こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は55話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサル・カジック:伯爵。

55話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- セヤとのデート②
この世界に来る前、最後にいつデートしたのか思い出せない。
この世界の人々はどうやって恋をして、どこに遊びに行くのだろうか?
優しく笑って私を引き寄せるセヤの顔に、私も笑って向き合い、そんな風に思った。
この世界のデートはどんなものなのだろうか?
通りから外れた路地に入る。
路地の終わりには噴水のようなものが設置されており、毛色の違う猫たちがその周りを彷徨っていた。
「野良猫たちの楽園のような風景ですね」
「猫が好きなのですか?」
「はい、嫌いではないですが私は猫か犬かと聞かれれば犬派です」
そう答えた瞬間ハッとする。
どうしよう、セヤは猫派のはず。
この野良猫た血の楽園に私を連れてきたのだから・・・!
「もちろん猫も好きです!猫も可愛いですよね。どちらも愛らしさでは比べられないほど大切な存在・・・・」
「いや、大丈夫ですよ。アスちゃん。私は猫も犬も好きだから、そのように必死に言い訳する必要は・・・。一番好きなのは鳥ですけどね。この噴水には伝説があります」
周囲を見ると、カップルのように見える男女が何組かいた。
それなりに、この街のデートスポットのようだ。
「悲しい伝説ですか?」
「噴水の水が出る所が見えますか?硬貨を投げてあの口に入れると、願いが叶うという言い伝えがあるのです。ここに来る人はみんな小銭を投げ入れているのです」
正直、あんな小さい口の中に入れるのは無理じゃない?
それでも、そんな事を言わない空気は私にもあった。
ロマンチックなムードは壊さないようにします。
一番正常なデートに似ているのはセヤだけなので、私はすべてに最善を尽くして頑張るのだから!
「それでは、ここで願い事をしてコインを投げましょうか」
私はシエルから受け取ったコインを取り出す。
「先生の願い事も叶えてあげましょう」
「ちょっと待って!アスちゃん!」
私はコインを投げた。
意欲はみなぎっていたが、コインは届かず水の中に落ちていく。
期待はしていなかったけど、これは私が思ったよりも難易度が高かった。
「難しいですね、先生」
「ああ、アスちゃん!」
試しにコインをもう一つ持って、角度は合わせずに投げてみた。
それでも届かない。
「先生もやってみますか?」
コインを持ってセヤの方を見る。
彼は私は見てきた中で、最も青白い表情でぼんやりと虚空を眺めていた。
「先生?」
「アスちゃん、今投げたのが金貨だと・・・、知っていますよね?」
「いえ、知りませんでした」
金貨って何の金貨?
小銭を眺める。
平たい銅貨は非常に真っ黒で、うーん、真っ黒なのによく見ると金色のような気もするし。
どうしよう。
私が投げた金貨は二つだけど、それがどれくらいの金銭的価値を持っているのだろうか?
実際にこの世界の貨幣を見るのはこれが初めて。
自分が持っていた袋をセヤに預ける。
「先生が持っていてください」
セヤは袋を受け取り、中身を見て顔をしかめる。
「全部金貨ではないですか?給料はどれだけ貰っているのですか?」
彼はすごく心配そうな目で私を見る。
私は黙ったまま笑顔を浮かべる。
そんな私の様子を見て、セヤは深くため息をついただけだった。
「ところで先生、私は休暇なのですが、先生は大丈夫なのですか?今日は平日なのに」
「アスちゃんと会うと言ったら、みんなが理解してくれましたから」
暮れかかった太陽が、セヤの背後に見える。
そのため、光り輝いて笑う彼の笑顔はとても爽やかに見えた。
そっか。
他の人の目には私たちがデートをしているように見えるんだな。
これって脈アリなのかな?
その間も、他のカップルたちは噴水に小銭を投げて楽しんでいた。
「先生はコインを投げないのですか?」
「私はこの都市で育ちましたから。すでに投げたことがあります」
「願いは叶ったのですか?」
「行われている最中です」
「そうですか・・・」
わあっと歓声が聞こえたので、振り返るとさっきのカップルが成功したようだ。
「アスちゃんは何をお願いしたのですか?」
「関係ありません。どうせ入らなかったので」
「あれだけのプレゼントを貰ったのですから、今なら神様も願いの一つくらいは叶えてくれるのでは?」
そんなはずがないだろう。
「猫の楽園はもういいですから、先生の楽園に連れて行ってください」
しばらく歩いて居住地を離れてから、セヤが話しかけてきた。
「疲れていませんか?」
彼の気配りは健在だ。
「大丈夫です。ここ、凄く見慣れた感じがします」
「アスちゃんも首都出身ならよく来ているでしょう」
「いいえ、そうではなく。本宮の後宮と同じ感じがして」
それからどれだけ歩いたのだろうか。
セヤは、ただならぬ感じの大きな木の前で立ち止まった。
「私が一番好きな場所です」
もしかして世界樹?
そう聞きたかったが、この世界だと「世界樹」という言葉がないかもしれないので黙っておくことにした。
そして、その木に近づいて手を置くセヤの姿に驚く。
たまに彼を見ていると、エルフのような雰囲気を出しているように思えるから。
「休憩が必要な時は、ここに来て横になっていました。空気が綺麗でしょう?」
そう言ったセヤは、私の見ている前で本当に横になる。
シエルはどれだけお金持ちなのでしょうか?
彼の性格から考えると、あまりお金に執着していないように思えます(笑)
セヤとの雰囲気は凄く良いですね。
彼ならば、アスの支えになってくれる気がします♪




