こんにちは、ピッコです。
「伯爵家の暴れん坊になった」を紹介させていただきます。
今回は79話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

目を開けると、そこは小説の中だった。
暴君として名高い伯爵家の令息の体に憑依してしまった樹は…!?
ケイル・ヘニトゥス:主人公。伯爵家の暴れん坊息子。前世は「キム・ロクス」
チェハン:小説の主人公。復讐心を胸に、旅に出る。
オン、ホン:猫人族の子供。姉弟。
ロン:執事長。東大陸からやってきた元暗殺者。
ビクロス:執事長ロンの息子。
ハンス:副執事長。
デルト・ヘニトゥス:伯爵家の主。ケイルの父親。
バイオラン・ヘニトゥス:伯爵夫人。継母。
バセン、リリー:ケレスの弟と妹。
ビロス:金持ちの庶子。商人。
ロザリン:暗殺者から逃れたブレック王国の王女。
ラーク:狼王の後継者。
ベニオン・ステン:侯爵家。小説の悪役。典型的な権威主義貴族。

79話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 伝説のドラゴン
2時間後、ケイルたち全員が「ノーリターンの道」の⼊り⼝に集まる。
「ハンス、あなたは行方不明者のリストを手に入れてください」
「かしこまりました」
ハンスはおそらく、この旅⾏中に⼦猫の秘密を知ることになるだろう。
メイス、狼族の⼦供たち、そしてヒルスマンが一列に並んでいる。
彼らは訓練された騎士団のように見えた。
彼らには、オンを連れて森の中を捜索するように命じる。
ミューラーも最初は怯えていたが、ケイルの無言の圧力に屈することとなる。
その後、少し離れた場所にいたリタに声をかける。
「ようやく出発できそうです。2時間も待たせてしまい、申し訳ありません」
「いいえ、大丈夫です」
リタナは、ケイルの仲間を観察しながら、そのように答えた。
彼らのから滲み出る強さは、明らかに通常の騎士たちの力を大きく超えており、とても興味深かった。
⼀⽅、ケイルの仲間は、彼がリタナに優しく接しているのを⾒た後も、驚きを表面上には出さない。
事前に彼らは知っていたのだ、ケイルの態度が変化することを。
「さあ、⾏きましょう」
「すみません、ケイルさん」
歩いているケイルの隣にチェハンが近づく。
彼は何か⾔いたいことがあるようだ。
「何ですか?」
「ジャングルには彼らも関わっているのですか?」
チェハンの視線は用心深く、鋭かった。
彼の話す「彼ら」が誰なのかはすぐに理解した。
広場でテロ事件を引き起こした秘密結社のことだ。
「いいえ、今回の出来事は彼らと関係していません」
「そうですか・・・」
「チェハン、私はあなたとの誓いを覚えています。彼らを⾒つけたら、すぐにあなたに知らせます。だから⼼配しないでください」
「分かりました。それと・・・」
まだ会話は終わっていないようだ。
「ケイルさん、難しいことを一人で達成しようとしないでください」
(何を言ってるんだ?)
不信感を抱いたまま、チェハンを見つめる。
その瞬間だった。
「私もそれに同意します」
いつの間にか、ロザリンも隣にいた。
彼らの話したいことが理解できない。
「あなたたちが何について話しているのか分かりません。難しいことをするつもりはないですよ」
(周りに使える⼈がたくさんいるのに、どうして自分で⼤変なことをする必要が?)
