こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は59話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

59話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- セサール・カジック
セサール・カジック。
「脱出記」で彼を飾る描写は「蛇のような目」だった。
彼を見た瞬間、その言葉の意味を理解する。
氷より冷たい温度で、彼は私を見下ろしていた。
私が床に倒れていたからだけではないだろう。
その冷酷な瞳の次に発見したのは嫌悪感。
セサールは私を同じ人間だと思っていないかのように軽蔑し、嫌悪していたのだ。
ゾッとするような視線で。
論理的に説明できない侮蔑感。
彼は憎悪に近い目で見下ろし、私の血で汚された杖を騎士に投げ捨てた。
まるで、汚れがついたものを捨てるように。
「カジック伯爵、彼女はあなたが疎かにしていい女性ではありません」
アレックス卿が私の前に立ちはだかってくれた。
「王妃宮のずさんな管理を弁明するのではなく?」
「彼女は王子様の乳母です。何か理由があったはず」
「それでも侍女は侍女だ。どういう理由で王子の乳母が王妃の私語を盗み聞きし、卿はそれを放置していたのですか?」
「王子様の乳母の身分は低いですが、伯爵が彼女に理由を問いただしてもいい立場ではありません」
アレックス卿の言葉は丁寧ではあるが、警告も含まれていた。
私の立場は特殊なのだ。
身分は低いが、立場は低くない存在。
「問題を大きくしないでください、伯爵」
この辺で終わらせようというアレックス卿の提案に、セサールも大事にする気はなかったのか、不快な表情を浮かべて後退する。
「中に知らせてくれ。私が妻を迎えに来たと」
「ええ、伯爵」
セサールが部屋の中に入った後、アレックス卿が私を支えてくれる。
彼は少し躊躇うような態度で、私に綺麗なハンカチを渡した。
こめかみに当てると、ハンカチには血がべったりついていた。
一体、どれほど強く殴りつけたのだだろうか?
「洗ってお返しします。ありがとうございます、アレックス卿」
アレックス卿にお礼を言って、王子の部屋の方に戻る。
コーナーを曲がると、セヤが私の腕を支えて、心配そうにこめかみの傷を確認してくれた。
「医者を呼んできます」
「向かい側の部屋に王子様の主治医がいますので、お願いしてもいいでしょうか?」
その後すぐに、セサールは王妃の部屋から伯爵夫人を連れ出していた。
子供が欲しいと言ってたが、あんな男との間に子供を産んでも、彼女は不幸なのでは?
王妃の実家は多産で有名な家柄らしく、王妃も3姉妹のうちの一人であり、一番下には弟がいる。
一番上の姉は他国に嫁いでいるから分からないが、王妃と王妃の姉はそんなに幸せな結婚生活を送れていないだろう。
部屋の中に戻ると、エリーとアンナが不安そうな声で私を呼ぶ。
幸いにも、王子は部屋の中にいたようだ。
「どこにいたの?」
「向こうのピアノの下よ。大丈夫?」
「大丈夫よ、ありがとう」
私のことを心配しているのか、王子の目に暗い光がちらっと見える。
そんなはずがないのに。
それでも私を心配してくれていると思いたい。
「成長したら、私に恩返ししてくださいね、王子様?」
王子のふっくらした頬を撫でる。
もちろん、私の目標はその前に、私の世界に戻ること。
私はこの世界では生きていけない。
セヤが呼んだ王子の主治医はが治療を行う。
医者の手捌きは慎重だった。
本当に曖昧な位置だよね、小さな王子の乳母という立場は。
その後ろで、エリーとアンナ、そしてセヤが見守ってくれている。
授業は今度にして、王子の世話を二人に任せた後、私は一人で部屋に残った。
「セサール・カジック」
一つ一つの情報が繋がっていく。
彼は出生コンプレックスから自分を助けてくれたユルーゲルに心酔し、彼のために王妃の実家を没落させた張本人。
そして、クラインのレディーであるイディカ・カジックのお兄さん。
こうやって繋がっているのだ。
「脱出記」はエバンスとユルーゲルの愛に集中する小説だったため、言及されていない部分が多かった。
カジック伯爵家がクライン・カペラという傑出した人物が求愛したにもかかわらず、結婚相手として断った理由。
それは、クラインの非常識な執着とカジック伯爵の騎士としての劣等感のせいだろうと私は早とちりしていた。
けれど、カジック伯爵に直接会って知ることができた。
私を同じ人間とは思わない、あの冷たい青灰色の瞳に向かい合った瞬間、気づいたこと。
ベッドに両手を広げて仰向けになって考える。
セサール・カジックの冷たい瞳と、私を温かく大切に眺めていたクラインの瞳は同じ色だった。
違う方向から光を当てた一つの青い宝石のように、同じ結果と光を持った青い灰色の瞳。
見た瞬間に分かった。
何故かは分からないが、セサール・カジックとクライン・カペラは同じ血を共有していると。
話が複雑になってまいりました。
イディカの侍女だったアスにセサールは気づいた?
だからこそ、冷酷だったのでしょうか?
そして、クラインの謎も深まりましたね・・・。





