こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は79話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

79話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ショッピングへ行きませんか?
シエルは熱でもあるのだろうか?
以前の彼ならば、頭に手が乗った時点で起こり出したはずなのに、今日の彼の様子はどこか異常だ。
「ちょっと待ってください、魔法使いさん。私が何か食べ物を準備します。疲労回復の魔法みたいなものはないのですか?」
「魔法は万能ではないので・・・」
「大魔法使いは法則を作り出すと話していたので、ないものも作り出せると思っていました」
「あ・・・」
シエルの状態は本当に良くないようだ。
私の話を聞いた彼は「万能」「万能」などと呟き始める。
ミオ卿の目にもシエルの具合が極めて悪く見えたのか、私を自分の背中に引っ張った。
シエルはため息をつくと、顔を覆い隠した。
そして、手を下ろすと最初よりもずっと顔色が良くなり、目つきもハッキリしていた。
「ありがとう、アスさん。私はしばらく自分のことを忘れていたようですね」
「眠れていないのでは?」
「今のところは大丈夫です」
それでも、私はシエルが心配だったので水を彼に注いであげる。
さっきの本当に死にそうな顔よりはマシだが、今もシエルの顔は休みなしで働き続けているサラリーマンのような顔と似ていた。
鬱病で、自殺寸前の患者さんのような顔。
シエルがぼうっとしている間は興味なさそうに見えたミカエル王子は、彼の目つきがハッキリしてから彼の元に向かう。
シエルの愛情は報われているらしい。
シエルが王子を好きなように、ミカエル王子もシエルが好きなのだから。
「ユルーゲル様が、魔法使いさんが心配だと言ってお茶をくれましたよ」
「ああ、そうだったのですね。香りが良くて、いいお茶です。優しい方なのですね、あの方は」
「魔法使いさんはユルーゲル様がお好きのようですね」
「いい方だと思いますよ。王妃宮の侍女たちは彼を嫌っているようですが、一度しか会っていない人の安否も気遣ってくれる人は、普通優しくていい方だと言うのではないでしょうか?」
いつの間にシエルはユルーゲルの人気について調査をしていたのだろうか?
あなた、私の部屋にいただけじゃないの?
そして、それはユルーゲルが善良で優しいというよりも、シエルが大魔法使いだからと思うと、私は索漠としすぎているのだろうか?
確認のため彼にもう一度尋ねる。
「でしたら、彼のことが好きなのですか?」
「優しい方を嫌がる必要があるのでしょうか?」
原作が変わったのか、でなければユルーゲルの信者だったシエルが彼に抱く感情の深さがこの程度だったのか分からない。
「脱出記」で、シエルが王妃に害を与えるようなことや、ユルーゲルの役に立つようなことをしなかったのは、感情の深さがこの程度だったからではないかという疑惑が生まれる。
原作が変わったのかどうか。
もし変わっていたら、それは私が流れを変えたのだろうか?
「ところでアスさん、・・・その服装はどんな用途でしょうか?」
セヤほどではないが、シエルもやはり紳士だった。
誰が見ても変な私の服装を何とか遠回しに指摘する。
私はまだミオ卿が買ってくれたドレスを着ている。
ミオ卿をからかおうという訳ではなく、着続けていれば、このドレスを手直しするアイディアが湧いてくるかもしれないと思ったからだ。
「ミオ卿が買ってくれました。今回のカペラ伯爵の凱旋式に着ていく予定なのです」
「それをですか?」
「ええ。それほど悪くないでしょう?」
正直、かなり悪い。
しかし、私たちはあえて真実を言って繊細なミオ卿の心を傷つけないことを暗黙の合意としたのだ。
そして、この服以外の選択肢もない。
ユルーゲル宮の侍女たちに服を借りる試みはできるが、そうなればユルーゲルの耳にも入るだろう。
彼が私の服を用意するかもしれない。
それだけは避けたかった。
何を返せばいいのか想像もつかないから。
「ええ、まあ・・・。少しだけ手直しをすれば・・・」
視線を避けたまま、苦しそうに答えるシエルが、何かを諦めたような口調で続ける。
「布の模様はいいと思います」
「そうですね。布地の見た目はいいと思います」
藍色の生地は本当に華やかで綺麗で、特別なものに見える。
「ですが、アスさん。このドレスにその靴は違うと思います」
「下着と靴は買わなければいけませんね」
「そんな話を大っぴらにしないでください」
シエルが顔を赤らめる。
え?
びっくり仰天したってこと?
下着に?
それとも靴に?
さらに問い詰めようとしたが、シエルは今回の戦場に出るまで、魔塔に住んでいた坊ちゃんだということを思い出した。
そうだよね、温室出身なら女性の下着には幻想があるのかもしれない。
その幻想を私が破ってあげたい。
「それなら私と一緒にお買い物に行きませんか?」
「何をですか?」
「下着と靴です」
しかし、シエルが答える前に、ミオ卿が先に反対する。
「王子様はどうする?」
「王子様を連れてお買い物をしてはいけないという決まりはありません」
私の私的な目的のために、アンナ一人にだけ王子を任せるのは、長期的な目で見てはいけないことだ。
アンナを失えば、私独りでの育児が始まってしまう。
しかし、私が王子を連れていくのは別問題。
ミオ卿の顔が歪む。
私が王子を連れて行けば、彼もついて来なければいけなくなるからだろう。
「警護の問題は?」
「ついて来てください」
「一国の後継者をお前は・・・!」
「庶民体験をしてみるのです」
この王国は戦争中だったが、王国の領土が戦場になったことはない。
民心は穏やかで優しい。
王宮ならともかく、街中でこのような赤ん坊がテロにあったり、脅されたりする子もないはずだ。
「話は決まったようですね。アスさん、明日何時に行きましょうか?」
「魔法使いさんが、こんなに意欲的だなんて。私はとても感動しています」
「急いでいるんじゃなかったのですか?」
実は、私よりシエルの方が浮き足立っているように見えた。
結局、シエルがここまで疲弊している理由は分かっていませんね。
単純に、今回のメテオの被害が激しいからなのでしょうか?
そして、シエルのユルーゲルの感情は愛情とは思えませんね。
単なる良い人止まりな印象を受けます。
これは、アスが原作に関与したからだと思うのですが・・・。





