こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は92話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。
92話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 考えるのはやめよう
「少し大きくなったかな?」
最初に薬を与えた時は小さい魚に見えたが、生態系が変わったのか今はある程度ふっくらとしているので、食べられる大きさに思える。
この子たち、食用だよね?
私は持ってきた薬をぱたぱたと池に落とした。
鯉にとってはどんな味なのか分からないが、一目で飛びついてよく食べる。
本格的にしゃがんで、鯉を見始めた。
座っていたら王子を池に落としそうになったので、もう一度抱きしめなければならない。
そうしているうちに、遠くから近づいてくる黒くて大きな鯉が見えた。
その鯉の目は、クラインの目の色に似ている。
実際、彼のプロポーズはロマンチックではなかったが、魅力的ではあった。
彼はすぐに公爵に昇級する人だから、彼と結婚したら私は公爵夫人になるだろう。
私を愛しているかどうかは分からないが、私の存在が彼の中で唯一の価値を持った人であることは正しいので、浮気したり私を疎かにすることもなく、ある意味では本当に理想的な人だった。
少し揺れたのは仕方がない。
重要なのはクラインの気持ちではなく、私の気持ちかもしれない。
手に残っている粉を鯉の頭に落とした後、振り向こうとしたその時。
最後に踊るように泳いできた大きな黒色の鯉が周りにいる他の鯉を攻撃し始めたのだ。
喧嘩を売るようなレベルではなく、その鯉は薬を飲んだ鯉の体を食いちぎっていた。
そして、池に血が広がっていく。
私は死んだ魚の紫色の血ではなく、生きている魚の血を初めて見た。
他の鯉も血の匂いを嗅いだ吸血鬼のように一斉に攻撃された鯉に飛びかかり、その血と肉を噛みちぎって飲み込んでいた。
鯉一匹があっという間に白い骨になってしまい、その後は修羅場だ。
体が何倍も大きい鯉に、多くの鯉が寄り添う。
大きな鯉は四方から飛びかかってくる鯉の群れに押されて地面に引き摺り下ろされ、下から血が広がってきた。
乳母の血を被った時よりずっと吐き気がする。
たちまち池は血の海になった。
喉から押し寄せてくる胃液を無理やり飲み込んだが、残酷な光景を見たため、吐き気が止まらない。
体の半分を仲間に食われた鯉が、私の足の前でバタバタしていた。
何が問題だったの?
一体、急にどうしたの?
怖い・・・。
私は王子をギュッと抱きしめた。
何が何だか分かっていない王子は、水面が急に騒々しくなって、ちょっと驚いたのか、両腕で私の首をギュッと抱えている。
座り込んだ私は、池から離れようとしたが容易ではなかった。
目を背けたいが、体がどうなっているのか残酷さの中から更に残酷なものを見つけ出して、目を離すことができない。
どうしても目を覆いたいのに、瞼まで思うように動かなかった。
「アス!」
急に目の前が真っ暗になる。
体が揺れて、何かが私の体を抱きしめた。
びっくりする度に、私を抱きしめる力はさらに強くなる。
息苦しい声が私を呼んでいるようだった。
もがいていると、慣れた匂いを嗅いで止まる。
言葉で定義することは難しいが、それは確かに嗅ぎ慣れた匂いだ。
「ミオ・・・卿・・・?」
「歩けるか?」
「何も見えません」
「私の服で覆っているからだ。掴めば歩けるか?」
ああ、服で覆っていたから音もよく聞こえないし、息苦しくて、目の前が見えなかったみたい。
私は癇癪を起こす王子を抱きしめる。
良かった、落としていない。
「歩けなさそうです」
髪の毛を隠している服を脱ごうとする。
遮られた狭い世界では、見慣れたミオ卿の匂いだけがした。
しかし、この服を脱げば、すぐに血生臭い匂いがしそうだ。
ミオ卿は服を脱ごうとする私の手をギュッと抑える。
「脱ぐな」
そう言って私を抱きしめた。
お姫様抱っこをされている。
この瞬間も、こんなことを考える私は大物だろう。
でもそう考えないと、まだ聞こえてくる音に対して考えてしまいそうだから。
考えるのはやめよう。
この世界は私にバカになることを要求している。
考えるのはやめよう。
どうして世界がこんなに無礼なのか本当に分からない。
考えるのはやめよう。
小説の中の人生なら、もっと幸せでなければならないんじゃないの?
考えるのはやめよう。
怖い。
だから考えてはいけない。
服の中は狭く、ミオ卿の慣れた匂いがした。
上半身裸になった直後はもう少し暖かったと思うが、気が付く前に温もりは早く冷めた。
服の中は3人の体温で暖かい。
私は、窮屈になって身を委ねる王子を抱きしめながら、ミオ卿の懐にもう少し食い込んだ。
他人の体温と動悸をもっと感じたかった。
私はこんなに驚いたのに、うちの王子様は大丈夫みたい。
鯉の異常は、明らかにユルーゲルの渡した薬が原因ですよね。
アスが飲んでいた場合を考えると恐ろしいです・・・。
ピンチの時にミオ卿が登場は嬉しいですね!
彼の存在は非常に大きいと思います♪