こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は87話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

87話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 爵位の特権
「アンナ、王子様は大丈夫?一緒に転んだんじゃ?」
「大丈夫よ。けれど、今度からは王子様の頭に王冠でも被せようかと思って」
「誰が見ても『王子』って分かるように?」
悪くないアイディアだ。
ミカエル王子はちょっと可愛いだけで、某王国の王子のように、幼くても謹厳さ溢れる顔ではないから。
「とりあえず服を着てきなさいよ」
急いでいたからそのまま降りてきたけど、パジャマを着れば良かった。
王子を抱いてそそくさと2階に上がって部屋に入ると、ドアのそばに体を向けて、立っていたシエルが私に服の山を差し出す。
「・・・アスは常識がなさすぎます」
温室人生を生きてきたシエルにそんなことを言われると、私のこれまでの人生が疑わしくなってしまう。
シエルに王子を抱かせて、その代わりに服を受け取る。
セサール・カジックの服を脱ぐ前に、その匂いを嗅いでみた。
ほんのりと火に焦げた火打ち石のような濃厚な香りがする。
日が暮れてもいないのに、私はもう疲れた。
ミカエル王子の観察日記の7日目も書きたいが、すべてが面倒臭い。
私はユルーゲルがくれた、とても親切に1日分の服用量に包装された不眠症の薬を持って少しだけ悩む。
これは毎日のように飲む必要があるのだろうか?
効果もよく分からないし。
薬を引き出しに入れて席を立つ。
今日は、アンナと一緒にミカエル王子のオモチャを作ってあげよう。
「私がカジック伯爵一人も防げそうに見えなかったのか?」
びっくりした。
部屋を出るや否や、ドアのそばで腕を組んで寄りかかっているミオ卿を発見したから。
「ミオ卿?どうしてここに?」
「あんな風に君が出る必要はなかった」
どうやら自尊心が傷つけられたようだ。
私にとっては、あまり下着のように思えない下着なので、パジャマのように思って動いたことは、この世界の人々にはかなり衝撃的だったのだろうか?
私は誰かが怪我をしそうで、元気のないアンナになる確率が高く見えたので、物事を迅速に解決したかっただけだ。
「ミオ卿の実力が卓越していることは知っています。しかし、相手は貴族なのですよ?」
「アス、有力な家門ではないが、私も貴族の端くれだ」
どうも納得した表情には見えない顔で、ミオ卿がそう話す。
・・・私は今まで彼が平民だと思い込んでいた。
あ、ちょっと待って。
「それで、爵位はミオ卿のですか?」
「いいや、まだ父親が健在だ・・・」
「その後にミオ卿が引き継ぐのですか?」
「兄がいる」
百歩譲って、ミオ卿が爵位を譲り受ける予定だとしても、すでに爵位を持っているセサール・カジックと肩を並べるのは絶対にあり得ないことだと思うが。
「とにかく、ミオ卿は負けたのです。勝てない相手に飛びかかるのは止めましょう」
「お前こそ考えてから行動しろ!」
何かもっと問い詰めたそうに見えたが、ミオ卿は強ばった表情で1階に降りてしまった。
いつも憂愁に満ちた憂鬱な顔なのに、あんなにまで真剣な表情は見たことがない。
何だかちょっと呆れて、私もそんなに気分が良くない。
この雰囲気の中に同じ空間にいたくないから、やっぱり鯉に餌をあげに行こうかな・・・。
いいや、それは面倒臭い。
我慢しなきゃ。
私は元々よく我慢する方だから大丈夫。
世の中では我慢することが一番大事なのだ。
そうやって1日が終わると思っていた。
終わってたら良かったのに。
ユルーゲルが私を呼んだ。
どうも1日が長過ぎる。
静かで訪問者もいなかった別荘にセサール・カジックが来てから、再び私を探していなかったユルーゲルが私の元を訪れる。
爵位がなかったら、ユルーゲルが呼んでも行くことはなかったし、ミオ卿もセサール・カジックに剣を突きつけていただろう。
今回は王子を置いて私だけを呼んでいるので緊張する。
これまでユルーゲルに対して王子様が同行しなかったことは殆どない。
ユルーゲルの目的はいつも王子で、私はそこに付随的に付いていくおまけだった。
「体調を崩したんだってね?アス、君は病気になっちゃいけない」
「ご心配おかけして申し訳ありません。幸いにも私は健康的な体質ですから、これからは心配をかけることはないでしょう」
「そうこなくちゃ」
「王子様を連れてくれば良かったですね」
ユルーゲルは長椅子に半分寝たまま私をじっと見ている。
何か間違っただろうか?
「王子がそろそろ人見知りしてるみたいだからね」
「・・・そうでしたか?」
「うん。私に対しても人見知りするんじゃないかな?」
ユルーゲルはそう言いながら笑った。
「いくら私だと言っても、あれほど可愛がっていた王子様が私を見慣れないように遠ざけられたら胸が痛む。私たちは親しい間柄だから」
よくやった、王子!
「病気だから顔を見てみようかと思って呼んでみただけだから。不便なところはないよね?」
「はい、お世話になりましてありがとうございます」
「王妃宮の復旧には時間がかかりそうだから不便なことがあればいくらでも言ってね」
「はい、ありがとうございます」
もう行っていいのかと思って最後の挨拶をしたとき、ユルーゲルは突然手を出して私の髪を引っ張った。
彼は目を美し曲げて笑う。
「とてもいい匂いがするね」
ミオ卿がこれほどまでに感情を露わにしたのは、アスに助けられたから?
早く仲直りしてほしいですね♪
そして、ユルーゲルがアスを呼んだ理由は本当に体調を心配して?
彼の考えが読めませんね。





