こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は60話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

60話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 3人の筆跡
「アス、起きてください。早く!」
いつの間にか寝ていたみたいだ。
中々起きない私を、シエルが無理矢理に起こして、私の額に何かを押し付ける。
痛い!
あまりにも痛くて目が眩む。
今になってようやく、大騒ぎしているシエルと彼の背後で王子を抱いているミオ卿の姿が目に入る。
「怪我をしているじゃないですか」
「殴られたんです」
「誰があなたを殴ったのですか?」
何だか変な気分だ。
私の首に痣を残した人に心配されているのは。
シエルがため息をついて私の額を触る。
彼の手が通り過ぎると、額の痛みが消えた。
治してくれたのだろうか?
鏡の前に座ってガーゼを外すと、血が出ていた額の傷跡が綺麗に治っているのが見えた。
未だに腹を立てているシエルと、ミオ卿がそれぞれベッドの端に座っている。
その時、鏡台の上に置いてある万年筆の指が触れた。
美しい曲線で刻まれたイニシャルの「C.K」
イディカ・ロジックが持っていたが、彼女のイニシャルではない。
万年筆を見せたとき、クラインの無関心な態度から見て、彼が持ち主ではないことも判明した。
なぜ、イディカは「アス・トケイン」にあげたのだろうか?
「君はどうして使わない万年筆をずっと見ている?」
ミオ卿が私のそばに近づいてきた。
「嫉妬しているの?」
「魔法使い!」
ベッドで王子と戯れていたシエルにミオ卿が怒鳴ると、シエルが魔法を使って、ミオ卿の頭の上に王子を着地させた。
シエルが言った「嫉妬している」という言葉が、私とミオ卿のことなのかと疑ったが、おそらく王子の方だろう。
ミカエル王子はミオ卿の髪の毛が好きなのか、口の中に入れてニッコリ笑っている。
シエルは王子をミオ卿から引き離す意思がなさそうだし、おかげで王子は幸せそうだった。
「いい万年筆ですね」
近づいてきたシエルが万年筆を見て言った。
彼は初めて見たのかな?
「魔法使いさんも万年筆について、よくご存知ですか?」
「詳しくはないけど、高いものを見分ける目はあるよ」
「そういえば魔法使いさんとイニシャルが同じですね」
「私へのプレゼントだったのでしょうか?」
シエルは冗談のような目で万年筆を見ていた。
「万年筆が欲しいのですか?」
「というよりは・・・」
シエルは恥ずかしそうに笑いながら、話し続ける。
「アスからのプレゼントが欲しいですね」
何かをあげたくてもシエルの好みが分からないし、私のような庶民が大魔法使い様にプレゼントできるものがあるのだろうか?
「魔法使いさん、ここにC.Kを書いてもらっていいですか?」
シエルは首を傾げながら、万年筆を持って『C.K』を書いて、その横にシエル・カッパーフィールドの名前も書いた。
シエルの字を初めて見た。
個性のある書体。
シエルの顔とは似合わない気もする。
「アスも私の名前を書いてみますか?」
「私がですか?」
「アスが書いた私の名前がどんな感じなのか知りたいです」
私はシエルの書いた文字の横に書いてみる。
子供が大人の文字を真似るような不器用さが少し残っていた。
ミカエル王子をシエルに預けた後、ミオ卿が万年筆を持って、『ミオ・ゾディアック』を書き入れ始めた。
彼の字は、女性らしい丸くて優しい感じの書体。
万年筆を貸してもらって、私もミオ卿の名前を書いてみる。
その後はしばらく3人でお互いの文字を観察し合っていた。
クラインの筆跡はどうだろうか?
ここに彼の名前も書いて欲しいと言ったら嫌がるかな?
頼めばしてくれそうだが、想像がつかない。
けれど、ちょっと面白くて、ちょっと満足な光景に思えた。
エバンスとユルーゲルが知らせもなく王妃宮を訪れたとき、王妃宮は大騒ぎになった。
「こんにちは、アス」
ユルーゲルがにこやかに挨拶をしてくる。
むっつりとした表情のエバンスとは違い、彼は私に近づき、こめかみに貼っていたガーゼを手でぎゅっと押さえた。
「聞いたよ。怪我をしたんだって?痛い?」
お前がそんなに押したら、痛くなくても痛いよ!
「心配してくださり、ありがとうございます」
「ミカエルは?」
エバンスの口からその名前が出たのが2回目だからだろうか、王子の名前と認識するのに時間がかかる。
「王子様はゆりかごの上に・・・」
話も終わっていないのに、ユルーゲルがエバンスの手を握って、王子のゆりかごの方へ歩いてしまっていた。
エバンスは興味なさそうに近づいて王子を見下ろす。
ユルーゲルが以前私にだけ聞こえるように、エバンスが息子を好きだと言ったことを思い出す。
本当に好きなのだろうか?
表情だけでは判断できない。
それより、少し前からドアの外が騒がしいのがすごく気になっている。
なぜ不吉な予感は外れないのだろうか・・・。
ドアが開かれると、そこには王妃がいた。
あの月夜の散歩以降、まともに顔を見るのは初めてだ。
「殿下」
「王妃」
夫婦は二人の子供を間に置いて、見知らぬ人のように礼儀正しく挨拶する。
赤ん坊を抱いているユルーゲルだけが笑っている。
「ユルーゲルから聞いたが、昨日王妃宮で騒ぎがあったそうだが?」
「恐れ多いですが、殿下。それはすべて私の失態です。王妃様は何も悪くありません」
私の弁明に、ユルーゲルの目が輝く。
この部屋に入ってきて、初めてエバンスの目が私をしっかりと眺めた。
「ああ・・・、これがあのアス・トケインか?」
「はい、殿下」
「ユルーゲルの言う通りのようだ」
ゾッとして鳥肌が立つ。
今、国王の逆鱗に触れたような気がするが、その問題が何だったのか分からない。
許可なく発言したこと?
王妃の味方をしたこと?
部屋の中の空気が冷たすぎる。
ミオ卿の嫉妬は可愛いですね♪
シエルの気持ちも気になりますが・・・。
エバンスとユルーゲルの目的がよく分からないですね(汗)





