こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は93話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

93話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 君が願うのなら
素早く歩いていたミオ卿はしばらく立ち止まった後、少しスピードを落として歩き始めた。
ザクザクという足音が服に一度引っかかって鈍く聞こえる。
驚いたことに、あらゆる音と温もりが私を落ち着かせていた。
しばらくしてミオ卿が私を床に降ろしてくれる。
私は少し待ってから、自分の手でミオ卿の服を脱いだ。
水の音が聞こえないから、あの酷い場所から遠く離れた所へ来たのは確かだろう。
真昼の日差しは本当に明るくて、今私が見た惨めな光景と相容れなかった。
私が与えた餌、つまり薬を飲んでいた鯉たちが集団でお互いを噛み砕いて食べていた。
考えると胸がムカムカするし、その時の血生臭い匂いが感じられる。
なんだかシエルに申し訳なくなってきた。
彼が戦場に出て見た光景があんなものならば、私も気が狂いそうだ。
私が見たのか鯉だが、彼が見たのは人だ。
何がどうなっているのか分からないが、薬のせいだというのは分かった。
同族を攻撃する薬だったのだろうか?
人は攻撃しないのかな?
あの時、私が声を出していたら、私を攻撃していたのだろうか?
ユルーゲルはそんな薬をシエルに飲ませている?
考えたらダメだ。
考えれば、私はあっという間に死ぬかもしれない。
いや・・・、私の命は<脱出記>が保障してくれている。
けれど、<脱出記>には五体満足の乳母とは書かれていない。
我に返ると、私は身震いして喘いでおり、その前でミオ卿は片膝を崩したまま、私を黙って見つめていた。
時間は昼下がり、目が痛くなるほど明るい日光が放り注ぐ森と木々、葉っぱが明るく美しい色に輝いていたが、ミオ卿の瞳は森の影より濃くて深い。
「みんな殺してあげようか?」
ミオ卿はその濃く暗い目で私に尋ねた。
私は彼の目の中から自分を見つけようとしたが、太陽に背を向けている彼の目は暗くて、何も映らない。
「ご覧になったのですか?」
「少しだけ」
私の手はまだ震えていて、無様な光景だった。
何が間違っているのか分からない。
けれど、薬が原因であることだけは確かだ。
「アス、君が願うのならみんな殺してやる」
誰を?
「誰が見ても正常ではないと言うだろう。あの鯉たちを殺しても、文句は言われない」
あ・・・、考え続けていたから、思考が停止していたようだ。
ミオ卿が鯉のことを喋っているのに気づく。
私のために鯉を全滅させるという男は、実にロマンチックだ。
私の人生が、こんなにロマンチックだなんて本当に手に負えないし、すごく良かった。
「それよりも・・・」
私の声は少し掠れていた。
大声を出したわけではないが、言葉を続けるのも難しくて、何度か首に力を入れて声を整えなければ、喋り続けることができない。
「もう少しだけ抱きしめてくれますか?体がずっと震えてて・・・」
ミオ卿が私を支えてくれるといいのだが、手が震えて、王子を抱いていられないくらいだ。
寒くもないのに、どうしてこんなに体が震えるのだろうか?
私は、近くに置いていたミオ卿の服を持って、膝の上に被せた。
服に染み付いている温もりと匂いが私を安堵させる。
状況が全体的に狂っているようだ。
(私も狂いそう・・・。いや、少し狂っているのかな?)
ミオ卿はゆっくりと身をかがめて私を抱きしめてくれた。
彼の体は温かくて、むしろ冷たく固まっている自分の体を感じるほどだ。
それでも寒いからミカエル王子をもっと抱き込んで、ミオ卿の懐に潜り込む。
ミオ卿はしばらく静止した後、私の代わりに王子を抱いて、もう一方の腕で私を抱きしめた。
少し楽になってきた。
さっき、池で私が見たのが間違いだったらいいのに。
「ミオ卿、あの、叫びたいです」
「叫べばいい」
「いいのですか?」
「アス、君ができないと思うことの多くはやってもいいことだ」
本当に不思議なことに、ミオ卿の言葉が多くの慰めになった。
ユルーゲルはあの薬をどうしてシエルに飲ませようとしたのだろうか?
シエルを破壊したくて?
薬は、どれくらい残ってたっけ?
薬と一緒にくれたお茶はシエルに渡したけど。
お茶も捨てないと。
シエルは大丈夫なのだろうか?
しかし、シエルを麻痺中毒にさせて何を企んでいたのだろうか?
そして私を通じてシエルにこの薬を与えようとしたのは偶然?
「アス、君は少し寝た方がいい。疲れて見える」
ミオ卿の手が私の目を覆う。
いや、私は今考えないといけないのに。
しかし不思議にも、目隠しをされると眠くなってきた。
ああ、そういえば今日は朝が早かったっけ・・・。
寝なければならない。
眠ればショックも治るだろう。
(私の世界では、私は精神的に強かったはず)
今日は持ち堪えた。
しかし、いつか線が切れる日が来そうで怖い。
私はミオ卿の手の中で目を閉じた。
心配なことがある。
ミオ卿は、私とミカエル王子を屋敷まで送ることができるのだろうか?
眠っている私は王子を抱けないと思うのだが、私は彼を信じることにした。
今回のミオ卿は非常にカッコ良かったです!
セヤも良いですが、アスにはミオ卿が一番お似合いだと思います♪
ユルーゲルの目的は不明ですが、シエルの体調が心配ですね・・・。
そして、ミオ卿はアスとミカエル王子を連れていくことができるのでしょうか?




