こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は96話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

96話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 私を愛していないあなたへ
黄色いフリージアをプレゼントされた。
香りの濃いフリージアは思ったより私の気分を良くして、そろそろ花が好きそうになる。
花に首を埋めて笑うと、クラインも私を見て笑った。
「良い気分になってくれて良かった」
「白い花じゃないので、気持ちいいです」
「白い花は、嫌いでしたか?」
「嫌いだったわけじゃないけど、好きでもありませんでしたから」
花のプレゼントが嫌なわけではないが、会うたびに貰えば感動も減るだろう。
クラインは微笑んだまま、花にかかった私の髪を耳の後ろに流した。
「あの時は、あの花があなたに似ていると思っていましたから」
これはちょっとロマンチックな言葉だ。
一度も、自分が花に似ているって思ったことがないんだけど。
花に似ているということは、それがどんな花であれ、美人の喩えなので、仕方なく私も顔を赤らめてエヘヘと笑う。
「今は違うのですか?」
「今はすべての花からあなたの姿が見えます。昨日、あなたの話を聞いて色んなことを考えてみました。あなたと彼女が溺れたなら、当然あなたを助けるとは断言できません。しかし、だからと言って彼女を先に救うこともできません。二人とも私には大切な存在なのですから。それでは駄目でしょうか?」
はい、駄目です。
二兎を追う者は一兎をも得ず。
私は何も言わずにフリージアを撫でる。
結婚は現実だと皆が言うが、それがこの世界で適用されるとは思ってもいなかった。
感情を切り離して考えれば、こんな条件の男性が二度と現れるとは思えない。
決して浮気をしない若くてハンサムで能力のある権力者。
「それが結婚事由になるには足りないです」
私はため息をついたが、クラインはまさに目が眩んだように微笑んだ。
「それでは結婚を前提に付き合う間柄にはなれますか?」
結婚を前提に付き合うと言うことは、いい加減にしていたら結婚することになるという言葉だね。
「いいえ、伯爵様が言い寄って下さっているのに、私はいつも蹴っている間柄です」
クラインはそうだねと、言いながら、私の手を握って手のひらに口付けした。
そして、俯いたまま、その青い灰色の瞳で私を見つめながら、ゆっくり笑う。
ゾッとして産毛が生えた。
「ずっと求愛すればいいですね。アス、あなたが許可してくれるまで」
その低い声を聞いて、手先から始め、腕や肩に乗った体温が顔に向かって駆け上がる。
あまりいやらしい話をしたわけでもないのに、全身が赤く火照っていた。
こんな危険なフェロモンをどこから教わってきたのだろうか・・・?
「今日は、お願いがあって参りました」
「何でしょうか?」
「私が公爵になる日、あなたに初めてそう呼んでいただきたいのです」
それは多分不可能ではないだろうか。
ミカエル王子の名前を初めて呼んだ人が国王エバンスだったように、クラインを公式にカペラ公爵と初めて呼ぶ人はエバンスになるだろう。
クラインは手を差し出したが、私は彼の手を握ることができなかった。
その言葉は言葉通り、その日私に、カペラ公爵様万歳!と一番最初に音頭を取ってほしいというのではなく、私がパートナーになることを願う言葉だったから。
この男も大したものだ。
私は侍女ではあるけれど、人気が全くないと信じているのか、それとも自分のための待機組だと思っているのか・・・。
どうすれば、イベントの前日にパートナー申請をするのだろうか?
だから長い間公職にいた権力者たちと温室は駄目なんだ。
世の中が自分の思い通りに回らないということも知らなければならない。
「ありがとうございます。ですが、私にはもう先客がいますから」
「ミオ卿でしょうか?」
「いいえ、セヤ男爵様です。一度会ったことがありますよね?私の先生です」
「それでは私の気持ちだけでも受け取っていただけませんか?」
気持ちだけなら・・・。
うなずくと、クラインは嬉しそうに笑った。
「ではナハ女王の処刑式を一緒に見物しませんか?」
「女王のですか?」
そういえばエリーの葬式に行ってきたアンナが、ナハ女王が捕まり、処刑されると言ったことを思い出す。
人が公開処刑されることなのに、それをお祭りのようには話すのは奇妙なことだ。
まあ、セヤとの約束にはナハ女王が含まれていなかったので頷いた。
クラインは満足した微笑みで、私の手のひらにもう一度キスをし、去ろうとする。
「アス?」
そういうつもりじゃなかったが、私はクラインの裾を掴んでいた。
彼が立ち去るのが寂しいからではない。
昨日私はシエルと会話をした後も、鯉と薬について考え続けた。
シエルには聞けない。
世の中の法則を見て、作り、扱うという大魔法使いには、むやみに聞くことはできないから。
そして、彼に害になるかもしれない薬を飲ませようとしたことは言いたくなかった。
他人に利用されて、彼を自分の手で傷つけるところだったとは絶対に言いたくない。
しかし、クラインなら私に記憶がないということを知っていて、絶対に私を害することができないクラインなら聞いてもいいんじゃないかな?
「伯爵様は私にもう嘘はつきませんよね?」
「・・・何かあったのですか?」
「クォーテリン家について話してください」
クラインの求婚が甘すぎる!
どれだけアスに拒まれても諦めない彼の気持ちが強いことが分かりますね。
クォーテリン家はユルーゲルの姓。
クラインは教えてくれるのでしょうか?





