こんにちは、ピッコです。
「夫を味方にする方法」を紹介させていただきます。
今回は129話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
死ぬ前に読んでいた本の中の悪女ルードべキアに憑依してしまう。
前世では養子となった家族から虐待を受けていたけど、ルードべキアも同じような境遇だった…。
しかも父によって政略結婚させられた北部最高の冷血な騎士イースケは原作で自分を殺すことになる夫だった!
小説の内容をすでに知っているルードべキアは、生き延びるために夫を愛する演技をするが…
ルードベキア:ルードベキア・デ・ボルヒア。本作の主人公。愛称はルビ。
イースケ:イースケ・バン・オメルタ。ルビの結婚相手。愛称はイース。
エレニア:エレニア・バン・オメルア。イースケの妹。愛称はエレン。
フレイヤ:フレイヤ・バン・ピュリアーナ。イースケの幼馴染。
ボルヒア:教皇。ルビの父親。
チェシアレ:チェシアレ・デ・ボルヒア。長男
エンツォ:エンツォ・デ・ボルヒア。次男。
ローニャ:ルビの専属メイド
129話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 非常事態⑤
「アイバン!」
続々と合流してくる仲間の登場にもアイバンは安堵する暇がなかった。
巨大な尻尾が彼らの方をまっすぐ襲い、ガサガサと大きな音を立てる。
すでにヒビが入った石の底が大きく割れ、石塊と水が四方に湧き上がって飛んだ。
先を争って走ってきた騎士たちも四方に散る。
しかし、アイバンはそんな中でも、完全に一人だけ心配している自分を発見中だった。
「おい、イースケ!お前、負けたのか?」
「ふざけるな」
まだ負けていないようだ。
粉々に砕け落ちた石壁の山の上に着地して立ったイースケが、不気味に発光する血色の瞳でこちらを振り返る。
そういえば、あいつも興奮期に入ってしまったよ。
アイバンは歯を食いしばる。
死なない分だけ殴ってやるというのに、かなり苦戦しているくせに、もう競技場で力を使い果たし、普段のような状態でもないくせに過度な興奮期に入ることさえある友人を見守るのは容易なことではなかった。
弱り目に祟り目で、これは殺すための戦いでもない。
むしろ殺すことが目的だったら、もっと簡単だったかもしれない。
彼ら皆が過度な興奮期に突入してドラゴンに襲い掛かることができたとすれば、同僚たち皆が一緒に特攻状態になって狂ったドラゴンを相手にすることができたとすれば・・・。
アイバンは、本当にむしろそれを奨励したかった。
しかし、そうすると、あの狂ったトカゲと双璧をなす状態のイースケに何をされるか分からない。
この思いがけない状況に誰一人問い詰めることができなかった。
純粋にそんな暇がなかったからだ。
「クラアアアア!!」
塔を取り囲む階段と周辺の建物の屋根をむやみに壊しながら一回り身を振ったドラゴンが、彼らの方に向かって真っ黒な口角を開いた。
恐ろしい冷気と聖剣から噴き出すシールドが衝突し、屈折した冷気暴風が四方八方に広がっていく。
一帯がすっかり凍りついた冬の城になったのは当然の手順だった。
そうするうちに、ある瞬間、石の山の上にいた銀髪の騎士が空中に飛び上がり、冷気を噴き出しているドラゴンの頭のうえに着地する。
まさに狂った行為だ。
言うまでもなく狂った行為なので、最初から現実ではないように感じられるほどだった。
「俺の妻があなたと一緒にいたいと言った!」
聞いたこともない奇怪な声を叫びながら、自分の面相を剣などで容赦なく殴る人間の生意気な行為に、ドラゴンはあまりにも意外な攻撃だからか、それとも目をまともに開けるのが難しいからか、数秒間そのまま殴られていただけで、当然その通りにした。
「クラアアアアア!!」
天地が割れて爆発するようだった。
ドラゴンがイースケを震わせてもがいている間、アイバンは辛うじてシールドを維持している同僚たちを追い詰め、すぐに駆けつける。
どうせ殺さなければいいので、剣を何度も刺しても構わないということだ。
そもそもそんなことで死ぬ生物でもなく、剣をあんなに刺したのに、依然として元気いっぱいだった。
「クルルルル!」
そのためか、次の瞬間にドラゴンが飛び上がる。
巨大な羽先を破ろうとしていたパラディンの何人かが落ちていった。
「クラアアアアアアアアアアア!」
厚い氷で覆われていた月の塔が徐々に崩れ始めていく。
ドラゴンはまるで怒っているように、あるいは八つ当たりするように塔を壊しながら、あちこちで無造作に冷気を放っていた。
下からむやみに吹き飛ばした神聖な剣が竜巻のような冷気と衝突し、凍った涙になる。
「おい、イースケ!」
埃と建物の破片、煌めく剣気と氷の嵐と粉のように降り注ぐ雪などのおかげで、まったく視野を確保することができなかったが、アイバンはイースケという名前の狂った奴を見つけた。
その狂人は、いまだにドラゴンにくっついている。
正確にはドラゴンの背中、細かい鱗の間に剣を半分ほど打ち込んだまま掴まっていた。
次の瞬間、ドラゴンは何の前兆もなく下降する。
何の考えが浮かんだのか地面に向かって突進しながら回転した。
恐ろしい破裂音が天空を突き破って向こうにいる先祖たちにまで聞こえるかのようにこだまする。
それからしばらく不吉な静けさが訪れた。
「・・・おい、おい、おい」
誰かが自分の腹部を押さえつけている石の山を片付けてくれて、アイバンは辛うじて上半身を起こす。
ガラールかカミュだろうと思っていたが、いつも生意気なルーブだった。
片手を眼帯で覆った眼鏡が輝いている。
その肩越しにアイバンはその姿を見た。
床に着地して座ったドラゴンは、もはや咆哮もせず、唸りもしていない。
何の音もなく、まるで獲物を捕まえる猛獣のように体の前を少し下げたまま、耳と翼を平たくつけた姿勢で前足の下の何かを凝視している。
巨大な体を覆った青い鱗が揺れながら互いにぶつかり合う。
その音が今までの何よりも戦慄を引き起こした。
そうだった。
ドラゴンが片足で押さえつけている獲物は他でもないイースケだった。
ドラゴンとの激戦。
殺さずに戦うのはやはり厳しいですね・・・。
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