こんにちは、ピッコです。
「ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜」を紹介させていただきます。
今回は215話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
どういう訳か小説の中の悪の一族、アグリチェ一家の娘「ロクサナ」に生まれ変わっていた!
アグリチェは人殺しをものともしない残虐非道な一族で、ロクサナもまたその一族の一人。
そして物語は、ロクサナの父「ラント」がある男を拉致してきた場面から始まる。
その拉致されてきた男は、アグリチェ一族とは対極のぺデリアン一族のプリンス「カシス」だった。
アグリチェ一族の誰もがカシスを殺そうとする中、ロクサナだけは唯一家族を騙してでも必死に救おうとする。
最初はロクサナを警戒していたカシスも徐々に心を開き始め…。
ロクサナ・アグリチェ:本作の主人公。
シルビア・ペデリアン:小説のヒロイン。
カシス・ペデリアン:シルビアの兄。
ラント・アグリチェ:ロクサナの父親。
アシル・アグリチェ:ロクサナの4つ上の兄。故人。
ジェレミー・アグリチェ:ロクサナの腹違いの弟。
シャーロット・アグリチェ:ロクサナの妹。
デオン・アグリチェ:ロクサナの兄。ラントが最も期待を寄せている男。
シエラ・アグリチェ:ロクサナの母親
マリア・アグリチェ:ラントの3番目の妻。デオンの母親。
エミリー:ロクサナの専属メイド。
グリジェルダ・アグリチェ:ロクサナの腹違いの姉。
ポンタイン・アグリチェ:ラントの長男。
リュザーク・ガストロ:ガストロ家の後継者。
ノエル・ベルティウム:ベルティウム家の後継者
215話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 彼女のために③
カシスは、今すぐ目の前にいる男をこの世から跡形もなく消してしまいたい欲望を全力で押さえつけた。
「あなたが言ったように、何でも壊してなくすことだけが、本当にロクサナのためにできる唯一のことなら、むしろそれを恥じるべきだ。あなたは、それがかなり誇らしいようだがね?」
殺したいけど殺せない。
ロクサナの視線にさえ届かないようにしておきたいが、それはできない。
今、視線を合わせている二人の心の中を占めた共通の矛盾。
「デオン・アグリチェ、ロクサナはあなたを望んでいない」
すぐにカシスはデオンに視線を正面から合わせ、冷たい目つきとは違って静かにまで感じられる淡々とした音声で話した。
「でも・・・、そうだね。たとえ本当にあなたの妄想的な言葉のようにロクサナが自らあなたのいる闇に行くことを望んだとしても」
あくまでも万が一の仮定であり、それは決して現実では起こらないこと。
そのため無意味な言葉でもあった。
しかし、カシスはたとえそれが彼の前に置かれる不変の未来だとしても、微塵の迷いもなく話すことができた。
「喜んでその手を握って奈落まで一緒に歩いていける人があなただけだと自慢するな」
カシスは冷たい視線でデオンを見つめ、ついに手を離す。
そして、これ以上視線さえ置く価値がないように、一度も振り返らずにそのまま席を離れた。
遠ざかる人と残された人、二人の上にしつこい赤い光が惜しみなく降り注いだ。
デオンはいつの間にか握りしめていた手から力を抜いた。
その間に本来の形が残っていない破れた花びらが芝生の緑色の波の上に水のように堕落する。
『デオン。もう私にあなたは必要ない』
『デオン・アグリチェ、ロクサナはあなたを望んでいない』
先ほど聞いたカシス・ペデリアンの言葉が、ロクサナの声と入り混じって胸を引っ掻いた。
デオンはその言葉を死んでも認められなかった。
ロクサナには自分が必要だ。
ロクサナが望むものを彼女の胸に抱かせることができる人は他の誰でもない自分だった。
それだけが今のデオンを生きさせる理由。
だからもしロクサナが否定するなら、どんな手を使ってでも直接使い道を立証してしまうだろう。
そして、最終的には彼女の口から自分に言った言葉を直接覆すしかないように。
空中の向こうを見つめる赤い瞳が、この上なく冷たく明瞭だった。
デオンは不吉な影を後ろに垂らしたまま、人のいない後園を抜け出す。
「はっ!」
ニックスは息を切らして目を覚ました。
目を覚ますと相変わらず狭い部屋の中。
毎日のように繰り返されていた夜のせいか、今自分がまだ夢の中にいるかどうか、よく分からなかった。
ニックスはしばらく焦点のない瞬きをしながらじっと横になっていた。
いつからか様々な夢を交互に見ていたが、それでも今回は心臓を貫く夢ではなかった。
それで今はみっともなく息を切らしながら胸元を持たなくてよかった。
「うっ」
しかし、ニックスは他の理由で体を小さく痙攣させる。
なんとなく全身がヒリヒリする感じだった。
青の貴公子とのこともあったが、実はこのように体調が悪くなったのはベルティウムで大怪我をしてからだ。
どうやらその時すでに肉体に致命的な欠陥が生じたようだった。
ガチャリ。
すると突然鼓膜に食い込んだ音に、ニックスは手首を覆っている冷たい鉄の塊を見下ろす。
突然この頃毎晩を彼を訪れてくる不思議な夢が浮かんだ。
夢とは元々そういうものなのか。
確かに自分に実在したことではないのに、夢の中で見た場面が必ず本来彼が持っていた記憶でもあるような錯覚が起きる時がしばしばあった。
最近見た夢の一つで、彼はこのようなことを経験したことがある。
夢でのニックスは直接自分の手首に手錠をかけ、これのロックを解除する方法を誰かに教えていた。
それはニックスの知り合いによく似た金髪で赤目の少女。
「私がおかしくなっているのかな?」
何だからとても汚い気分だ。
今自分が感じているこの散乱した気持ちを何と定着すればいいのか分からなかった。
再び四肢がズキズキする。
今日は少し頭も痛いようだ。
このような時、ユグドラシルの外でシルビア・ペデリアンが触れた時の感覚を思い浮かべると、それで症状が少しは緩和されるようだった。
それでニックスは目を閉じて、努めてその時の記憶を蘇らせる。
デオンの感情が怖いですね・・・。
ロクサナへの依存と執着で、彼は何を起こすつもりでしょうか?
一方のニックスもかなり消耗している様子。
ノエルがユグドラシルに到着していることを知っているのでしょうか?