こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は57話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサル・カジック:伯爵。
57話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- シエルとユルーゲル
「アスちゃん、これを読んでみて」
セヤが古びた本を差し出してくる。
所々は読めるが、読めない箇所の方が多い。
「かなり古い本ですね」
「そうでしょうね。ここは古本屋ですから」
あの日以来、私とセヤはたびたび外出するようになった。
一日中ではなく、二時間ほど近くを散歩したり、一緒にショッピングに行ったり。
セヤは授業方法を変えようとしているのか、時々自由時間を作って私を書店に誘うようになった。
そうして分かったのは、私は現代文学よりも古典文学の方が得意らしい。
よく分かっていないけど・・・。
「一体どこで、どのようなやり方で学問を学んだのか知りたいですね。文字に接した痕跡が見えますから」
言えない話も多いので、私は笑って誤魔化すことにする。
セヤが授業のやり方を変えた後、私たちは外での昼食が増えた。
大通り沿いを眺めていると、兵士たちと、どこか俯き加減に肩を落とした人たちが一緒に通り過ぎる。
何だろうか?
セヤを見ると、彼は知っていたことを説明してくれた。
「羅海での戦争が勝利したそうですよ。カペラ伯爵様は戦場では神のような方ですから、今度こそは爵位が上がるのではないでしょうか」
「じゃあ、あの兵士たちの後ろにいる人たちは誰でしょうか?兵士や敗戦兵ではないようですけど・・・」
「戦争捕虜でしょう。カペラ伯爵はまず王族たちを捕虜にしたようです」
両手を縛られたまま歩いていく人たち。
薄着で汚れていたり、深刻な怪我を負っている人もいた。
彼らが王族のようだ。
一番後ろには大きな布で隠された馬車が見える。
獣を閉じ込める檻のよう。
そういえば、ユルーゲルの取り巻きの中には異種族もいた。
ストーリーに寄与しない追従者だから忘れていた。
「あの人たちはどうなるのでしょうか?」
「交渉が上手くいけば元の場所に帰れるかもしれませんが、多分そうならないでしょう」
国を失い、土地も失ったのだから、ここで暮らすことになるのだろう、平凡に。
食事をとりながら、セヤと日常の話を続ける。
「アスちゃん、私にも夢ができました」
「新しい夢を見始めたのですね?」
「現実的な夢ですが」
「やっぱり税務部を支配する魔王になる夢でしょうか?」
「いいえ、アスちゃんを始めとして、家庭教師界のスペシャリストになります。アスちゃんは今、社交界のどのレディーよりも注目されています。ですから、アスちゃんを完璧で立派な淑女にすれば、上手くいくと思いまして」
どうしてだろうか?
セヤの笑顔から気迫が感じられるのだが・・・。
その計画は大反対だ。
「大きな夢と野望と抱負を抱いたのですね。むしろ魔法使いを目指した方が現実的なのではないでしょうか?」
「自分の限界を断定しないでください。アスちゃんはもう立派な淑女ですよ」
「本当に私が立派なら、授業も必要ないじゃないですか」
「立派な淑女は努力を惜しみませんから」
そんな立派な淑女にはなりたくない。
王宮に帰ると王妃宮の前に見慣れた馬車が。
王妃様の姉であるカジック伯爵夫人は、週に1、2回は王妃様に会いにきている。
あの日以来、ミカエル王子とは会っていない。
同僚の話によると、カジック伯爵夫人は王妃様と一言も話さないそうだ。
同じ部屋にいると、息が詰まるらしい。
似ている顔で、同じように憂鬱な表情で、何も言わずに座っていれば息苦しくもなるだろう。
それにもかかわらず、どうして彼女は王妃様に会いにきているのだろうか?
原因は、結婚3年目で子供が生まれない事だと推測していた。
そういえば、あまり気にしていなかったが、ユルーゲルは最近来ていない。
彼も最近は忙しいのだろうか?
そんな疑問もすぐに解消される。
「昨日、ユルーゲル様にお会いしました」
シエルがそう言った時、私は口の中の水を吐き出してしまった。
そんな私の姿を見て、彼は舌打ちをする。
「動かないで」
床に溢れた水が空中に浮かぶ。
そのままコップに吸い込まれた。
「この水飲んでもいいの?」
「飲んでください、浄化の魔法もかけてありますから」
シエルの言葉を信じて水を飲む。
幸いにも普通の水だった。
「それで、ユルーゲル様に出会ったのですか?」
無意識にミオ卿の方向に移ろうとする視線を必死に抑える。
「ユルーゲル」という名前が出れば、彼がどんな反応をするのかは明らかなのだから。
「どうでしたか?」
「金色の髪が美しい方でしたね」
「それで?」
「あ、不眠症に効くというハーブティーを頂きました」
「後は?」
私の質問にシエルが問い返す。
「それ以外に何がありますか?」
そんな風に聞き返されると、こちらも困ってしまうのだが・・・。
「本当にそれで全部ですか?ハーブティーをプレゼントされて、美しかった。それだけなのですか?何か感じませんでしたか?」
「脱出記」では、ユルーゲルがシエルの不眠症の世話をし、それによってシエルがユルーゲルを愛したという簡単な描写しか残されていない。
しかし、今のシエルからはそんな雰囲気を感じられないのだ。
「それで全部ですが。美しい方を美しいと感じるだけで、他のことが必要なのでしょうか?」
シエルも訳が分からないという表情を浮かべている。
「・・・ええと。アスちゃんもアスちゃんなりに美しいところがあると思いますよ」
「慰めるつもりなら、きちんと言ってください」
「あの方と比較して落胆してはいけません」
「私がどれだけ狂っていたとしても。ユルーゲル様と自分を比較しませんよ」
ユルーゲルの美貌と魔性は絶対的で、私との間には越えられない壁が約100個は存在するだろう。
セヤとの仲が進展したのかなと思いましたが、二人はまだ先生と生徒の関係のようですね。
戦争も終わりましたし、クラインの再登場も近いのではないでしょうか?
シエルがユルーゲルと会ったそうですが、今のところ、シエルが惚れている様子はなさそう。
ミオ卿も本当に惚れているのか分かりませんしね。