こんにちは、ピッコです。
「影の皇妃」を紹介させていただきます。
今回は243話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。
皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。
そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!
自分を陥れた大公家への復讐を誓い…
エレナ:主人公。熱病で死んだベロニカ公女の代わりとなった、新たな公女。
リアブリック:大公家の権力者の一人。影からエレナを操る。
フランツェ大公:ベロニカの父親。
クラディオス・シアン:皇太子。過去の世界でエレナと結婚した男性。
イアン:過去の世界でエレナは産んだ息子。
レン・バスタージュ:ベロニカの親戚。危険人物とみなされている。
フューレルバード:氷の騎士と呼ばれる。エレナの護衛。
ローレンツ卿:過去の世界でエレナの護衛騎士だった人物。
アヴェラ:ラインハルト家の長女。過去の世界で、皇太子妃の座を争った女性。
243話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side シアン
皇居の廊下を横切るシアンの足取りからは焦りが滲み出ていた。
フランツェ大公が皇居に押し寄せたことだけでも気になったが、皇帝に謁見を要請したという事実を聞いてじっとしていられなかったのだ。
(気づいたのか?)
落ち着こうとしたが、シアンは焦るしかなかった。
大公家が上納した課徴金とエレナが加えた資金をもとに秘密裏に皇居近衛隊の改革に着手した。
実力も落ち、皇室に向けた忠誠心さえない腐った近衛兵を選び出し、実力は優れているが身分の限界にぶつかったり、色々な理由で落伍した者たちに変えるつもりだ。
本宮に到着したシアンを見ながら、侍女と近衛兵たちが頭を下げる。
「皇太子殿下にお目にかかります」
「陛下は?」
「フランツェ大公と単独面談中です」
時間を勘案すれば、1時間以上単独面談中ということだ。
思ったより対話が長くなっている。
「せっかく大公がいらっしゃっているのだから、挨拶をしなければならない。伝えろ」
「ですが・・・」
その時、折りしも固く閉ざされていた扉が開いた。
片眼鏡にコートを羽織ったフランツェ大公が出てきたのだ。
「お久しぶりです、皇太子殿下。ご覧になっていないうちに、ますます凛々しくなりましたね」
「大公も相変わらずです」
形式的な安否を尋ねる2人の視線が空中でぶつかる。
お互いの本音を読もうとするかのように目を離さなかったが、どちらも感情を読むことができなかった。
音のないぶつかり合いを先に止めたのはフランツェ大公の方。
「成熟されましたね」
「褒めすぎです。陛下と単独面談をされたんですって?私も呼んだらよかったのでは?」
「そう思っています。陛下には言葉が通じなくて、今私の気分はとても不愉快ですので。殿下は違いますよね?」
「・・・」
無表情を維持しているが、シアンは侮辱感を感じた。
一介の貴族のくせに皇帝を綾滅するだけでは足りず、皇太子であるシアンさえも見下しているのだから。
「陛下にお伝えください。今日のことは忘れないと」
そう言って大公は遠ざかっていく。
大抵のことでは感情を表に出さない彼があんな警告までするほどなら、リチャード皇帝が断固として話を切ったという意味でもある。
急いで中に入ると、皇座に座っている皇帝の姿が目に入った。
最近著しく悪化した健康のためか、咳をする彼の姿は衰えて見える。
「ゴホゴホ、来たのか?」
「はい、陛下」
「大公と出くわしたのか?」
シアンが頷いて聞き返す。
「何があったのですか?あれほどに感情的な大公は初めて見ます。今日のことは忘れないと意気込んでいました」
「父親の役割を少し果たしただけだ」
生前、口にしなかった父親という言葉がシアンの胸を痛める。
「私に言ったんだ。王命を下してサロンを閉鎖しろと」
シアンの瞳が揺れた。
サロンを閉鎖しろ?
直接皇帝に要求したということは、フランツェ大公が露骨にサロンを狙っているということに他ならない。
「断った」
「お父さん」
「お前がそうしたんじゃないか?そこだけは守らなければならないと。君が作ろうとする新帝国のスタート地点になる場所だって」
シアンにとって、サロンは羅針盤だった。
方向を提示し、進むべき場所を示す象徴。
「小さな帝国」
シアンはサロンを見ながら未来の帝国を描いていた。
槍と剣ではなく、文化を前面に出して帝国民が啓蒙され認識が変わる過程を両目でハッキリと目撃することができた。
シアンが追求する新帝国の縮小版だと言える。
その場所をフランツェ大公の魔手からリチャード皇帝が守ってくれた。
それが容易ではないことを知っているため、シアンは感謝しながらも心配した。
「大公がじっとしているわけではないでしょう」
「そうだろうね。物足りないと皇帝まで入れ替える人間ではないか?」
自分に迫る後遺症にもかかわらず、リチャード皇帝は他人事のように淡々としている。
「息子よ。お前はこの件に関わるな」
「そんなことはできません。私が前に出て・・・」
「いいや、そうでなければならない。君が皇居近衛隊を改革することに成功してこそ、私がフランツェ大公の注目を集めた甲斐があるのではないのか?」
シアンの眼差しが揺れた。
そんな息子を見るリチャード皇帝の口元にかすかな笑みが浮かぶ。
「望んでもいなかった皇帝の座に上がり、あなたに重大な負担と責任を与えてしまった」
「一度も自分の席が負担だと思ったことはありません」
シアンは断固としてハッキリと告げる。
彼は皇太子という地位を認知してから宿命のように受け入れた。
そのような義務を負ってくれたリチャード皇帝を恨んだことは一度もない。
皇帝がシアンの味方で良かったです!
皇帝も苦労していると思いますが、シアンには頑張ってほしいですね。
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