そう答えると、チェハンとロザリンはお互いに顔を見合わせて、意味深な笑顔を浮かべた。
短い休憩を除いて⼀晩中歩いた後、彼らは翌⽇、「ノーリターンの道」を抜けることに成功する。
「・・・これは」
ケイルの仲間たちは、森を出た後の光景に驚きを隠せなかった。
ジャングルまでかなりの距離があるにもかかわらず、ジャングルの方向から黒い煙がはっきりと見えていたのだ。
「急ぎましょう」
リタナは唇を噛みしめて、ケイルたちに促す。
「できるだけ早く移動する必要があるので、⼤変な旅になるかもしれません」
「問題ありません」
「行きましょう」
お礼を言う代わりに、リタナは歩き始めた。
数日後、疲れ果てた集団は⽬の前に⼤きな⽕を⾒る。
⼤⽕の周りにたくさんのテントが。
しかし、仲間たちの誰も彼らに注意を払っていない。
「これは火事なのですか?」
ラークは無意識のうちに一歩後退していた。
まるで⽕⼭が噴⽕して⼭を覆っていたかのように、⽕は⼭のように⾼く燃え上がっていた。
こんな光景を誰も見たことがなく、全員が戸惑っている。
「・・・」
チェハンの呼吸も荒くなるくらいに息苦しかった。
闇の森に何年も住んでいた彼でさえ、これほど⼤規模な⽕事を⾒たことはない。
「これは火なの?」
ロザリンの目は信じられないほど震えていた。
その反応は当然だろう。
今は雨が多く降る梅雨の季節だったのだから。
しかし、火が収まる気配は見えない。
「ええ、その通りです」
リタナが苦笑いしながら火を見つめる。
⼈間の理解を超えたこの恐ろしい⾃然災害は、すべての人間に恐怖をもたらしていた。
そんな中で、ケイルは静かに火を観察している。
彼を観察していたリタナは、あえて「行きましょう」とは言わなかった。
そう考えていたとき。
「暑いですね」
ケイルはそう言って、レインコートとジャケットを脱ぐ。
その後、リタナの方を振り向く。
「⾏きましょう。できるだけ⽕の近くに⾏く必要があると思います」
まるで散歩にでも行くかのように、彼はリラックスしていた。
「「女王様!」」
テントから現れた人々の呼びかけに、ケイルは驚いた。
リタナが女王だったからではなく、大きな動物が接近してきたから。
「テン!」
⼤きな黒豹がリタナの呼びかけで駆け寄る。
彼女は、ブラックパンサーの後ろに簡単に⾶び乗った。
「テンと私があなたを連れて⾏きます」
その瞬間、テントから駆け寄った部下たちが、リタナとケイルの間を交互に見る。
「殿下、この方たちは?」
「彼はドラゴンです」
「え?」
彼らへの対応は部下たちに任せることにし、リタナはケイルに手を差し伸べた。
「乗ってください、ケイルさん」
ついて来ようとするチェハンたちをその場に留まらせて、ケイルは遠くで燃えている火に向かう。
境界の内側では、雹のように⽕の粉が渦巻いていた。
改めて、帝国の王子がどれだけ狂っているのかを理解する。
[人間・・・、この⽕は変だ]
頭の中でラオンの声を聞く。
「リナ夫人、一歩下がってください」
「ですが!」
「火に近づく必要がありますから」
この⽕を消すためには、消⽕⽔の約3分の1を使う必要があるでしょう。
直接⾒ると、これが通常の⼭⽕事とは別次元であることが分かる。
リタナとテンは足手まといでしかない。
「⼀歩下がってください」
リタナは、ケイルの厳しい態度を⾒た後、応答することができなかった。
⽕のように⾚い髪の男が笑い始める。
リラックスした笑顔だった。
「私は怪我をしません。⽕を消して帰りますので、⼀歩下がって⾒ててください。危険に⾒えるなら、あなたはいつでも私を救うことができますから」
それで、ケイルは躊躇うことなく境界の内側に⼊る。
(⼼の活⼒がなかったら危険だったでしょう)
それほどに暑さは強かった。
しかし、何の痛みも感じない。
ネックレス内の⽔を抑える消⽕⼒と、⼼臓の活⼒のおかげで回復しているからだ。
[弱い⼈間、この⽕は狂った⽕のようです!これは⾃然の法則に反します!]
ラオンの大声が頭の中で騒ぎ立てるが、ケイルはその声を無視する。
遠くのテントからはチェハンたちの姿が。
舌打ちをして腕を広げた。
「ネックレス」の⼒を使って、⾬と⽕の⾳に⽿を傾ける。
それと同時に、ネックレスが⻘く光り始めた。
⽬を閉じると、ネックレスの中の⽔の⼒を感じることができた。
⽕を抑えて⽀配する⽔。
惜しみなく⽔の3分の1を取り出し、ケイルの⼿から⽔が空中に⾶び出した。
それは⽔の壁だった。
「・・・ああ」
リタナは無意識のうちに賞賛のあえぎを吐き出す。
同時に、テンは無意識のうちに後退していた。
彼らの前に⼤きな波が⽣まれる。
これを⾒て、リタナは悪寒を感じた。
波が⽕に合わせて⼤きくなり始める。
全てを⼀掃できるような巨⼤な波が空中に浮かび上がっていく。
「あれ?」
(少し多すぎたか?)
ケイルは少し慌てていた。
その瞬間、ラオンの声を聞く。
[良いアイデアです!⼈間、このクレイジーな⽕を⼀掃しましょう!]
その言葉に、ケールは笑い始めた。
はい、⼀掃しましょう。
⼤きな波が地⾯に激突し、⻘い⽔の壁が⽕を覆っていく。
リタナからすれば、ケイルは伝説のドラゴンのような存在ですよね!
霧の中を案内してくれて、リタナの願いを叶えてくれるのですから。
果たして、火は無事に消えるのでしょうか?





