こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は97話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

97話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- クォーテリン家
風が吹き、フリージアの香りがした。
私はふと胸の中のフリージアを抜いて、クラインに渡す。
彼は訳も分からずフリージアを受け取り、手の中で少しずつ回していた。
「すでに滅門になった家門について、どうして知りたいのですか?」
「もしかしたら、その家門と大魔法使いの間に恨みがあるのかなと思って」
「そう思う根拠でも?」
私はちょっと躊躇した。
ここから遠くない場所に鯉がいる池がある。
それでさらに躊躇したのだ。
「カペラ伯爵様、少し手を握ってくれませんか?」
そう伝えると、クラインは喜んで私の手を握ってくれる。
丈夫で、手のひらの内側は硬い。
しかし、この手が私の手を握るたびに堕落する体に翼が生えるように安堵したことを覚えている。
クラインの手を取って、昨日、鯉の骨肉争いの池に率先して歩いて行った。
けれども茂みを一つ前に置いて、私は前へ進む勇気を失う。
私が緊張していることに気づいたのだろうか?
クラインは私を残して前に進んだ。
「私が一人で見て来た方がいいでしょうか?」
「・・・すみません」
「行って来ますね」
茂みを超えた彼の赤い髪の毛は徐々に小さくなり、ある瞬間で立ち止まった。
彼はそのまましばらく茂みに隠れて池を見下ろす。
クラインも長居はしなかった。
「・・・ご覧になりましたか?」
私の質問に、クラインはうなずいた。
何を見たのかは聞けない。
心なしか、彼の胸にあるフリージアが生臭い気がする。
「ユルーゲル様が大魔法使いに飲ませるように薬をくれました。私がそれを鯉たちに食べさせてみた途端・・・」
クラインは手を伸ばして私の両手を上げた。
彼の胸の高さまで持ち上げられた私の手は、微かに震えている。
(クラインと一緒だから安全のはずなのに。それでも何で怖いんだろう?)
クラインは硬い指先で、私の指を撫で下ろした。
吐息が出そうになるような仕草で。
「クォーテリン家は今では滅門になった家門です。殿下が即位する際に粛清された貴族の一人で、ユルーゲル様は当時自分の家門が危険になる可能性があることを知りながら、内部資料を盗み出して殿下に渡したのです」
知っている。
ユルーゲルは自分の家門をすべて捧げて、エバンスとの愛を選択したのだから。
当時、エバンスの粛清は厳しかったが、クォーテリン家の罪はそれほど大きくなかった。
エバンスの登場を直接妨害したというよりは有力家の手下の役割をした程度に過ぎなかったため、関係者たちはユルーゲルが家の罪を隠して覆うことを選択すると思っていた。
しかし、ユルーゲルは家門を捧げて愛を得ることに。
エバンスがユルーゲルを見て、クォーテリン家には善処を下したとか。
それでも、ユルーゲルは両親を失ったのだが。
「それじゃあ、現在クォーテリン家は大魔法使いにこのようなことをする余裕がないはずですが、それを凌駕する恨みがある可能性はあるのでしょうか?」
「クォーテリン家は代々、大魔法使いを輩出してきた家門です。あえて今の大魔法使いを害する理由はないはずですが」
うん・・・?
「クォーテリン家から大魔法使いを輩出したのですか?じゃあ、シエル・カッパーフィールドも?」
「彼は関係ありません。私の知る限りでは前々代の大魔法使いもクォーテリン家出身だったのですが、他にも多いですよ。古代の大魔法使い、ミカエル・クォーテリンを輩出して以来、魔法で有名だった家門です。今は違いますが」
「うーん、もしかしてそれが原因かもしれないのではないでしょうか?今の大魔法使いを除去して次にクォーテリン家から大魔法使いを輩出するとか?」
「クォーテリン家は今、それだけの余力がありません。殿下から善処を受けていますが、相当多くの人材と若者を失っていますから。優秀な後継者は残っていないはずです」
疑念が再び原点に戻る。
ユルーゲルの個人的恨みというには、規模が大きく悪辣で家門単位の恨みだと思っていたが、家門にそれほどの余力がないと言うのだから家門は抜いても良さそうだ。
しかし一方で、クォーテリン家がもともと大魔法使いをたくさん輩出した家門であったという部分が引っかかる。
クォーテリン家、あるいはユルーゲルが大魔法使いシエル・カッパーフィールドを完全に破壊して得られるものは何だろうか?
意図自体がないのかな?
それが一番最悪なのだが。
「クォーテリン家は本当に大魔法使いを殺す計画を立てる余力もないのでしょうか?」
「今、クォーテリン家の後継者は若すぎるか、年をとり過ぎています。計画を立てるとしても時間が必要でしょう」
私の手にはすでに必要な玉や材料が全部集まっている。
これを一度に発火させる何かが必要だ。
ところが、私は重要な何かを見逃したような気がする。
何だろうか?
魔法陣?
イマイチ謎が解けませんね・・・。
シエルの毒殺計画は、ユルーゲルの単独計画?
それともクォーテリン家としての計画?
まだ謎は解けないままです。





