こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は72話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。
72話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ダンスパートナー
ミオ卿は偉大なことを成し遂げた。
この別荘で、私たち以外の人と出会うことが出来たのだから。
訪れたのはセヤだ。
「アスちゃん、お元気でしたか?授業を続けないといけませんね」
今この瞬間、戦争よりもセヤの方がもっと怖いと感じる。
彼は音楽が流れる箱の蓋を開けた。
そしてワルツ風の音楽が流れて、彼が私に手を差し出してくる。
いきなり実践!?
セヤの手を取って踊り始めたが、メテオとセサール・カジックの影響で、私の脳内にダンスのステップを覚えている容量はなかった。
「・・・うん」
セヤは本当の紳士だ。
最初の授業の時よりずっと足をふまれながらも、小さく呻いてはいても、決して痛いふりを見せない。
彼は本当に紳士で、私は救いようのないやつだ。
曲が一つ終わるまでに、セヤが私に踏まれた回数は数えられない。
申し訳なくて、とてもセヤの顔を見上げられなかった。
「アスちゃん、カペラ伯爵の凱旋式が今週決まりました。この調子なら・・・」
「凱旋式?メテオのせいでみんな大騒ぎだったのに、どうして今週に、そんな大きなイベントをするのですか?」
私の質問に、セヤは少し困惑した表情を浮かべる。
アンナがミカエル王子を連れて部屋を出ようとすると、彼が手で制した。
「未婚のお嬢さんは、男と二人きりではダメですので」
これは上流階級の礼儀のようだが、ちょっとくすぐったい。
「そしてアスちゃん、良くないことがあったために、こんしたイベントが早められたのです。みんな忘れたがっているから」
私はエリーを早く忘れたくないのだが・・・。
「そして、遅れたけれど、心配しました。アスちゃんが無事だと聞いてはいたのですが」
「私も先生のことが気になっていました。授業が終わってからメテオが落ちたじゃないですか。無事に避難できたのか心配しました」
「私は本宮にいたので無事でした。僧侶の話によると、王妃宮所属の侍女たちも避難先で無事に過ごしているというので心配しないでください」
セヤがまた別の音楽を流す。
私、この曲を知ってる。
音楽だけ覚えている。
一番自信のなかったダンスなのに、全部忘れてしまった。
最初の一歩を踏み出した後、私が何のステップも踏めなくなると、流石にセヤも諦めざるを得ない。
「アスちゃん、このままでは凱旋式で無事に踊ることはできません」
「大丈夫です。私は乳母ですから、踊る機会はあまりないでしょう」
「アスちゃんは今有力な社交界の的になっていますので、ダンスの申し込みはたくさん受けるでしょう」
凱旋式の真ん中で、パートナーの足を思いっきり踏みながら踊る姿を想像する。
大変迷惑な姿だ。
「じゃあ、私は先生とだけ踊りますね」
「嬉しく聞こえるお言葉をありがとうございます。ですが、私も長生きはしたいのです、アスちゃん」
「何回も足を踏まれたからって、死にませんよ」
「いいえ、アスちゃんは人気があるので、私とだけ踊ったら、私を殺したがる人は多いでしょう」
私が成し遂げられなかった些細なロマンの一つが社交界の花になることだったが、それが実現するようだ。
たとえ、美貌一つで社交界を平定するのではなくても。
「でも私は好奇心をもって接してくる人よりも、先生と一緒にいたいです」
「アスちゃんに興味を持った人が、みんな悪いわけではありませんよ」
「それは分かっています。関心もないより、そういう関心がある方がずっと良いとは聞きますから」
「先生、本当に私が行く必要があるのですか?」
ミカエル王子を呼ぶなら別問題だが、今回は王子様は招待されていない。
昔から、大人たちの遊びに子供が割り込むものではないのだろう。
「多分・・・」
セヤはなかなか言葉を濁さないが、今回は違った。
「ユルーゲル様がアスちゃんを宴会場に呼んでくれるようです。あの方は、アスちゃんを驚かせようとしているようですから」
本当に?
犬を可愛がるのと似たような感情じゃないかと思っていたけど、私のことを好きなのかな?
確かに、犬を可愛がることも、広く言えば好きと言えそうだ。
私を自分と同等に見ないで、器用な動物のように見てはいるけど、それでもご飯はくれる。
「その日は、先生もいらっしゃいますか?」
私が宴会場に行ったらアンナはどうなるのかな?
ここに残ってミカエル王子と二人きり?
誰かが彼女と一緒にいるべきだ。
アンナは一人でいると、エリーのことを考えるに違いない。
「王国が2年待っていた勝利です。おそらく、すべての大臣がそこに寄り添うでしょう」
壮観でしょう、とセヤが耳に囁いたので、私はもう一度彼の足を踏んでしまった。
決して故意ではない。
ビックリしたからだ。
「アスちゃんはそういう事に関心がないようですね。数多くの貴族、令嬢が大宴会場で素敵な方と踊ることを夢見ているのに」
「まあ、少女のロマンは、それぞれ違うと言いますし。それに、似たようなものを、もう見たじゃないですか」
「いつですか?」
「この前の、終戦記念パーティーの時です」
あまりいい思い出ではなかったけど。
「じゃあ、アスちゃん」
腰を巻いていた手が滑り落ちる。
セヤは片方の手を握ったまま、もう片方の膝を地面につけて、彼の手の上に私の指先が乗っていた。
もしかして、これは少女のロマンナンバー10の中に入るもの?
まさか?
こんな状況でこんなに急に?
「凱旋式で、私のパートナーになっていただけますか?」
何処かから鐘の音が聞こえたようだ。
「はい、喜んで。先生、ぜひ私のパートナーになってください」
セヤは笑った。
「その日は先生ではないはずです」
じゃあ何と呼べばいいのだろうか?
「セヤ卿」と呼ぶべきか、「男爵様」と呼ぶべきか分からない。
その時になれば分かるだろう。
久しぶりのセヤの登場!
やっぱり彼は癒しですね♪
メテオの影響は受けていないようですので安心です。
そして、今度の凱旋式のダンスパートナーになりました。
クラインが知ったら、どんな反応をするか気になります。