの復讐をするためだったようだ。
ミオ卿はベッドに戻り、泣き出した王子を抱いて、静かになだめ始めた。
「ミオ卿!あのまま死んでいたらどうするのですか?魔法使いさんは禁治産者なのですよ」
「大魔法使いは甘えすぎている」
「精神的な部分は、そんな簡単に言ってはいけない問題だと思います。それは本人にはどうしようもない事なのですから」
「それが甘えだと言ってる」
「あなたは医者ではありません」
「・・・君の言うことが正しいのは分かる」
もう一度小言を言い直そうとすると、ミオ卿が小さく言った。
「大魔法使い、守護神がいると聞いています。遅れはしましたが、それを私とアスに支給してください」
「どうして私が?」
「大魔法使いがたった今、私に反撃したからです。抵抗しなければ、私は死んでいたでしょう」
「けれど、死んでいないじゃないですか?」
「もう少しで正気に戻っていなければ、私やアスはもちろん、王子様も被害を受けます」
「私は決して王子様を害しません!」
「正気のときであればそうでしょう」
実際私も寝ていたので、事の真相がよく分からない。
ミオ卿が、君もやられてみろという意味でシエルの首を絞めたのか?
それとも、シエルが首を絞めようとしたから反撃したのだろうか?
シエルはため息をつくと、私たちの前で手のひらを広げた。
すると小さな瓶が現れる。
手を差し出してそれを握ると、シエルはすぐに言った。
「そこに血を満たしてください」
数日前に地下室で見た血を描いた魔法陣を思い出し、真っ青になる。
「なぜよりによって血なのですか?」
「相手を認識するのに血ほど効率的なものはありませんから。嫌ならやらなくてもいいです」
断った後に、シエルが私の首を絞めたらそれはそれで困る。
「ところで王子様は?王子様もこれだけ血を抜かないといけないのですか?」
最も重要なのは、王子の安全だ。
「王子様は私にだけは無条件で安全になっていますから」
「私たちも信じてくださいよ!」
「私が皆さんの何を信じればいいのですか?世の中のことは、思い通りにはならないから・・・」
シエルはひどく寂しげな表情を浮かべる。
彼が戦場で殺したこと関係しているのだろう。
この温室の中の草花のような大魔法使いは、一体どんな状況で人を殺したのだろうか?
彼の手に負えない傷には、いたずらに触れないことにした。
背中越しにシエルが話す。
「アス、この前はごめんなさい」
「この前とはいつのことですか?」
「謝って済む問題ではないという事です。この謝罪も本気です。私はあのとき腹が立って怖かったのです」
私はシエルへ返事をせずに、ミオ卿を訪ねる。
テラスで吹く風は涼しかった。
「ミオ卿にはいつも感謝しています」
「そう思っているのか?」
「もちろんです。私の主張をすべて聞き入れてくれましたから」
彼はいつも私の無理強いを聞いてくれた。
育児分担に参加してほしいという要求以外は全部。
彼にはシエルを担わなければならない義務がないのに。
何度感謝の気持ちを伝えたら、この感謝の気持ちが伝わるのか分からない。
「今日はこれ以上我慢できなかったのですか?」
「君はどうして大魔法使いを連れてきたんだ?」
「何となくですよ」
「じゃあ、私も何となくそうしたい気分だったからだ」
ミオ卿は首を撫でながら答えてくれた。
私は大人になりたい。
この瞬間、彼に本当に感謝することができる大人に。
しかし、私はこの瞬間、毎朝ミオ卿の首に残った痣を癒すシエルを見なくてもいいという事に安堵していた。
私は世の中で自分自身を一番愛しているが、たまにはこんな自分が嫌いで、黒い袋に包んで見えないところに入れておきたい時がある。
「俺も悪かった」
「ミオ卿は何も悪い事はしていません」
「そうではなく・・・」
テラスの隅に座った彼は、何故か私と目を合わさない。
そして一つ一つ、私の前に白い何かを差し出す。
「わざとではなく、ふと指に絡まって、何であるか確認したのだが・・・」
私は本気で叫んだ。
クライン・カペラの名前が縫い込まれたハンカチが無惨に引き裂かれていたから。
ミオ卿とシエルの間で何が起きたのでしょうか?
アスが首を絞めらたことを思い出して、彼女の代わりに制裁を?
それとも自分が首を何度も絞められたから?




