こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は50話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサル・カジック:伯爵。

50話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- クラインへの贈り物
単に名前だけを縫うのだから、結果によってはもう一度綺麗に縫うつもりだった。
にもかかわらず、このように無惨にも剥がれた姿を見ると、私の意欲はゼロに消えた。
ミオ卿は私に申し訳なく思いながら、密かに王子の面倒を見るジェスチャーを送るが、だからといって彼の罪が軽くなるわけではない。
朝になって王子の部屋に出勤してからも悩みは続く。
誰かがプレゼントを選んで悩むのは楽しいと言うが、私はあげるものがなくて楽しくもない。
日中、私はエリーに体調が悪いことを了承してもらい、自分の部屋で横になる。
いつも私とミオ卿、シエル、王子がいる空間に1人でいるから気分が少し変だ。
静かだから不安になるのだろうか?
頭を働かせよう。
クラインに何を与えればいいのか。
ハンカチに刺繍するのは本当にやりたくない。
「アス」の持ち物。
服と装身具、そしてオルゴール、万年筆程度。
万年筆には「C.K」というイニシャルが刻まれている。
やはりこれはクラインの物なのだろうか?
これを「アス」がなぜ持っているのか分からない。
クラインが与えたものか、「アス」が盗んだものかどちらかの一つだと思うのだが。
ロケットを与えるのは厄介になる気がする。
「脱出記」でユルーゲルに惚れていないクラインだが、彼の魔性を考えると余計にユルーゲルを思い出させる口実は作らない方がいい。
残った選択肢はオルゴールだけ。
初めて見たときから思ってたけど、本当に妙なオルゴールだ。
届かない2人の指の間に自分の指を入れて2人を繋げて見る。
何が妙なのか。
このようなデザインのオルゴールは多いはずだが、きっと何か変わっていると思われる部分があるのだろう。
2人の手が届かないという事かな?
必ずしも徴表が、ハンカチである必要はないのではないか。
これはこれで、ユニークだと思う。
とにかく「アス」にとって意味のある物でもあったはずだから、最初からクラインに詐欺を働いているわけではない。
そう考えることにした。
一週間ぶりに再開したクラインは、気のせいだろうか、少しやつれていた。
「アス、久しぶりにお伺いして申し訳ありません」
「分かってます、伯爵様はお忙しいですから」
「あなたに会うことより忙しいことはありません」
「今も私の安全を守るためにお出でになるのですから」
あなたが花束なしで来ただけでも、どれだけ忙しいか分かっている。
クラインは私の手を握り、キスをして笑う。
今度は手の甲だった。
どの元彼にも手の平どころか手の甲にもキスをされたことがなく免疫がないので、鳥肌が立つ。
「そろそろ出発されるのですか?」
「ええ、アス。3日後に出発します」
10日もたたないうちに戦争に出る用意をするなんて・・・。
私の表情を見て、クラインは再び私の手にキスをし、「心配するな」と囁いた。
ええ、心配しないからもう私の手を放してくれないだろうか?
こんなロマンチックには免疫がないから、溶けてしまいそう。
「仰った通りに徴表を用意しました」
彼は少し嬉しそうな顔をする。
私はオルゴールに付属されていた女性をハンカチで包んだものを渡した。
「これは・・・」
「もともとオルゴールの部品ですが、すべての部品が完全でなければオルゴールは回らないのですよ。男性の人形は私が持っています。これは伯爵様が持って行って、帰ってきたら戻してください」
こういう死亡フラグはあまり好きではないのだけど、クラインの生存は「脱出記」が保障してくれているから大丈夫でしょ?
「これはアスが持っていたのですね」
「ご存知だったのですか?」
「見たことのあるオルゴールです、イディカの家の小さな部屋で見たことがありますね」
クラインの表情は明るかった。
確かに、彼にとってこのオルゴールは存在することも知らなかった遺品の出現なのだから、嬉しくもあるのだろう。
「決して私が盗んだという訳ではなく、私もお嬢様との思い出を作りたかったのでしょう。信じてください」
そう言い訳すると、彼は笑顔を浮かべた。
あまり気にならないみたいだ。
「そしてこれです・・・」
少し不安そうに、クラインに万年筆を差し出した。
「私が持っていたのが伯爵様のものであるなら、お返しするのが正しいと思って」
さようなら、万年筆・・・。
「これは私のものではありません」
「え?」
「彼女が持っているものを見たことがありますが、あなたにプレゼントをしたようですね」
盗んだと思っていないクラインに感謝して涙が出そうだ。
私ならこの状況を考えると、当然盗んだだろうと思うのに。
万年筆を見る彼の顔は、少し苦々しい。
「約束してください」
「え?」
「どうか何があっても安全にここにいると。あるいは、何か起きればカペラ家に頼ると約束してください」
答えられずにグズグズしていると、クラインがまた私の手先を握って話す。
「私は王国の征服戦争に何の関心も持っていません。私は、あなたの安全と豊かさだけを考えています。私の参戦があなたの得になりますように。だからどうか・・・」
ここは無事なはずなので彼の元に身を寄せることはないだろうと考えた私は、素直にうなずいた。
クラインは私の手を引き、指先にキスをする。
「私がどこにいようと、どこへ行こうと、私はいつもあなたのもとに戻ってきます」
その言葉は私ではなく、私の瞳を見て思い浮かべるレディーに対しての言葉なのではないだろうか?
・・・そうでしょ?
私の存在が、あなたの生きる唯一の意味なのだから。
むしろ彼のレディーについて知らなかったら、このすべての言葉が少しは甘く聞こえていたかもしれない。
「手紙を送ってください、伯爵様。私はもう返事を送ることができますから」
2日後に遠征軍が出発するのを、私は王妃宮のテラスから見守る。
赤い旗がなびいていた。
万年筆は絶対にクラインの物だと思っていました(汗)
じゃあ一体誰の物なのでしょうか?
これでしばらくクラインの登場はなさそうですね。




