こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は71話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

71話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 無気力
目の腫れているアンナが帰ってきたのは夜遅く。
エリーをはじめ、死者の遺体は王城の外で火葬された。
王宮の外の平民には、ほとんど被害がなかったそうだ。
王妃宮の地下室にある魔法陣。
単なる不妊治療の魔法陣だと思っていたのに、私には分からない何かがあるのだろう。
私よりも頭の良い人がこの世界に来るべきだった。
こんな推理は私の適正には合わない。
夕霧を迎えたアンナの体は冷たかった。
まるで、全身で涙を流しているかのよう。
泣いているアンナを抱きしめて、エリーのことを思った。
本の世界だからといって、彼らが人間でないわけではない、
私も人間だ。
一緒にいれば情が深まり、触れ合えば情が深まる。
「アンナ、エリーは楽しく過ごしてこれたかな?」
「うん・・・。エリーの一番上の弟が会いにきてくれたよ」
「えっ?」
「私と一緒にエリーの遺体に火をつけたわ」
「良かった・・・。エリーは弟たちが大好きだったものね」
「うん」
もしかしたら私の人生と私の世界も、誰かの本棚に置かれている本なのかもしれない。
私はそこでもエキストラ1だと思う。
シエルは今夜も帰ってこなかった。
どこに行って何をしているのか分からない。
聞きたいことが多いのに、ずっと見ることが出来ないので、私が果たして何を聞こうとしたのか、それを聞くとすべてが解消されるのか・・・。
私の中の頭もごちゃごちゃになっている。
そして、自分の宮に呼んだユルーゲルも静かだった。
彼も忙しいのだろうか?
この場所は王妃宮よりずっと人里離れた感じで、外の反応を伺うことができない。
まるで離島のよう。
「みんなどこへ行ったんだろう?」
王妃宮で一緒に働いていた侍女たちはどこへ配属されたのだろうか?
アンナに聞いてみる。
「本宮に行ったみたい・・・。ここは快適すぎるわね」
「そうだね。エリーもいればよかったのに。彼女も意外と怠けていたわよね」
そう話すと、アンナがまた泣きそうになる。
アンナはエリーの遺体を見ているせいか、周りの人の死を受け入れる正しい段階を踏んでいるようだ。
私は自分の世界でも誰かの喪失を経験したことがないからか、エリーの死そのものが実感できない。
一緒に働いていた同僚が他の会社に転職した、そんな気分だ。
エリーのことを思うと、幸せに暮らしている気がする。
「それでも王妃宮に帰りたい。みんなに会いたいね」
「そうだね、私も。でもここが一軒家なのはいいわよね」
ミカエル王子は近いうちに、独りの力で立ち上がれそうだ。
人生を最も段階的に生きているのは彼のようだ。
ここに移ってきて間もないが無気力だ。
これほど無気力だったことはない。
考えることが沢山あるが、それをあえて私が考える必要があるのだろうか?
巨大な流れにどうやって対抗しろと?
何もしたくない。
しかし、ミカエル王子は何かに掴まって、立ち上がろうと必死になっている。
「アンナ、王子が立ち上がったら、私たちの仕事はもっと大変になるわよね?」
「うん。絶対に目を離したら駄目だと思う」
「最近、年老いた気分になるわ」
「私も」
私も考えなければならない。
考えようとしない習慣をつけたら、頭がすぐに錆び付いてしまいそうだ。
考え方そのものを忘れてしまう。
何を考えればいいんだろうか?
セサール・カジックが魔法陣を探す理由?
クラインとセサールの関係?
これは堂々と聞いてみたい。
お二人はもしかして親戚ですか?と。
この屋敷に来てからアンナの無気力感が分かる。
気持ちは分かるけれど、私一人ではミカエル王子を見ることは不可能だ。
「アンナ、育児は私にだけ任せないで。助けて、王子様はすぐに歩くようになってしまうから」
そう切にお願いする。
王子が歩き出したら、本当に私一人では手に負えない。
この状況の中でユルーゲルの宮にいるから、余計に不安だったのだ。
しかし、理由もなく、根拠もなく彼を警戒しているのか分からない
私に何もしていないのに。
何かされた?
「脱出記」によると、ユルーゲルも悪い人ではないはずなのだが・・・。
たぶん。
アンナが笑顔を浮かべた。
「私はどこにも行かないわ。王子様の侍女というのが、経歴上どれほど大きな利点か。結婚市場でも人気が高いのよ」
「でしょ?私が一生懸命、知り合いの方々を絞り出して、いい男をたくさん紹介してあげるから!」
私たちはクスクス笑って、一日中、壁の花のように音もなく立っているミオ卿を見た。
「どうして俺を見る?」
「いいえ、私たちの中で一番自由に動けるのは、ミオ卿だと思って」
ミカエル王子の護衛騎士の3人はどこにいるのだろうか?
死んではいないはずだが。
本来はその3人がいなければ動けないが、ここはユルーゲルの宮。
ちょっと席を外すぐらいなら。
私たちの希望を聞き取ったミオ卿が笑顔を浮かべた。
優秀な顔で笑うと、すごく絵になる・・・。
私もアンナもしばらく呆然とした。
「いくらでも」
そう言って彼は宮を離れ、15分もかからずに戻ってきた。
別にクラインに会いたいわけではないが、こんな静かな別荘に3日もいると、外の消息が知りたくてたまらなかったのだ。
クラインが来れば、彼の副官も来てくれるだろう。
そうすればアンナに新しい活気を与えることが出来るかもしれない。
そして、エリーの死が与える憂鬱さを振り切って・・・。
アンナは私と会話をしていないときは何かを深く考えているようで、とても落ち込んでいるように見えた。
鬱病についてはよく知らないが、放っておいたら駄目だと思う。
実際に遺体を見たアンナの心情は辛いですよね・・・。
いつも明るかった彼女がこの状態はキツいです。
思い詰めた行動をしなければいいのですが・・・。
他のみんなの状況も気になります。



