こんにちは、ピッコです。
「メイドとして生き残ります」を紹介させていただきます。
今回は99話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

ラーメンを作っていたはずが、気がつくと読んでいた小説の脇役メイドになっていた!
国王は美しい魔性の男「ユルーゲル」に夢中で、王妃を冷遇しており、小説では病気で亡くなるまでそれが続いていた。
王妃付きの平凡なメイドの私が細く長く生き残ることができるの!?
アス・トケイン:主人公。ラーメンを作っている途中で異世界のメイドに。王子の乳母になる。
ミカエル:王子。
ユルーゲル:王に愛される若くて美しい男。
エバンス:若くて強い王。
ミナ:アスのルームメイト。
アレックス・ミュヒート:王妃が里から連れてきた護衛騎士。
ミオ・ゾディアック:幼い王子の護衛騎士。
スサ:メイド長。
セヤ・リョーミン:男爵。アスの家庭教師。スサの従姉妹。
クライン・カペラ:王の親友。国が誇る最強の武将。
シエル:大魔法使い。
セサール・カジック:伯爵。

99話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ファーストダンス
「クライン・カペラ伯爵様です」
耳慣れた名前が聞こえ、宴会場がざわめく。
全員が彼の名前に反応するような。
私はセヤの手を取って、入り口を見渡す。
クラインを見るたびに、いつもあの髪の色がまず目に入る。
周りの色が色褪せるような鮮やかな赤い髪の毛の彼は、王妃宮に私を訪ねてくる時とは少し違う表情で宴会場に入ってきた。
誰もが彼に注目している。
今日は少し変な日。
公的な席で公的な顔をしたセヤとクラインは、馴染みのないどこかセクシーな感じだった。
クラインは親切だが、倦怠感たっぷりに周囲の接近を遮断する表情で宴会場を見回している。
砂場で宝石を探す人のようにゆっくりと。
そして、彼が私を見つけ出した。
遠くだったが、理解できる。
彼が私を見つけたと。
にこやかな顔つきに変わったクラインは、すぐに私の方に歩いてきて私の名前を呼ぶ。
「アス」
最近、彼に名前を呼ばれると耳の根本が痒くなるが掻いてもスッキリしない変な感じだ。
「私の贈ったドレスを着ていないのですね」
「前もって買っておいたドレスがありましたので。ですが、手袋や宝石は伯爵様がくれたものです」
クラインが寂しがるのではないかと思って、急いでネックレスを見せる。
彼は白基調の礼服を着ていて、私に贈ったドレスとペアになるオーダーメイドのデザインだ。
あのドレスを着ていたら、誰が見ても私がクラインのパートナーだと思っただろう。
着て来なくて良かった。
私の選択は正しかった。
クラインは寂しそうな表情を浮かべると同時に喜ぶ。
私はその度に申し訳ないと思った。
「伯爵様、こちらはセヤ・リョーミン男爵様でございます。お二人は旧知の仲ですよね?」
「お会い出来て嬉しいです、男爵」
「戦勝おめでとうございます、伯爵様」
対話はそれ以上続かなかった。
今日のセヤを見ていると、他人と適当に仲良くしているようなのだが。
そうなると、問題はクラインの方?
そういえば、クラインはミオ卿とも仲良くないように見える。
今日の宴会の主人公は彼なのに、あえて人々が近づかないのを見れば、クラインは社交関係が良くないみたいだ。
私が断ったからなのかな。
彼にはパートナーもいない。
こういう席にはエスコートする女性同伴が必須だと思うのだけれど・・・。
確かに、彼は一途にイディカを想っているので、あえて他の女性と仲良くすることはなさそうだ。
しかし、最も人気の高い花婿候補であるはずなのに、彼の青春が惜しい。
彼が私にプロポーズしたことはしばらく忘れることにしている。
本当はずっと忘れていたいのだが。
突然、セヤが握っていた私の手にもっと力を入れて握ってくる。
玉座の置かれた壇の近くに、白い布がかかった大きな物が入ってきていた。
終始3、4人が協力して運んでいる。
「伯爵様、あれはもしかして?」
「ええ、ナハの異種族、異形の王族です」
ナハの王族は昔、異種族と血を混ぜて、時には珍しく翼が生えた異形の王族が生まれるという。
今回、クラインが参加した戦争で捕らえた王族の間に、たった一人、そのような異形の王族がいたという。
名前はなんだっけ?
思い出せない。
<脱出記>では、重要度に比べて圧倒的だった天使のような異形の王族がユルーゲルに忠誠を誓うイベントがある。
ストーリーに関与するところがなくても、映画のようにカッコいいはず。
まだエバンスは登場していないが、宴会場に軽い音楽が流れ始めた。
そして、若い貴族たちがペアを組んで宴会場の中央に出る。
国王が登場していないのに、もうダンス?
「既婚者はもう少し待たなければなりませんが、未婚の男女はこれから踊ってもいいそうです。アスさん、私と初めてのダンスを踊っていただけますか?」
セヤが私の目の前で半分膝をついて求めてきた。
当然、セヤとファーストダンスをするだろうと思っていたが、すぐ横でクラインが見ていると、何だかちょっと気になる。
クラインもセヤの差し出した手をじっと見ていた。
「・・・喜んで」
何故だろうか。
私は間違っていないのに、こんなにも浮気している気がするのは。
私たちは若い未婚の男女の間でダンスを始めた。
始まりは軽いワルツ。
よかった。
何とかワルツは踊れるから、セヤの足を踏むことで踊り始めなくてもよかった。
「みんなが言うには」
音楽に合わせて美しい刺繍が施されたドレスの裾とレースが一斉に宙に美しい模様を描き出している。
その美しいドレスの間で、私のドレスも花びらのように揺れた。
何度も円を描いたあとに、セヤが優しく口を開く。
「私がアスさんを独り占めしたんですって」
ちょっと恥ずかしいな。
私にはその声が聞こえないのに、セヤはみんなのヒソヒソ話が聞こえているようだ。
異形の王族が気になりますね。
セヤの様子も気になります。
何か関係があるのでしょうか?





